夏目漱石と西田幾多郎

共鳴する明治の精神

「同窓生」,ベストセラー,禅体験.綿密な考証にもとづいて二人の接点を解きほぐし,近代日本の思想課題を明らかにする.

夏目漱石と西田幾多郎
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著者 小林 敏明
通し番号 新赤版 1667
ジャンル 書籍 > 岩波新書 > 随筆
刊行日 2017/06/20
ISBN 9784004316671
Cコード 0295
体裁 新書 ・ 256頁
定価 本体840円+税
在庫 在庫あり
「同窓生」であり,ベストセラー作家であり,禅に打ち込んだ──これまで論じられることは少なかったが,近代日本を代表する二人の知性の間には,多くの共通点がある.綿密な考証により,彼らを包みこんでいた時代環境や知的ネットワークを解きほぐし,近代日本の思想課題を明らかにする,精神史的評伝.
序 章 西田はなぜ漱石に手紙を書いたのか

第一章 没落する家から生まれる独立の精神
 1 没落する旧家
 2 不孝不人情の息子
 3 自由独立と反骨の精神
 4 博士号拒否問題

第二章 人と知のネットワークのなかで
 1 本科生と選科生
 2 西田のネットワーク
 3 漱石のネットワーク
 4 時代を動かす人脈

第三章 一生の宿題となった公案の問い
 1 鎌倉円覚寺でのすれちがい
 2 漱石と父母未生以前の公案
 3 西田と無字の公案
 4 自覚される東洋

第四章 ベストセラーは何をもたらしたか
 1 ベストセラー成立事情
 2 漱石山房の文学者たち
 3 京都学派の哲学者たち
 4 父子を演じる師弟

第五章 戦争時代のメンタリティ
 1 戦死者への想い
 2 満韓旅行から第一次世界大戦へ
 3 京都学派の戦争問題
 4 闘争のなかの歴史

第六章 内省を表現するとはどういうことか
 1 告白される心理
 2 矛盾する論理
 3 ロマンティックな内省
 4 創出される日本語

あとがき
対照年表
参考文献
小林敏明(こばやし としあき)
1948年岐阜県生まれ.
1996年ベルリン自由大学宗教学研究所博士号取得.
2006 年よりライプツィヒ大学教授.
専攻―哲学,精神病理学
著書―『西田幾多郎の憂鬱』(岩波現代文庫)
 『西田哲学を開く―〈永遠の今〉をめぐって』(岩波現代文庫)
 『憂鬱なる漱石』(せりか書房)
 『柄谷行人論―〈他者〉のゆくえ』(筑摩選書)
 『〈主体〉のゆくえ―日本近代思想史への一視角』(講談社選書メチエ)
 『廣松渉―近代の超克』(講談社学術文庫)
 『風景の無意識―C・D・フリードリッヒ論』(作品社)ほか
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