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源義経

文書・記録や物語類を広く探索して,単なる「悲劇のヒーロー」ではない義経の実像と魅力の秘密に迫る.

源義経
著者 五味 文彦
通し番号 新赤版 914
ジャンル 書籍 > 岩波新書 > 日本史
刊行日 2004/10/20
ISBN 9784004309147
Cコード 0221
体裁 新書 ・ 並製 ・ カバー ・ 236頁
在庫 在庫僅少
全国各地に残る数多くの伝説,そして彼の名前に由来する「判官びいき」という言葉--このように今なお高い人気をもち,日本史上最も有名な英雄となっている源義経とはいったいどういう人物だったのか? 義経に関わる文書・記録や物語類などを広く探索して,単なる「悲劇のヒーロー」ではないその実像と魅力の秘密に迫る.
はじめに

Ⅰ 幼きころ──史料の性格を考える

 信頼できる史料は何か 父と兄たち 母の周辺 『平治物語』の性格 常磐の物語のテーマ 観音信仰の物語 竜門の地

Ⅱ 童の時代──『平治物語』の世界

 「義経物語」の始まり 鞍馬山の沙那王 金商人の話 金売り吉次の実像 諸陵助重頼と義経 義経物語と曾我・小栗判官

Ⅲ 英雄への階梯──『義経記』の世界

 「しやうもん坊」の勧め 奥州下り 鬼一法眼と法師陰陽師 武蔵房弁慶の物語 義経と弁慶との出会い 『弁慶物語』の成立

Ⅳ 英雄時代──『吾妻鏡』の世界

 奥州の世界 義経と『吾妻鏡』 鎌倉の義経 鎌倉殿の代官 木曾追討 一の谷の合戦 義経に集まる期待

Ⅴ 義経の力──文書から探る

 畿内近国の支配権 人材を集める 義経の手勢 弁慶の実像 大夫判官義経 義経をめぐる女性たち

Ⅵ 合戦の英雄──合戦記と物語

 追討と畿内近国支配 大将軍の器量 屋島の合戦 壇ノ浦の戦 平氏の滅亡 義経の試練

Ⅶ 頼朝との対立──書状の役割

 景時の讒訴 腰越状 頼朝の目論見 義経の反撃 義経包囲網 刺客の派遣

Ⅷ 落日の義経──宣旨と院宣

 義経の挙兵 没落の船出 大勢一転 吉野の義経 幕府と朝廷の関係

Ⅸ 静の物語──『吾妻鏡』と『玉葉』

 静と磯禅師 静の芸 捜索の手 追及を受ける人々 大捜索

Ⅹ 奥州の世界へ──記録と伝説

 逃避行 平泉の世界 奥州藤原氏と頼朝 義経の最期 栄華の跡 義経伝説の広がり

おわりに

参考文献

源義経関連略年表

あとがき

キーワード
五味文彦(ごみふみひこ)
1946年山梨県に生まれる.1970年東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了.東京大学教授などを経て,
現在─東京大学・放送大学名誉教授
専攻─日本中世史
著書─『院政期社会の研究』(山川出版社)
   『書物の中世史』(みすず書房)
   『躍動する中世』(全集 日本の歴史5,小学館)
   『日本史の新たな見方,捉え方』(敬文舎)
   『文学で読む日本の歴史』古典文学篇,
   中世社会篇,戦国社会篇(山川出版社)
   『日本史のなかの横浜』(有隣堂)
   『シリーズ日本中世史① 中世社会のはじまり』
   『日本の歴史を旅する』(以上,岩波新書)ほか多数

書評情報

朝日新聞(夕刊) 2011年4月26日
毎日新聞(朝刊) 2004年12月26日
毎日新聞(朝刊) 2004年12月12日
しんぶん赤旗 2004年11月28日
朝日新聞(朝刊) 2004年11月7日

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