ジャック・ラカン 不安 (上)

「対象a」をめぐる本格的考察がついに展開される.中期ラカン思想の理解に不可欠なセミネール第十巻,ついに邦訳.

ジャック・ラカン 不安 (上)
著者 ジャック=アラン・ミレール , 小出 浩之 , 鈴木 國文 , 菅原 誠一 , 古橋 忠晃
ジャンル 書籍 > 単行本 > 哲学
刊行日 2017/03/09
ISBN 9784000611862
Cコード 0011
体裁 A5 ・ 上製 ・ カバー ・ 244頁
定価 5,390円
在庫 在庫あり

セミネール開始から十年,情動の領域に踏み込んだラカンは,自と他,過剰と欠如,欲望とその対象をめぐるトポロジカルな関係性のうちに「不安」を位置づけながら,いよいよ「対象a」をめぐる本格的考察を展開する.中期ラカン思想の枢要をなす概念が相次いで開花する,ラカン思想の理解に不可欠な第十巻がついに邦訳.

不安の構造への導入
Ⅰ シニフィアンの網の中の不安
Ⅱ 不安、欲望の記号
Ⅲ 宇宙から「不気味なもの」へ
Ⅳ 去勢不安の向こう側
Ⅴ 騙すもの
Ⅵ 騙さないもの

対象の境位、再考
Ⅶ それをもたないではない
Ⅷ 欲望の原因
Ⅸ 行為への移行と「アクティング・アウト」――身を投げること、そして舞台に登ること
Ⅹ 還元不能の欠如からシニフィアンへ
Ⅺ 欲望に句読点を打つこと


【下巻 目次】
不 安 享楽と欲望の間
XII  不安、現実的なものの信号 
XIII 愛に関するアフォリズム 
XIV  女、より真実の、そしてより現実的なもの
XV  雄の要件

対象aの五つの形
XVI  仏陀の瞼
XVII 口と眼
XVIII ヤーヴェの声
XIX  消えゆくファルス――去勢不安からオルガスムスへ
XX  耳から入るもの
XXI ピアジェの水栓
XXII 肛門的なものから理想へ
XXIII 点に還元できない円について
XXIV aからいくつかの〈父の名〉へ 
ジャック・ラカン(Jacques Lacan 1901-1981)
フランスの精神分析家.パリに生まれ,パリ大学で精神医学を修め,主にパラノイアを研究.第二次大戦後,フロイト理論をラディカルに展開し,有名な「鏡像段階論」をはじめとする自我や無意識の構造主義的探求によって,精神の科学に新たなる地平を拓いた.1964年にはパリ・フロイト派を創設し,その後のフランス精神分析の隆盛に決定的な役割を果たす.その思想活動は哲学・社会学・文学・言語論・記号論などにも広範な影響を及ぼした.主著に『エクリ』(1966).

【訳者紹介】
小出浩之1943年生まれ.精神科医.現在,岐阜大学名誉教授.
鈴木國文1952年生まれ.精神科医.現在,医療法人生生会松蔭病院勤務.名古屋大学名誉教授.
菅原誠一1970年生まれ.精神科医.現在,東尾張病院勤務.
古橋忠晃1973年生まれ.精神科医.現在,名古屋大学学生相談総合センター准教授.
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