日本の文化

日本の文化の最も日本的な特色とは一体何か.

日本の文化
著者 村井 康彦
通し番号 ジュニア新書 409
ジャンル 書籍 > 岩波ジュニア新書
日本十進分類 > 歴史/地理
刊行日 2002/09/20
ISBN 9784005004096
Cコード 0221
体裁 新書 ・ 並製 ・ カバー ・ 270頁
在庫 品切れ
大陸から海で隔てられた「島国」日本の文化の最大の特色とは一体なにか.それらはどのようにして生まれ,洗練され,今日に伝わる伝統となったのか.清少納言や紫式部の王朝かな文学をはじめ,西行の和歌,世阿弥の能狂言,利休の「わび茶」などが生まれた歴史的背景を明らかにして,私たち日本人の物の考え方の本質にせまる.


■内容紹介

 みなさんは,京都や奈良に行ってみて,なにか自分が故郷に戻ってきたかのような感覚に襲われて,「日本を再発見した」気分になったことはありませんか.明治維新以前,じつに1000年以上もの間,京都は日本の中心でした.東京が首都になってからたかだか130年程度ですから,それ以前の首都のほうに圧倒的に何かしら懐かしいもの,伝統的なもの,日本的なものを感じるのは,考えてみればいわば当然かもしれません.もちろん徳川家の江戸時代でも,朝廷(天皇家)は京都にあったわけで,権威の中心は京都です.家康がわざわざ,慣例に基づいて「征夷大将軍」を名乗ったゆえんです.

 この本は,清少納言や紫式部の王朝文学や,平安貴族の日記,世阿弥の能や,千利休の茶の湯,あるいは池坊の生け花などがなぜ生まれたのか,その歴史的背景を解明しながら,わたしたち日本の文化の特色とは何なのか,その本質を考える本です.また,あえて誤解を恐れずに申しますが,天皇というものが日本の歴史上でなぜかくも長く続いたのか,近代の天皇制だけで考えたときの天皇とは随分と違う,ということにも,第9章で詳述していただきました.

 この本を読んで,別の角度から見た日本の歴史の面白さを存分に味わい,一人でも多くの皆さんが,日本を「再発見」してくださることを願っています.
はじめに―日本文化への視座
1 神と仏と
2 『風土記』の世界
3 「みやこ」の原像
4 知識と有識
5 遣唐使廃止前後
6 「私日記」の登場
7 王朝の才女たち
8 写実と幽玄
9 内野の蕪
10 茶寄合と連歌会
11 衆人愛敬・貴人賞翫
12 「物数奇」の系譜
13 市中の山居
14 一座建立・一期一会
15 大衆文化の構図
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