性食考

食べる/交わる/殺すことに埋もれた不可思議な繋がりとは何なのか.いのちの根源との遭遇をめざす,しなやかにして大胆な知の試み.

性食考
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著者 赤坂 憲雄
ジャンル 書籍 > 単行本 > 評論・エッセイ
刊行日 2017/07/25
ISBN 9784000612074
Cコード 0095
体裁 四六 ・ 上製 ・ カバー ・ 352頁
在庫 重版中
「食べちゃいたいほど,可愛い.」このあられもない愛の言葉は,〈内なる野生〉の呼び声なのか.食べる/交わる/殺すことに埋もれた不可思議な繋がりとは何なのか.近代を超え,いのちの根源との遭遇をめざす,しなやかにして大胆な知の試み.神話や物語,祭りや儀礼等を読み解き,学問分野を越境してめぐる,魅惑的な思索の旅.
はじめに

序 章 内なる野生
 野生の呼び声が聞こえる
 汚れた野生の王国のかたわらで
 いのちの根源は、ひとつか複数か

第二章 異類婚姻譚
 縫いぐるみの神話学
 異類婚姻譚の裂け目に
 残酷なるもの、結婚とわかれ
 ふつうの動物との結婚
 生き物はみな人間に姿を変える

第三章 食と性と暴力と
 肉食の終焉、そして黙示録的な未来へ
 殺生と肉食をめぐる問い
 子どもを食べたがる怪獣たち
 グリムの森の魔女と動物たち
 哄笑と残酷のゼロ地点に
 子どもの本のおいしい食べ方

第四章 動物をめぐる問題系
 糞と尿のあいだから生まれる
 自己からの距離、分類とタブー
 内なる動物性からの逃走という逆説
 穴とヴァギナの精神分析
 自己消費のタブーから共同の家へ

第五章 はじまりの神話
 自己愛と残酷を超えるために
 性のはじまり、複製から自己創出へ
 神話は泥の海を欲望する
 オノゴロ島にて、聖なる結婚と死

第六章 女神の死
 九相図のもとでの性と死の交歓
 腐敗と恐怖をめぐる形而上的な問い
 オホゲツヒメの死と作物の起源
 ハイヌウェレ神話の原像
 女神の殺害と生殖のはじまり
 神話は祭りのなかで再演される

第七章 大いなる口
 ケガチの庭に饗宴が幕を開ける
 戦場で語られた鳥喰い婆の昔話
 大いなる口は小さな劇場である
 食わず女房、または拒食の根っこに
 ふたつの口が妖しい出会いを果たすとき

第八章 生け贄譚
 桜の樹の下は魂鎮めの現場である
 まな板と箸と庖丁、痛みの記憶とともに
 贖罪の供犠と儀礼化、その終焉へ
 桟敷には根源的な暴力が埋もれている

終 章 愛の倒錯

あとがき
主な参考文献
赤坂憲雄(あかさか のりお)
民俗学・日本文化論.学習院大学教授.福島県立博物館館長.東京大学文学部卒業.東北芸術工科大学教授として東北文化研究センターを設立し,『東北学』を創刊.2007年『岡本太郎の見た日本』(岩波書店)でドゥマゴ文学賞受賞,同書で芸術選奨文部科学大臣賞(評論等部門)受賞.『異人論序説』『排除の現象学』(ちくま学芸文庫),『境界の発生』『東北学/忘れられた東北』(講談社学術文庫),『東西/南北考』(岩波新書)など著書多数.

書評情報

朝日新聞(朝刊) 2017年9月17日
京都新聞 2017年9月17日
沖縄タイムス 2017年9月16日
中國新聞 2017年9月10日
山梨日日新聞 2017年9月10日
文藝春秋 2017年10月号
日本経済新聞(朝刊) 2017年9月9日
週刊読書人 2017年9月8日
毎日新聞(夕刊) 2017年8月29日
読売新聞(朝刊) 2017年8月29日
週刊ポスト 2017年9月1日号
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