岩波現代全書
岩波現代全書

中国政治からみた日中関係

中国政治体制のありようを踏まえたうえで,対日政策とどのように密接に関連しているかを明らかにする.

中国政治からみた日中関係
このエントリーをはてなブックマークに追加
著者 国分 良成
通し番号 101
ジャンル 書籍 > 岩波現代全書 > 政治・経済・現代社会
シリーズ 岩波現代全書
刊行日 2017/04/18
ISBN 9784000292016
Cコード 0331
体裁 四六 ・ 並製 ・ カバー ・ 288頁
定価 本体2,400円+税
在庫 在庫あり

なぜ日中関係は悪化と改善の変動が激しいのだろうか.なぜ歴史問題をめぐる対日批判は収束と再燃を繰り返すのだろうか.その要因は中国国内の権力ゲームの帰趨にある.80年代から現在まで中国政治体制のありようを踏まえたうえで,対日政策とどのように密接に関連しているかを,様ざまな事案と資料に基づいて明らかにする.

まえがき――本書のねらい

序 章 地域研究としての中国政治
 1 地域研究――アメリカから日本へ
 2 戦後の中国政治研究――アメリカと日本
 3 中国政治研究の課題


第Ⅰ部 中国の政治体制――迷走する正統性

第1章 政治改革の展開と挫折――鄧小平・胡耀邦・趙紫陽時代
 1 政治体制改革の起源
 2 八六年学生運動と民主化問題
 3 一三全大会の政治体制改革案
 4 八九年民主化運動と政治体制改革
 まとめ――「政治体制改革」と「政治制度改革」のあいだで

第2章 天安門事件とソ連解体の衝撃――鄧小平時代
 1 天安門事件の経緯と実相
 2 ソ連解体と中国の「和平演変」批判
 3 「南巡講話」と「社会主義市場経済」
 まとめ

第3章 正統性としての経済成長――鄧小平・江沢民時代
 1 究極目的としての政治権力
 2 正統性のための経済成長
 3 現実主義の対外路線
 まとめ

第4章 党国体制の権威主義――江沢民・胡錦濤時代
 1 「権威主義」と「コーポラティズム」
 2 グローバル化とシステム転換
 3 「三つの代表」をめぐって
 4 政治体制の問題
 まとめ

第5章 習近平体制と文化大革命――連続と非連続
 1 歴史と政治
 2 文革の本質――独裁者の焦慮と権力
 3 習近平体制の検証
 4 現在と文革――ルールなき後継者決定の悲劇


第Ⅱ部 中国の対日政策――国内政治の延長

第6章 「一九七二年体制」の成立とその限界―― 一九七〇‐九〇年代 冷戦から冷戦後へ
 1 広がる日中関係の隙間
 2 冷戦期の日米中関係と冷戦後
 3 日中経済関係の位相変化
 4 戦争世代の「友好」とその後
 5 「七二年体制」と台湾の変容
 まとめ

第7章 「日中友好」の陰り――一九八〇年代 光華寮裁判と胡耀邦事件
 1 光華寮問題の発生と収拾
 2 対日批判はなぜ起きたか
 3 なぜ対日批判は緩和したか
 まとめ――対日政策決定の要素

第8章 歴史問題の拡大―― 一九九〇年代 江沢民訪日
 1 江沢民訪日までのいきさつ
 2 江沢民訪日の経緯
 3 中国側の事情
 4 日本側の事情
 まとめ

第9章 戦略的互恵関係への道――二〇〇〇年代 暫定的修復
 1 「七二年体制」から「戦略的互恵」へ
 2 安倍訪中の実現と首脳会談
 3 中国側の事情
 4 日本側の事情
 まとめ

第10章 試練の中の日中関係――二〇一〇年代 尖閣事案の顕在化
 1 胡錦濤時代末期の国内政治
 2 尖閣事案の先鋭化
 3 習近平政治の展開
 4 習近平政権の対日政策
 まとめ

終 章 中国政治と日中関係
 1 第一期 「一九七二年体制」(一九七二―一九九五)
 2 第二期 摩擦の顕在化(一九九五―二〇〇六)
 3 第三期 戦略的互恵関係の模索(二〇〇六―現在)
 4 日中関係の変動要因――過去の言説
 5 日中関係の変動要因――中国政治の視点
 まとめ


あとがき
国分良成(こくぶん りょうせい)
1953年生.1981年慶應義塾大学大学院博士課程修了後,同大学法学部専任講師,85年助教授,92年教授,99年から2007年まで同大学東アジア研究所長,07年から11年まで法学部長.法学博士.12年から現在まで防衛大学校長.この間,ハーバード大,ミシガン大,復旦大,北京大,台湾大の客員研究員を歴任.専門は中国政治・外交,東アジア国際関係.元日本国際政治学会理事長,元アジア政経学会理事長.
ページトップへ戻る