岩波現代全書
岩波現代全書

満蒙開拓団

虚妄の「日満一体」

国策によって満洲に送られた村人たちの悲劇

満蒙開拓団
このエントリーをはてなブックマークに追加
著者 加藤 聖文
通し番号 100
ジャンル 書籍 > 岩波現代全書 > 歴史
シリーズ 岩波現代全書
刊行日 2017/03/17
ISBN 9784000292009
Cコード 0321
体裁 四六 ・ 並製 ・ カバー ・ 256頁
在庫 在庫あり

満洲事変を契機として計画された日本各地からの農業移民は,日中戦争の本格化に伴い,陸軍主導の強力な国策となり,未成年の少年までもが満蒙開拓義勇軍として送り込まれた.開拓先で中国人農民の反発を受けながらの厳しい生活の果てに,敗戦がもたらした今なお終わってはいない悲劇.移民の計画から終局までの全歴史をたどる.

はじめに

第1章 満洲移民計画の浮上
 1 満洲事変と高まる移民熱/2 農村不況の深刻化と満洲移民/3 加藤完治の登場/4 関東軍の移民計画/5 拓務省の移民計画/6 救農議会と経済更生運動の始動/7 東宮鉄男の屯墾軍計画と試験移民の実現

第2章 迷走する試験移民
 1 試験移民の実施と入植地選定問題/2 関東軍「日本人移民実施要綱案」と移民部の設置/3 試験移民団の動揺と土地買収問題/4 試験移民をめぐる移民部内の軋轢/5 土竜山事件の勃発/6 対満事務局の設置と満洲移民政策の転換

第3章 百万戸移住計画と本格移民の実施
 1 「満洲農業移民根本方策案」と関東軍の主導権掌握/2 満洲拓殖株式会社と満洲移住協会の設立/3 試験移民から本格移民への発展/4 国策移民と自由移民/5 満洲移民政策立案と満鉄経済調査会/6 日ソ軍事バランスの崩壊と百万戸移住計画の浮上

第4章 経済更生運動と分村計画の結合
 1 農林省と満洲移民政策/2 大量移民送出と中央省庁の関与拡大/3 農村更生協会と分村・分郷計画の浮上/4 経済更生計画と分村計画の結合/5 満蒙開拓青少年義勇軍の創設

第5章 戦局の悪化と破綻する国策
 1 日中戦争と北辺振興計画/2 満洲開拓政策基本要綱と移民政策の変容/3 拡大する開拓民と目的の喪失/4 開拓団送出をめぐる地方の反応/5 義勇軍への傾斜と対象の拡散/6 戦局の悪化と開拓政策の破綻

第6章 開拓団の壊滅と開拓民の戦後
 1 ソ連軍の満洲進攻と根こそぎ召集/2 開拓団の壊滅と開拓民の引き揚げ/3 緊急開拓政策と繰り返す国策の失敗/4 犠牲者の慰霊と中国残留日本人問題

おわりに――国策の責任とは


あとがき
参考文献
加藤聖文(かとう きよふみ)
1966年生.早稲田大学社会科学部卒業後,民間企業に勤め,早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得満期退学.現在,人間文化研究機構国文学研究資料館准教授.日本近現代史・東アジア国際関係史・アーカイブズ(歴史記録)学.主な著書に『「大日本帝国」崩壊――東アジアの1945年』(中公新書,2009年),『満鉄全史 「国策会社」の全貌』(講談社選書メチエ,2006年),『満鉄経済調査会と南郷龍音――満洲国通貨金融政策史料』(共編,社会評論社,2004年),『史料 満鉄と満洲事変――山﨑元幹文書』(全2巻,共編,岩波書店,2011年)などがある.
ページトップへ戻る