万葉集入門

代表的名歌を鑑賞し,その表現世界を旅する.

万葉集入門
著者 鈴木 日出男
通し番号 ジュニア新書 414
ジャンル 書籍 > 岩波ジュニア新書
日本十進分類 > 文学
刊行日 2002/10/18
ISBN 9784005004140
Cコード 0295
体裁 新書 ・ 並製 ・ カバー ・ 224頁
定価 946円
在庫 在庫あり
春過ぎて夏来たるらし白たへの衣干したり天の香具山―『万葉集』の歌の作り手は,天皇皇族から庶民までの広きにわたります.彼らは何を見,感じ,どう表現したのか.その歌々が今も私たちの心を魅了し続ける秘密はどこにあるのか.代表的な名歌を鑑賞しながら,この日本最古の歌集の奥行きある世界を味わいつくします.


■内容紹介

 春過ぎて夏来るらし白たへの衣干したり天の香具山

天の香具山に真っ白の衣が干してあるのを見て,夏の季節のきたことを実感するというこの有名な歌は,女帝・持統天皇の歌です.しかし『万葉集』には,天皇皇族や名の知られた宮廷歌人だけでなく,庶民のつくった作者不明歌が大量に収められ,なかには歌として大変すぐれたものも数多くあります.7世紀から8世紀といえば日本がようやく国家としての体裁を整えようとしている時代.そんな時代に,五七五七七という律調にのせて,おそらく文字も書けなかった普通の人々が歌を詠むことができたのはなぜでしょうか.この本では,『万葉集』のなかの代表的名歌を解釈し,古代の人々が何を見,感じ,どう表現したのかを探りながら,先ほどの疑問にも答えていきます.
さあ,あなたもこの日本最古の歌集の奥行きある世界を旅してみましょう.
一  『万葉集』とは何か
二  恋の歌 ――こころの映像
三  初期万葉 ――宮廷生活の華
四  万葉第二期 ――「大君は神にしませば」
五  柿本人麻呂 ――雄大なる抒情
六  都と鄙 ――自然へのまなざし
七  山部赤人 ――叙景の達人
八  大伴旅人 ――美と悲哀の歌人
九  山上憶良 ――「子等を思ふ歌」
十  高橋虫麻呂 ――人間の根源をみつめて
十一 女 歌 ――内省のめばえ
十二 大伴家持 ――孤高の大歌人
十三 東国の歌 ――ひろがる歌のすそ野
おわりに――ふたたび『万葉集』とは何か
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