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旬の魚はなぜうまい

秋のサンマ,冬のブリ,夏のカツオ.「旬の魚」たちを主役に,魚の形・生態と味・料理法とのかかわりを説く.

旬の魚はなぜうまい
著者 岩井 保
通し番号 新赤版 805
ジャンル 書籍 > 岩波新書 > 自然科学
刊行日 2002/09/20
ISBN 9784004308058
Cコード 0245
体裁 新書 ・ 並製 ・ カバー ・ 240頁
在庫 品切れ
秋のサンマ,冬のブリ,夏のカツオ….冷凍設備が整い季節感の薄れてきた今日でも,日本人の食生活の中で,「旬の魚」はしっかり生きている.だが,「旬」とは何なのだろうか.魚たちがもつ多様な姿形や生息場所,行動,産卵期などを語り,その生態と味や料理法とのかかわりを明らかにする.食卓での話題が広がる楽しい1冊.
はじめに

1 マグロのトロ ヒラメのエンガワ
 赤身の魚と白身の魚/高体温のマグロ/ヒラメのエンガワ/カジキの泳ぎはスポーツカーなみか/泳ぎ方くらべ/ウナギはなぜ蒲焼か

2 春は桜鯛 秋は秋刀魚
 桜とマダイ、秋風とサンマ/南の魚、北の魚/生活圏が広い魚、狭い魚/群れで回遊/故郷の川へ帰るサケ/ウナギの長旅/水圧の変化に耐えて鉛直回遊

3 意外に美味なフカの刺身
 サメ肉は尿素を含む/海水魚と淡水魚のちがい/川と海を行き来する魚/川から海へ産卵回遊するウナギ/淡水中の魚の浸透圧調節とホルモン/サケの浸透圧調節とホルモン

4 アユは香りを食べる
 アユの香りの正体/魚は何を食べているか/魚の食事時/食物のとり方/歯の形で食性がわかる/胃のある魚とない魚/食性と腸の長さ/食物連鎖の中のワックスエステル

5 カズノコは正月の味?
 子孫繁栄にかけるカズノコ/雌と雄/卵生と胎生/浮性卵と沈性卵/雌雄同体と性転換

6 春を告げる白魚漁
 シロウオかシラウオか/シラス干しはカルシウムのカプセル/浮遊生活期の子魚の特徴/出世魚/体側筋の成長

7 魚の旬と産卵期
 秋サケとブナ化/姿も味も極上の寒ブリ/魔魚フグの味/アンコウ鍋/タラちりと冷凍すり身/麦わらイサギと麦わらダイ

8 サバ街道今昔
 増える輸入魚/魚離れ/荒廃しやすい天然のタンパク質備蓄場

おわりに
主要参考文献
岩井 保 (いわい たもつ)
1929年島根県生まれ
1961年京都大学大学院農学研究科博士課程修了
現在─京都大学名誉教授
専攻─魚類生物学
著書─『魚学概論』(恒星社厚生閣)
   『魚の国の驚異』(朝日新聞社)
   『検索入門 釣りの魚』(保育社)
   『魚の事典』(分担執筆,東京堂出版)
   ほか

書評情報

毎日新聞(朝刊) 2002年11月24日
サンデー毎日 2002年11月10日号
しんぶん赤旗 2002年11月4日
産経新聞(朝刊) 2002年11月4日
週刊東洋経済 2002年10月12日号
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