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2020.08.14
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2017.03.31
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日本の近代とは何であったか
問題史的考察
政党政治,資本主義,植民地帝国,そして天皇制.これらの成り立ちから浮かび上がる,日本近代の特質とは.
政党政治を生み出し,資本主義を構築し,植民地帝国を出現させ,天皇制を精神的枠組みとした日本の近代.バジョットが提示したヨーロッパの「近代」概念に照らしながら,これら四つの成り立ちについて論理的に解き明かしていく.学界をリードしてきた政治史家が,日本近代とはいかなる経験であったのかを総括する堂々たる一冊.
序 章 日本がモデルとしたヨーロッパ近代とは何であったか
第一章 なぜ日本に政党政治が成立したのか
1 政党政治成立をめぐる問い
2 幕藩体制の権力抑制均衡メカニズム
3 「文芸的公共性」の成立――森鷗外の「史伝」の意味
4 幕末の危機下の権力分立論と議会制論
5 明治憲法下の権力分立制と議会制の政治的帰結
6 体制統合の主体としての藩閥と政党
7 アメリカと対比して見た日本の政党政治
8 政党政治の終わりと「立憲的独裁」
第二章 なぜ日本に資本主義が形成されたのか
1 自立的資本主義化への道
2 自立的資本主義の四つの条件
(1)政府主導の「殖産興業」政策の実験
(2)国家資本の源泉としての租税制度の確立
(3)資本主義を担う労働力の育成
(4)対外平和の確保
3 自立的資本主義の財政路線
4 日清戦争と自立的資本主義からの転換
5 日露戦争と国際的資本主義への決定的転化
6 国際的資本主義のリーダーの登場
7 国際的資本主義の没落
第三章 日本はなぜ、いかにして植民地帝国となったのか
1 植民地帝国へ踏み出す日本
2 日本はなぜ植民地帝国となったか
3 日本はいかに植民地帝国を形成したのか
(1)日露戦争後――朝鮮と関東州租借地の統治体制の形成
(2)大正前半期――主導権確立を目指す陸軍
(3)大正後半期――朝鮮の三・一独立運動とそれへの対応
4 新しい国際秩序イデオロギーとしての「地域主義」
(1)一九三〇年代――「帝国主義」に代わる「地域主義」の台頭
(2)太平洋戦争後――米国の「地域主義」構想とその後
第四章 日本の近代にとって天皇制とは何であったか
1 日本の近代を貫く機能主義的思考様式
2 キリスト教の機能的等価物としての天皇制
3 ドイツ皇帝と大日本帝国天皇
4 「教育勅語」はいかに作られたのか
5 多数者の論理と少数者の論理
終 章 近代の歩みから考える日本の将来
1 日本の近代の何を問題としたのか
2 日本の近代はどこに至ったのか
3 多国間秩序の遺産をいかに生かすか
あとがき
人名索引
第一章 なぜ日本に政党政治が成立したのか
1 政党政治成立をめぐる問い
2 幕藩体制の権力抑制均衡メカニズム
3 「文芸的公共性」の成立――森鷗外の「史伝」の意味
4 幕末の危機下の権力分立論と議会制論
5 明治憲法下の権力分立制と議会制の政治的帰結
6 体制統合の主体としての藩閥と政党
7 アメリカと対比して見た日本の政党政治
8 政党政治の終わりと「立憲的独裁」
第二章 なぜ日本に資本主義が形成されたのか
1 自立的資本主義化への道
2 自立的資本主義の四つの条件
(1)政府主導の「殖産興業」政策の実験
(2)国家資本の源泉としての租税制度の確立
(3)資本主義を担う労働力の育成
(4)対外平和の確保
3 自立的資本主義の財政路線
4 日清戦争と自立的資本主義からの転換
5 日露戦争と国際的資本主義への決定的転化
6 国際的資本主義のリーダーの登場
7 国際的資本主義の没落
第三章 日本はなぜ、いかにして植民地帝国となったのか
1 植民地帝国へ踏み出す日本
2 日本はなぜ植民地帝国となったか
3 日本はいかに植民地帝国を形成したのか
(1)日露戦争後――朝鮮と関東州租借地の統治体制の形成
(2)大正前半期――主導権確立を目指す陸軍
(3)大正後半期――朝鮮の三・一独立運動とそれへの対応
4 新しい国際秩序イデオロギーとしての「地域主義」
(1)一九三〇年代――「帝国主義」に代わる「地域主義」の台頭
(2)太平洋戦争後――米国の「地域主義」構想とその後
第四章 日本の近代にとって天皇制とは何であったか
1 日本の近代を貫く機能主義的思考様式
2 キリスト教の機能的等価物としての天皇制
3 ドイツ皇帝と大日本帝国天皇
4 「教育勅語」はいかに作られたのか
5 多数者の論理と少数者の論理
終 章 近代の歩みから考える日本の将来
1 日本の近代の何を問題としたのか
2 日本の近代はどこに至ったのか
3 多国間秩序の遺産をいかに生かすか
あとがき
人名索引
三谷太一郎(みたに たいちろう)
1936年 岡山市生まれ
1960年 東京大学法学部卒業
現在―日本学士院会員,東京大学名誉教授
専攻―日本政治外交史
著書―『増補 日本政党政治の形成』『大正デモクラシー論[第3版]』『増補 政治制度としての陪審制』『ウォール・ストリートと極東』『学問は現実にいかに関わるか』『人は時代といかに向き合うか』『戦後民主主義をどう生きるか』(以上,東京大学出版会)『近代日本の戦争と政治』(岩波書店)ほか
1936年 岡山市生まれ
1960年 東京大学法学部卒業
現在―日本学士院会員,東京大学名誉教授
専攻―日本政治外交史
著書―『増補 日本政党政治の形成』『大正デモクラシー論[第3版]』『増補 政治制度としての陪審制』『ウォール・ストリートと極東』『学問は現実にいかに関わるか』『人は時代といかに向き合うか』『戦後民主主義をどう生きるか』(以上,東京大学出版会)『近代日本の戦争と政治』(岩波書店)ほか
書評情報
朝日新聞(朝刊) 2018年2月11日
読売新聞(朝刊) 2017年12月24日
日刊ゲンダイ 2017年8月29日
西日本新聞 2017年6月18日
読売新聞(夕刊) 2017年6月12日
北海道新聞(朝刊) 2017年6月4日
毎日新聞(朝刊) 2017年5月28日
河北新報 2017年5月7日
日本経済新聞(夕刊) 2017年4月20日
読売新聞(朝刊) 2017年4月17日
朝日新聞(「著者に会いたい」) 2017年4月9日
読売新聞(朝刊) 2017年12月24日
日刊ゲンダイ 2017年8月29日
西日本新聞 2017年6月18日
読売新聞(夕刊) 2017年6月12日
北海道新聞(朝刊) 2017年6月4日
毎日新聞(朝刊) 2017年5月28日
河北新報 2017年5月7日
日本経済新聞(夕刊) 2017年4月20日
読売新聞(朝刊) 2017年4月17日
朝日新聞(「著者に会いたい」) 2017年4月9日