国連とアメリカ

アメリカはなぜ国連に敵対的なのか.国連の原点にさかのぼりながら,世界秩序の将来を展望する.

国連とアメリカ
著者 最上 敏樹
通し番号 新赤版 937
ジャンル 書籍 > 岩波新書 > 社会
刊行日 2005/03/18
ISBN 9784004309376
Cコード 0231
体裁 新書 ・ 並製 ・ カバー ・ 264頁
在庫 品切れ
イラク戦争時をはじめ,アメリカはなぜ国連を意に介さぬ態度をとるのか.国連がアメリカを一員とする世界秩序の中心となるには,何が必要なのか.国際連盟・連合の創設時にまでさかのぼりながら,国際機構に対するアメリカの姿勢の変化をたどり,「帝国」と「多国間主義」の相克という現代世界の問題に迫る.
序 「アメリカの下の国連」か、「アメリカ対国連」か

第一章 二〇〇三年 対イラク戦争の衝撃
 1 破局への滑落
 2 はじめに戦意ありき
 3 「侵 略」
 4 偽装多国間主義

第二章 理念の挫折──国際連盟からの途中下車
 1 一九一九年・パリ
 2 普遍主義と平和主義
 3 非多国間主義的なるもの
 4 単独行動主義の手前で
 5 ウイルソン 対 アメリカ──反多国間主義の勝利

第三章 国連建設への奔走──調整者アメリカ
 1 米国務省の疾駆
 2 多国間主義の中心
 3 ダンバートン・オークス会議
 4 サンフランシスコ会議
 5 集団的自衛権の登場
 6 アメリカ国内での仕上げ

第四章 浮遊する申し子──国連という機構
 1 明瞭な出発点
 2 冷戦期の変化
 3 総会の台頭
 4 正統性の問題

第五章 居ごこちの悪い場所──反多国間主義化するアメリカ
 1 君臨と理念──いちどきの喪失
 2 国際民主主義の始動
 3 多国間主義的アメリカ
 4 多国間主義からの疎隔
 5 多戦争国家、そして反国連国家
 6 ニカラグア事件

第六章 国連ルネサンスの幻影──アメリカの再登場と再退場
 1 冷戦の終焉とアメリカの再登場
 2 湾岸戦争
 3 足早な退場
 4 単独行動主義の下の国連
 5 九・一一テロとアフガニスタン戦争
 6 総決算としての対イラク戦争──自己例外主義
 7 国際法無視としての単独行動主義

終章 アメリカなき国連?
 1 仮想脱退
 2 脱退を叫ぶ人々
 3 追 放 劇
 4 アメリカ的なるもの──抑制と復元と

あとがき
主要参考文献
最上敏樹 (もがみとしき)
1950年北海道生まれ
1974年東京大学法学部卒業
1980年東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了
現在─国際基督教大学教授、同大学平和研究所所長
専攻─国際法、国際機構論
著書─『ユネスコの危機と世界秩序』(東研出版)
   『国連システムを超えて』(岩波書店)
   『国際機構論』(東京大学出版会)
   『人道的介入』(岩波新書)ほか

書評情報

レヴァイアサン 45号(2009年秋)
日本経済新聞(朝刊) 2006年3月5日
朝日新聞(朝刊) 2005年10月16日
信濃毎日新聞(朝刊) 2005年5月29日
朝日新聞(朝刊) 2005年5月1日
東京新聞(朝刊) 2005年5月1日
しんぶん赤旗 2005年4月24日
沖縄タイムス(朝刊) 2005年4月9日
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