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2024.01.05
源氏物語の世界
源氏物語の多面的な構造に光をあて,桐壺巻に仕掛けられた「謎掛け」を手がかりに物語世界を読み解く.
源氏物語は恋と愛の物語であり,王権と政治の物語であり,人の生き方と救済を問う物語でもある.千年にわたって読み継がれてきたその魅力の根源を,この物語のもつ多義的・多面的な構造に求めながら,冒頭の桐壺巻に仕掛けられた四つの「謎かけ」を手がかりにその世界を読み解いていく.源氏物語は,読者に問いかける物語なのである.
書評情報
朝日新聞(朝刊) 2004年12月26日