昭和天皇の戦争

「昭和天皇実録」に残されたこと・消されたこと

平和主義者のイメージが強い昭和天皇が「大元帥」として実際に陸海軍を統帥していたことを,「実録」を読み解きながら明らかにする.

昭和天皇の戦争
著者 山田 朗
ジャンル 書籍 > 単行本 > 歴史
日本十進分類 > 歴史/地理
刊行日 2017/01/27
ISBN 9784000611770
Cコード 0021
体裁 四六 ・ 上製 ・ カバー ・ 324頁
在庫 品切れ

軍部の独断専行に心を痛めつつ,最後は「聖断」によって日本を破滅の淵からすくった平和主義者――多くの人が昭和天皇に対して抱くイメージははたして真実だろうか.昭和天皇研究の第一人者が従来の知見と照らし合わせながら「昭和天皇実録」を読み解き,「大元帥」としてアジア太平洋戦争を指導・推進した天皇の実像を明らかにする.

はじめに――「昭和天皇実録」に残されたこと・消されたこと

第I部 大元帥としての天皇――軍事から見た「昭和天皇実録」の特徴

第一章 国務と統帥の統合者としての昭和天皇
 1 国策決定のための御前会議
 2 軍事戦略決定のための大本営会議
 3 戦況奏上の様相

第二章 軍事と政治・儀式のはざま
 1 天皇と観兵式
 2 天皇と陸軍特別大演習
 3 天皇と海軍特別大演習


第II部 昭和天皇の戦争――即位から敗戦まで

第三章 軍部独走への批判から容認へ――満洲事変期
 1 張作霖爆殺と田中義一内閣総辞職
 2 満洲事変と国際連盟脱退
 3 二・二六事件

第四章 戦争指導・作戦指導の確立――日中戦争期
 1 日中全面戦争の始まりと御前会議開催論
 2 軍部人事への天皇の介入
 3 日中戦争泥沼化への対応――張鼓峰事件と宜昌作戦

第五章 アジアとの戦争/欧米との戦争――南進と開戦
 1 武力南進路線
 2 対英米戦への躊躇
 3 対英米開戦論への傾斜
 4 緒戦の勝利

第六章 悪化する戦況と「国体護持」――戦争指導と敗戦
 1 昭和天皇の戦争指導① ガダルカナル攻防戦
 2 昭和天皇の戦争指導② 天皇の決戦要求
 3 戦況の悪化――天皇と軍事情報
 4 「終戦」の「聖断」

おわりに

参考文献一覧
山田 朗(やまだ あきら)
1956年大阪府生まれ.東京都立大学大学院博士課程単位取得退学.明治大学文学部教授.日本近現代政治史・軍事史.著書『大元帥・昭和天皇』(新日本出版社,1994年),『軍備拡張の近代史――日本軍の膨張と崩壊』(吉川弘文館,1997年),『昭和天皇の軍事思想と戦略』(校倉書房,2002年),『世界史の中の日露戦争』(吉川弘文館,2009年),『近代日本軍事力の研究』(校倉書房,2015年),『兵士たちの戦場――体験と記憶の歴史化』(岩波書店,2015年)ほか.

書評情報

歴史地理教育 2017年8月号
朝日新聞(朝刊) 2017年4月16日
前衛 2017年5月号
しんぶん赤旗 2017年3月22日
北海道新聞(朝刊) 2017年3月19日
信濃毎日新聞 2017年3月15日
毎日新聞(夕刊) 2017年3月13日
しんぶん赤旗 2017年3月5日
毎日新聞(朝刊) 2017年2月26日
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