「萬世一系」の研究 (下)

「皇室典範的なるもの」への視座

「萬世一系」の研究 (下)
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著者 奥平 康弘
通し番号 学術360
ジャンル 書籍 > 岩波現代文庫 > 世界史・日本史
刊行日 2017/03/16
ISBN 9784006003609
Cコード 0132
体裁 A6 ・ 並製 ・ カバー ・ 320頁
定価 本体1,280円+税
在庫 在庫あり

新(戦後)・旧(明治)二つの皇室典範の制定過程で,ともに論議の的となった「天皇の退位」「女帝」「庶出の天皇」の可否という三つの焦点を,憲法学の泰斗が法解釈学的に再吟味し,日本国憲法の下での天皇・皇室のあり方について議論を深めるための論点を提示する.下巻では,明治期に皇室典範が形づくられた過程を,井上毅や伊藤博文ら為政者の構想,民権結社の議論や法制官僚の意見書など,多彩な資料を読み解きつつ検討する.(解説=島薗進)

凡例

第Ⅱ部 明治皇室典範の成立過程――「近代化」と「萬世一系」

 第一章 皇位継承をめぐって――「庶出ノ天皇」「女帝否認」
 はじめに
 1 舞台の設定
 2 嚶鳴社「女帝を立るの可否」とその周辺
 3 男系・男子主義の悩み
 4 法制官僚の課題
 5 元老院とその時代
 6 宮内省立案第一稿皇室制規をめぐって
 7 皇室典範へのみち
 8 枢密院における「庶出ノ天皇」
 小結

 第二章 「天皇の退位」否認をめぐって
 はじめに
 1 譲位(生前退位)消極論――その根拠
 2 明治皇室典範第一〇条(崩御=即=皇嗣承継)の成立過程
  ⅰ 前史
  ⅱ 枢密院御諮詢にむけて
 むすびにかえて

 終章 「萬世一系」と「天皇の不自由」との関係
 1 「庶出の天皇」をめぐる憲法論
 2 「男系・男子主義」(「女帝」否認主義)をめぐる憲法問題
 3 「脱出の権利」としての「退位(=身分離脱の自由)」
 むすび

あとがき
解説(2)…… 島薗進
主要人名索引


〈上巻目次〉

 序章 本書の意図と構成

第Ⅰ部 戦後皇室典範の制定過程――今日的課題の源流

 第一章 「皇室典範的なるもの」への拘泥――皇室典範の基本的性格をめぐって
 はじめに――前提としての天皇制の位置
 1 憲法改正作業のなかの皇室典範
 2 新皇室典範のかたち――臨時法制調査会における要綱づくりと法制局「想定問答」
 3 旧典範の改正か、新典範の制定か――最後の帝国議会における論議

 第二章 「天皇の退位」「女帝」「庶出の天皇」――皇室典範の各論的考察
 1 「天皇の退位」をめぐる論議――臨時法制調査会のばあい
 2 「女帝の可能性」と「庶子の皇位継承資格」をめぐる論議
 3 GHQと皇室典範
 4 第九一帝国議会における論議
 5 南原繁「天皇退位」論

資料
 皇室典範(戦後)/日本国憲法(部分)/皇室典範(明治)/大日本帝国憲法(部分)
解説(1)……長谷部恭男
奥平康弘(おくだいら やすひろ)
1929―2015年.東京大学名誉教授.憲法学専攻.九条の会呼びかけ人,立憲デモクラシーの会共同代表などを務めた.著書に,『憲法の眼』(悠々社),『「表現の自由」を求めて』(岩波書店),『憲法の想像力』(日本評論社),『いかそう日本国憲法――第九条を中心に』(岩波ジュニア新書),『「憲法物語」を紡ぎ続けて』(かもがわ出版),『集団的自衛権の何が問題か』(共編著,岩波書店)など.

書評情報

東京新聞(朝刊) 2017年5月14日
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