岩波新書

日本の近代とは何であったか

問題史的考察

政党政治,資本主義,植民地帝国,そして天皇制.これらの成り立ちから浮かび上がる,日本近代の特質とは.

日本の近代とは何であったか
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著者 三谷 太一郎
通し番号 新赤版 1650
ジャンル 書籍 > 岩波新書 > 日本史
刊行日 2017/03/22
ISBN 9784004316503
Cコード 0221
体裁 新書 ・ 288頁
在庫 重版中

政党政治を生み出し,資本主義を構築し,植民地帝国を出現させ,天皇制を精神的枠組みとした日本の近代.バジョットが提示したヨーロッパの「近代」概念に照らしながら,これら四つの成り立ちについて論理的に解き明かしていく.学界をリードしてきた政治史家が,日本近代とはいかなる経験であったのかを総括する堂々たる一冊.

序 章 日本がモデルとしたヨーロッパ近代とは何であったか

第一章 なぜ日本に政党政治が成立したのか
 1 政党政治成立をめぐる問い
 2 幕藩体制の権力抑制均衡メカニズム
 3 「文芸的公共性」の成立――森鷗外の「史伝」の意味
 4 幕末の危機下の権力分立論と議会制論
 5 明治憲法下の権力分立制と議会制の政治的帰結
 6 体制統合の主体としての藩閥と政党
 7 アメリカと対比して見た日本の政党政治
 8 政党政治の終わりと「立憲的独裁」

第二章 なぜ日本に資本主義が形成されたのか
 1 自立的資本主義化への道
 2 自立的資本主義の四つの条件
  (1)政府主導の「殖産興業」政策の実験
  (2)国家資本の源泉としての租税制度の確立
  (3)資本主義を担う労働力の育成
  (4)対外平和の確保
 3 自立的資本主義の財政路線
 4 日清戦争と自立的資本主義からの転換
 5 日露戦争と国際的資本主義への決定的転化
 6 国際的資本主義のリーダーの登場
 7 国際的資本主義の没落

第三章 日本はなぜ、いかにして植民地帝国となったのか
 1 植民地帝国へ踏み出す日本
 2 日本はなぜ植民地帝国となったか
 3 日本はいかに植民地帝国を形成したのか
  (1)日露戦争後――朝鮮と関東州租借地の統治体制の形成
  (2)大正前半期――主導権確立を目指す陸軍
  (3)大正後半期――朝鮮の三・一独立運動とそれへの対応
 4 新しい国際秩序イデオロギーとしての「地域主義」
  (1)一九三〇年代――「帝国主義」に代わる「地域主義」の台頭
  (2)太平洋戦争後――米国の「地域主義」構想とその後

第四章 日本の近代にとって天皇制とは何であったか
 1 日本の近代を貫く機能主義的思考様式
 2 キリスト教の機能的等価物としての天皇制
 3 ドイツ皇帝と大日本帝国天皇
 4 「教育勅語」はいかに作られたのか
 5 多数者の論理と少数者の論理

終 章 近代の歩みから考える日本の将来
 1 日本の近代の何を問題としたのか
 2 日本の近代はどこに至ったのか
 3 多国間秩序の遺産をいかに生かすか

あとがき
人名索引
三谷太一郎
1936年 岡山市生まれ
1960年 東京大学法学部卒業
現在―日本学士院会員,東京大学名誉教授
専攻―日本政治外交史
著書―『増補 日本政党政治の形成』『大正デモクラシー論[第3版]』『増補 政治制度としての陪審制』『ウォール・ストリートと極東』『学問は現実にいかに関わるか』『人は時代といかに向き合うか』『戦後民主主義をどう生きるか』(以上,東京大学出版会)『近代日本の戦争と政治』(岩波書店)ほか

書評情報

日本経済新聞(夕刊) 2017年4月20日
読売新聞(朝刊) 2017年4月17日
朝日新聞(「著者に会いたい」) 2017年4月9日
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