世界 2017年6月号

特集:共謀罪と「監視国家」日本

世界 2017年6月号
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ジャンル 雑誌 > 世界 > 定期号
刊行日 2017/05/08

■特集:共謀罪と「監視国家」日本


 「過去においては、個人的自由、政治的自由が許されていたが、それは政府の無能に負うところが多かった。機会があれば暴虐政治に走ろうとする機運は、つねに存在していたのではあるが、政府の機構と物的装備が総じて弱体であったために、実現しなかっただけのことである」(A・ハックスレー)
 共謀罪法案が国会に提出され、審議が進められている。
 この立法は、市民生活のあらゆる分野を捜査・監視・取り締まり可能なものにする(前号参照)。科学・技術の進展は利便性をもたらすとともに、私たちの生活や行動の細部にわたる監視を可能にした。技術的に可能となった監視を、行政に抑制させるものは、法的な規制によるほかない。安倍政権のもとで行なわれた一連の立法、そして「テロ等準備罪」を掲げる今回の共謀罪は、この抑制を解除する。
 日本国憲法施行70年の現在、行政権力の肥大化とどう向き合うのか。前号にひきつづき、特集する。

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◆特集:共謀罪と「監視国家」日本
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〈対談〉
介入と忖度――憲法施行七〇年に寄せて
太田愛(脚本家)×水島朝穂(早稲田大学)

〈包括的な規制を〉
監視の時代とプライバシー――GPS捜査大法廷判決を踏まえて考える
指宿信(成城大学)

〈パレルモ条約〉
共謀罪は条約加入に必要か
新倉修(青山学院大学名誉教授)

〈フランステロ対策の陰で〉
一連のテロはなぜ防げなかったのか――仏下院検証報告書が示したテロ対策の限界と課題
上江洲佐代子(JICA)

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◇世界の潮
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◇トルコ改憲国民投票――エルドアン大統領の権力基盤固まる
岩坂将充

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◆注目記事
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〈オフセット取引とは〉
武器輸出の経済的リスク
本田浩邦(獨協大学)

〈ルポ〉
日本のアカデミズムと軍事研究――日本学術会議は何を論議したか
望月衣塑子(東京新聞)

〈現実の直視を〉
私たちは移民とどう向き合うか――「移民政策ではない」という欺瞞を超えて
鈴木江理子(国士舘大学)

〈政党政治の転換点〉
都議選での自公対立は、連立政権の終わりの始まりか(上)
中野潤(ジャーナリスト)

〈短期集中連載〉
「文一道」でゆく――憲法大臣・金森徳次郎の議会答弁(上)
桐山桂一(東京新聞)

〈短期集中連載〉
原発事故7年目に問われる「復興」――第3回 事業者賠償の現実
吉田千亜(フリーライター)

〈アニマルウェルフェア〉
私たちの食べている卵と肉はどのようにつくられているか――世界からおくれをとる日本
枝廣淳子(東京都市大学)

〈見えない未来〉
引き裂かれる国家――ISはイラクに何をもたらしたのか
山尾 大(九州大学)

〈ラ米変調〉
トランプ米政権の出方探る社会主義キューバ
伊高浩昭(ジャーナリスト)

〈韓国・芸術と民主主義〉
ブラックリスト事態、演劇人たちはどう抵抗しているか――韓国・表現の自由を手放さない営み
岡本有佳(編集者)

「光州」から「セウォル号」へ――展示拒否作品の復権にみる韓国の民主化
古川美佳(朝鮮美術文化研究)

〈連載〉中国新建築文化論 第2回
人民英雄紀念碑――ナショナリズムのシンボル装置
市川紘司(東京藝術大学)

〈半世紀続く独自の映画祭〉
アフリカ映画の現在――映画祭FESPACO を訪れて
四方田犬彦(比較文学・映画研究家)

〈米朝危機〉
核先制不使用という選択
スティーブ・フェター(メリーランド大学)、訳=田窪雅文(「核情報」主宰)

トランプは北朝鮮への威嚇や軍事拡大をやめ、鎮静化を図れ
ブルース・カミングス(シカゴ大学)、クリスティン・ホン(カリフォルニア大学)
聞き手=エイミー・グッドマン他(デモクラシー・ナウ!)、訳=中野真紀子(デモクラシー・ナウ! ジャパン)

〈特別読み物〉
短編小説 私の父はならず者だった(下)
于建〓(エイ)(中国社会科学院)、解説=辻康吾(現代中国資料研究会代表)、訳=望月暢子(中国語翻訳者)

〈連載〉
日本軍「慰安婦」問題解決運動史――ポストコロニアルな正義のための責任の伝承 (第5 回)
李娜榮(韓国・中央大学)、訳=梁澄子

〈連載〉
日没 第3回
桐野夏生(作家)

〈連載〉
海の底から 第8回
金石範(作家)

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●連載
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●神を捨て、神になった男 確定死刑囚・袴田巖【第5回】
――「袴田巖は勝利した」
青柳雄介(ジャーナリスト)

●ザ・核軍縮サミット
米ソのレイキャビク首脳会議を検証する【第5回】――国務長官の戦略的計算
吉田文彦(ジャーナリスト)

●原発月報【第26回】
17・03~04
福島原発事故記録チーム

●イングリッシュ・レッスン【第13回】
国際会議と日本人――ウィーンの三宅光治
中村和恵(明治大学)

●八方ふさがり、八つ当たり【第23回】
米谷ふみ子(作家)

●片山善博の「日本を診る」(91)
――「籠池劇場」には、合点がいかないことだらけ
片山善博(早稲田大学)

●メディア批評【第114回】
神保太郎(ジャーナリスト)

●私的小豆島名所【その25】
内澤旬子(イラストルポライター)

●脳力のレッスン【182】
インド史の深層―― 一七世紀オランダからの視界(その44)
寺島実郎

●世界論壇月評
朱建栄・竹田いさみ・吉田文彦・石郷岡建

●ドキュメント激動の南北朝鮮(238)(17.3~4)
編集部

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○グラビア
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○グラビア――公募作品157
ATOMIC SHADOWS
山田 諭(写真家)

○A SHOT OF THE WORLD

○表紙の言葉
鈴木邦弘(写真家)

○表紙写真= 鈴木邦弘 デザイン= 赤崎正一+ 佐野裕哉

○グラビアについて(公募規定) 

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◇アムネスティ通信

◇読者談話室

◇編集後記
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