野生動物と共存できるか

保全生態学入門

ラッコやクマを駆除していいのだろうか?

野生動物と共存できるか
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著者 高槻 成紀
通し番号 ジュニア新書 536
ジャンル 書籍 > 岩波ジュニア新書 > 生物・化学・環境
刊行日 2006/06/20
ISBN 9784005005369
Cコード 0245
体裁 新書 ・ 並製 ・ カバー ・ 220頁
定価 本体820円+税
在庫 在庫あり

ラッコが駆除された.貝やカニを食べて漁業に被害を与えるという理由だったが,増えると思った漁獲量が減った.なぜ? 怖いクマや爆発的に増えるシカと,ほんとうに共存できるのだろうか.絶滅危惧種はどうすれば守れるのか.いま,新しい学問・保全生態学がさまざまなチャレンジを試みている.

■内容紹介
 海面に仰向けに浮かんで,貝やウニを割って食べるしぐさがかわいいラッコ.そのラッコを,貝などを食べ過ぎて漁業に害を及ぼすという理由で駆除したことがありました.ところが,増えるはずの漁獲が逆に減ったのです.その理由は,ラッコがいなくなって増えたウニがコンブを食べ過ぎ,魚たちの隠れ家がなくなったのでした.だから,ラッコの駆除はまちがいだったわけです.
 こんなことからも生物どうしの関係がはっきりと見えてきます.ラッコの例と同じように,クマやサルが人の住む場所の近くに出てくるからといって,「殺してしまえ」という論理は成り立ちません.では,どうすればいいのでしょうか? また,アマミノクロウサギやヤンバルクイナのように絶滅の危機にある動物は,どうすればまもれるのでしょうか?
 新しい学問である保全生態学が,そのむずかしい問題にいま,活発にチャレンジしています.小笠原のひとつの島をまる裸にしてしまったヤギ(家畜の野生化したもの),モンゴルの大草原に住み数が激減しているモウコガゼル,村の畑に農作物を採りにくるサルなど,野生動物との共存の方法を探るさまざまな活動は,とても興味深いものです.
 なにしろ自然が相手ですから,かんたんに答えが出るとは思えませんが,これらのチャレンジが着実に答えを導き出してきています.活動のおもしろさ,研究者やかかわる人たちの情熱には驚かされます.

1 いま,野生動物にこんな問題が
2 絶滅はなぜおきるのだろう
3 保全生態学が野生動物をまもる
4 保全生態学のじっさい――私たちの研究から
5 野生動物問題の解決に向けて
6 野生動物をどう考えればいいか

書評情報

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どうぶつと動物園 2007年冬号
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