財政から読みとく日本社会

君たちの未来のために

誰もが幸せに生きられる社会とは

財政から読みとく日本社会
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著者 井手 英策
通し番号 ジュニア新書 848
ジャンル 書籍 > 岩波ジュニア新書 > 社会・倫理
刊行日 2017/03/22
ISBN 9784005008483
Cコード 0233
体裁 新書 ・ 240頁
定価 本体880円+税
在庫 在庫あり

日本ではなぜ教育にお金がかかるのだろう,なぜ働く人への社会保障は少ないのだろう,どうしてこんなに税金がいやなんだろう…,財政のなりたちをわかりやすく解説し,新しい社会への選択肢を考えます.弱者を生まず,誰もが安心してくらせる社会をつくるためにできることは? いまを生き,未来を変える君たちへのメッセージ.

はじめに

第1章 財政のレンズをとおして社会を透視しよう
 必要が生み出した財政/社会を映し出す鏡としての財政/特徴その一 小さくて信用されない政府/特徴その二 かたよった社会保障/特徴その三 公共投資が大好きな日本/特徴その四 農業に関心をうしなった国民?/特徴その五 教育への投資が少ない/特徴その六 税金は安いのに痛みは大きい/特徴その七 融通がきかない予算/社会をつくりながら社会を知る

第2章 小さな政府はどのようにつくられたか
 政府が小さいということ/望ましい大きさを決めることのむつかしさ/インフレーションが生んだ「総額に気をつかう財政」/生き残った戦争中のことば/「勤労国家」と「自己責任の財政」/貯金をエンジンとした日本経済/低成長と公共事業の急増/ 「総額に気をつかう財政」とシーリング予算/自助・共助・公助の社会/なぜ財政は変わらなかったのか/経済の長期停滞と財政危機

第3章 成長しなければ不安になる社会
 社会保険ってなに?/現金給付と現物給付がまざった社会保険/日本の医療と介護/お父さんやお母さんたちの苦労/家族への現金給付への反対/家族を大事にする/貧弱な障がい者給付/障がいの問題は自分の問題だ/生活保護とうたがう気持ち/勤労国家と僕たちの社会保障制度/小さな政府をささえる条件が消える

第4章 公共投資にたよった日本社会の限界
 荒廃から立ちなおるための公共投資/農業経営の効率化への動き/公共投資が公共投資を呼ぶ/公共投資と人の動き/コミュニティがささえた小さな政府/公共投資と族議員政治/族議員政治の根っこにあった日本社会の分断/公共投資の激減と建設業の衰退/農業も衰退した/公共投資の削減が生み出す新しいコスト/公共投資にたよらない社会を考える

第5章 柔軟で厚みのある社会をささえる教育
 少なすぎる日本の公的教育支出/生活が苦しくなり、子どもをあきらめる/おかしな教育の格差/なぜ公的な支出が少ないのか/奨学金問題/教育と経済成長/貧しくなった日本人/就学前教育の重要性/国際的な日本経済の地位/教育よりも経済が大事な日本人/よりよい社会のための教育

第6章 税の痛みが大きな社会をつくりかえる
 増税のむつかしい国/毎年のようにくりかえされた所得減税/増税でサービスを改善する経験がなかった日本人/大きく変わった社会/余裕をなくしてしまった日本人/社会保障・税一体改革の意味/お年寄りも困っている/ 「袋だたきの政治」/人間を信頼できない社会と自己責任/税制と民主主義

第7章 「君たち」が「君たちの次の世代」とつながるために
 「勤労国家」によるみごとな統治/経済成長という土台がくずれる/逆回転をはじめた「勤労国家」/相手を仲間ではなく他人と思う社会/小田原市の小さな物語/「何がちがうか」ではなく「何が同じか」を考える/ 「私」と「私たち」のちがい/現物給付をみんなに配る/「だれもが受益者」という財政戦略/格差が大きくならないか/現金給付と現物給付の決定的なちがい/重税国家ではない/経済の時代から人間の時代へ

あとがき
井手英策(いで えいさく)
1972年生まれ.2000年,東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学.日本銀行金融研究所,東北学院大学,横浜国立大学を経て,現在,慶應義塾大学経済学部教授.専門は財政社会学,財政金融史.著書『経済の時代の終焉』(岩波書店,2015年大佛次郎論壇賞受賞),『日本財政 転換の指針』(岩波新書),『18歳からの格差論』(東洋経済新報社),『分断社会・日本』(共編,岩波ブックレット),『分断社会を終わらせる』(共著,筑摩書房)などがある.

書評情報

山梨日日新聞 2017年5月14日
朝日新聞(朝刊) 2017年4月23日
週刊新潮 2017年4月20日号
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