岩佐又兵衛と松平忠直

パトロンから迫る又兵衛絵巻の謎

岩佐又兵衛とパトロン松平忠直の関係から,「又兵衛絵巻群」とは何かを解明する.パトロンの生涯から読み解く絵画史料論の試み.

岩佐又兵衛と松平忠直
著者 黒田 日出男
通し番号 103
ジャンル 書籍 > 岩波現代全書 > 歴史・伝記
刊行日 2017/06/28
ISBN 9784000292030
Cコード 0321
体裁 四六 ・ 並製 ・ カバー ・ 284頁
定価 2,750円
在庫 在庫あり
特異な表現によって浮世絵をつくったとされる岩佐又兵衛.この天才絵師が関わったとされる長大な「又兵衛絵巻群」にはとりわけ異様な魅力がある.そうした魅力を生んだ根源は何か,本書は絵画史料論的アプローチによって絵巻群に迫る.「又兵衛風絵巻群」を読み解く鍵は注文主のパトロン松平忠直にあるだろう.
プロローグ 注文主を中心とした絵画史料読解
第1章 「又兵衛風絵巻群」とこれまでの美術史研究
第2章 絵画史料論からの疑問と批判点
第3章 「定説」に対する異論の登場
第4章 忠直の教養・趣味・娯楽と又兵衛の越前下向
第5章 松平忠直の年代記――誕生から「隠居」まで
第6章 忠直が絵巻化した物語群とは何か
第7章 配流地の忠直と『熊野権現縁起絵巻』の奉納
第8章 一世・二世・三世の〈契り〉と倫理的転換
エピローグ 金色烏帽子の主人公と松平忠直

主要参考文献
あとがき
黒田日出男(くろだ ひでお)
1943年生.東京大学名誉教授.文学博士(早稲田大学).東京大学史料編纂所教授・同所長・同附属画像史料解析センター長を経て,立正大学教授・群馬県立歴史博物館館長などを歴任.専門は,日本中世史・近世史と絵画史料論・歴史図像学.主な著書に,『謎解き洛中洛外図』『龍の棲む日本』(以上,岩波新書),『〔増補〕姿としぐさの中世史』(平凡社ライブラリー),『増補絵画史料で歴史を読む』(ちくま学芸文庫),『謎解き伴大納言絵巻』『吉備大臣入唐絵巻の謎』(以上,小学館),『江戸図屏風の謎を解く』『源頼朝の真像』『国宝神護寺三像とは何か』『豊国祭礼図を読む』『江戸名所図屏風を読む』『洛中洛外図・舟木本を読む』(以上,角川選書)など.
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