世界 2017年2月号

特集 子どもの貧困

世界 2017年2月号
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ジャンル 雑誌 > 世界 > 定期号
刊行日 2017/01/07

 困窮状態になるのは本人の努力が足りないからだ、という「自己責任」論は、貧困問題を考える際に立ちはだかる巨大な壁となっている。けれども、子どもの6人に1人が貧困状態にあることが示されたいま、貧困をかたち作るものの重要な一端が、ようやく明るみに出始めたと言えよう。

 「地域の子どもを、地域が見守り、子どもの未来を明るく変えていきたい」。共感が共感を呼び、「こども食堂」の輪は全国に急速に広まっていった。子どもの貧困問題に積極的に取り組む自治体がクローズアップされ、義務教育の完全無償化に向けた動きも出てきている。

 しかし、子どもの貧困の根絶には、社会全体の貧困とたたかっていく必要がある。いま貧困状態にある若者、高齢者の多くは、子どものときにもまた貧困であった。そうした人たちの子どもがまた、苦しむことになるかもしれない。

 こうした貧困の鎖を、どうすれば断ち切れるのか。子どもを軸に、考える。

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◆特集:子どもの貧困――解決のために
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〈「問題」の位置付け〉
いまなぜ,子どもの貧困か
武川正吾(東京大学)

〈対談〉
子どもの貧困問題のゆくえ
阿部 彩(首都大学東京)×湯浅 誠(法政大学)

〈数字でわかる貧困対策〉
公教育のすべてを無償に――この理念は実現できる
中村文夫(教育行財政研究所)

〈なぜ高齢者か〉
高齢者の貧困と子どもの貧困――世代と生涯を横断して捉える視点
垣田裕介(大分大学)

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◇世界の潮
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◇トルコ・EU関係の悪化は何をもたらすか――欧州難民危機の中で
内藤正典

◇辺野古・高江が問う市民の自由・権利と警察活動の根幹
大城 渡

◇カジノ法成立――空疎な論議と埋めがたい欠陥
鳥畑与一

◇国鉄民営化から三〇年 事業大幅見直しの岐路に立つJR北海道
廣田孝明

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◆注目記事
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〈高裁判決は是正されたか〉
「政治的司法」と地方自治の危機――辺野古訴訟最高裁判決を読み解く
岡田正則(早稲田大学)

〈「差別」と裁判〉
辺野古裁判と憲法一四条「平等権」違反
五十嵐敬喜(法政大学名誉教授)

〈インタビュー〉
気候変動を疑う新政権――どう立ち向かうか
ビル・マッキベン(環境ジャーナリスト),聞き手・解説=小西雅子(WWFジャパン)

〈正体が見えてきた〉
トランプ政権――アメリカの略奪と搾取の系譜
宮前ゆかり(リサーチャー・翻訳家=TUP)

〈権威主義への傾斜〉
民主主義の脱定着へ向けた危険――民主主義の断絶
ロベルト・ステファン・フォア(メルボルン大学),ヤシャ・モンク(ハーバード大学),訳=浜田江里子(上智大学)

〈「人民投票」の結末〉
イタリアの救世主にはなれなかった史上最年少の首相マッテオ・レンツィ
村上信一郎(神戸市外国語大学名誉教授)

〈「3分の2」を手に入れて〉
九条改正,保守派の葛藤
園田耕司(朝日新聞)

〈対談〉
原発事故はどこまで究明されたか――「吉田調書」を超えて
海渡雄一(弁護士)×添田孝史(科学ジャーナリスト)

〈原子力の歴史的位置〉
脱原発の技術思想
井野博満(東京大学名誉教授)

〈鼎談〉
LGBTと「ローカル」の力――解説=日本という「ローカル」を考えるために
フレデリック・マルテル(パリ政治学院)×牧村朝子(タレント)×谷口洋幸(高岡法科大学/解説)

〈岐路〉
軍事研究と日本のアカデミズム――学術会議は何を「反省」してきたのか
井野瀬久美恵(甲南大学)

〈もうひとつの棄民〉
ルポ サハリンの日本人――何が帰国を阻んだのか
奈賀悟(フリーライター)

〈ルポ〉
コソボ 「大アルバニア主義」というバルカンの新たな火種
木村元彦(ノンフィクションライター)

〈旧体制との訣別〉
チリ 民主主義の再生なるか――新憲法論議の行方
飯島みどり(立教大学)

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●連載
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●【短期集中連載】マフィア国家という敵
【第2回】 「メキシコ・麻薬戦争を生きる」
工藤律子(ジャーナリスト)

●神を捨て,神になった男 確定死刑囚・袴田巖
【第2回】「犯人は,お前だ,自白してしまえ」
青柳雄介(ジャーナリスト)

●海の底から【第5回】
金石範(作家)

●イングリッシュ・レッスン【第12回】
学校の英語,「間」の英語
中村和恵(明治大学)

●片山善博の「日本を診る」(87)
東京都の「政党復活枠」に見る自治体の病理
片山善博(慶應義塾大学)

●メディア批評【第110回】
神保太郎(ジャーナリスト)

●沖縄(シマ)という窓
――オスプレイ墜落事故にみる既視感
山城紀子(フリーライター)

●私的小豆島名所【その21】
内澤旬子(イラストルポライター)

●脳力のレッスン【178】特別篇
節目の年二〇一七年――ポピュリズムの先にあるもの
寺島実郎

●世界論壇月評
朱建栄・竹田いさみ・吉田文彦・石郷岡建

●ドキュメント激動の南北朝鮮(234)――(16・11~16・12)
編集部

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○グラビア
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○グラビア――特別招待作品 非常なる魂
盧順澤(写真家)

○A SHOT OF THE WORLD

○表紙の言葉
鈴木邦弘(写真家)

表紙写真= 鈴木邦弘 デザイン= 赤崎正一+ 佐野裕哉
グラビアについて(公募規定)

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◇編集後記
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