世界 2017年8月号

特集:中国の「最前線」はいま――香港返還二〇年

世界 2017年8月号
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ジャンル 雑誌 > 世界 > 定期号
刊行日 2017/07/07

■特集:中国の「最前線」はいま――香港返還20年


 2017年7月1日,習近平・中国国家主席は就任後初めて香港を訪れ,返還記念式典に出席する予定である.
 返還以来,中国経済は一貫してその存在感を増しつづけ,香港の地位は相対的に低下していると言われる.特にこの10年は経済融合がさらに進み,人の往来も増える一方,2012年の反愛国教育運動,2014年の雨傘運動など,中国政府と香港の人びとのあいだの政治的な軋轢が高まった.
 香港に高度な自治を保障する「一国二制度」は,中国が台湾統一のために構想したものであった.その台湾に目を転じると,やはり中国への経済的な依存が強まり,2016年に政権交代を実現した民進党・蔡総統の支持率が低迷しているとはいえ,人びとのあいだで「統一」を支持する声はほとんど目立たない現実がある.
 香港で「民主自決」をもとめる若者たちは,「50年不変」の期限である2047年を見すえている.一方,2049年に「建国100年」を迎える中国政府は,そのイメージとは大きく異なる将来像を描いている.
 日本は,東アジアの未来をどのように構想するのか.中港関係,中台関係の変化とその現在を読み解きながら,未来への手がかりを探る.

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◆特集:中国の「最前線」はいま――香港返還二〇年
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〈座談会〉
民主と自由の最前線――香港・台湾から考える東アジアの未来
川島 真(東京大学)×倉田 徹(立教大学)×福田 円(法政大学)

〈講演会〉
香港 民主のゆくえ
黄之鋒・周庭(「香港衆志」)

〈ルポ〉
「一国両魘」――返還二〇年、香港のいま
高橋政陽(著述家)

〈「亞洲週刊」寄稿の反響〉
台湾の国家は「自己解体」するのか?
本田善彦(ジャーナリスト)

〈内陸の中国〉
世界経済のなかの「一帯一路」構想とその思想的可能性
羽根次郎(明治大学)

〈ジェンダー政策の光と影〉
「LGBTフレンドリーな台湾」の誕生――包摂と排除をめぐる政治的背景
福永玄弥(東京大学)

〈アジアの脱原発〉
原子力発電の後始末に着手した台湾――廃炉 核廃棄物処分 エネルギー転換
鈴木真奈美(ジャーナリスト)

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◇世界の潮
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◇県民健康調査――健康被害は広がり、深まっている
白石 草

◇フィリピンで戒厳令――ドゥテルテ政権、IS掃討で背水の陣
加治康男

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◆注目記事
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〈追悼〉
大田昌秀先生を偲んで
佐藤 優(作家・外交評論家)

〈脳力のレッスン184 特別篇〉
シルバー デモクラシー再考――国民を信じるという視座
寺島実郎

〈座談会〉
国家戦略特区の実相とは――私利私欲に堕した「異形の制度」
郭洋春(立教大学)×奈須りえ(大田区議)×内田聖子(PARC)

〈教育学の観点から〉
加計学園問題の本質は何か――利益相反とモラル・ジレンマ
藤田英典(共栄大学)

〈騙され憲法論〉
自衛隊明記の改憲は違憲無効であることの証明
――集団的自衛権解釈変更という虚偽から紐解く憲法九六条等違反
小西洋之(参議院議員)

〈ルポ〉
ルポ自衛隊配備に揺れる与那国――変貌する最西端の島
半田 滋(東京新聞)

〈蘇る国体〉
なぜ教育勅語の復活を願うのか――「徳」の樹立と建国の一体性
中嶋哲彦(名古屋大学)

〈判決を前に〉
司法は行政の「朝鮮学校いじめ」をただせるか
田中 宏(一橋大学名誉教授)

〈韓国の市民革命〉
〝キャンドル〞が変えたことと変えるべきこと
朴元淳(ソウル市長)

〈核の裏面史〉
北朝鮮核緊張のまぼろし(下)――国際軍産政複合体におもねる日本の忖度政治
谷口長世(国際ジャーナリスト)

〈紛争の停止と人道支援を〉
忘れられた戦争――イエメンの人々を襲う人道的崩壊
佐藤 寛(アジア経済研究所)

〈戦略転換の勝利〉
イギリス総選挙で見せた左派の底力――進歩的なドブ板政治
ブレイディみかこ(英国在住保育士)

〈ポスト・グローバル化の政治〉
政治の〈アノマリー〉は何をもたらすか――フランスにみる対立軸の変容
吉田 徹(北海道大学)

〈対談〉
「トランプ王国」の現場から――アメリカ「中産階級の不安」が暗示するもの
伊東光晴(京都大学名誉教授)×金成隆一(朝日新聞)

〈どうすれば救えたのか〉
東芝はどこへ行くのか――日本の原子力行政の破綻
細野祐二(会計評論家)

〈自死は、向き合える 番外編〉
「彼らが生きた命を祝う」
――ポストベンション・オーストラリア・カンファレンスの現場から
杉山 春(ルポライター)

〈インタビュー〉
ダニエル・バレンボイム、『西東詩集』オーケストラの夢を語る
中村真人(フリーライター)

〈インタビュー〉
ナチスの恐怖支配に抵抗した名もなきベルリン市民の信念
――『ヒトラーへの285枚の葉書』ヴァンサンペレーズ監督に聞く
聞き手=中村一成(ジャーナリスト)

〈最終回〉
ザ・核軍縮サミット――米ソのレイキャビク首脳会議を検証する(6)
――幻の「核廃絶合意」とその遺産
吉田文彦(ジャーナリスト)

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●連載
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●中国新建築文化論【第4回】
「抗日」のディスプレイ――中国人民抗日戦争紀念館と愛国主義教育
市川紘司(東京藝術大学)

●神を捨て、神になった男 確定死刑囚・袴田巖【第7回】
――「判決は私の真意ではない」
青柳雄介(ジャーナリスト)

●日本軍「慰安婦」問題解決運動史――ポストコロニアルな正義のための責任の伝承【第6回】
李娜榮(韓国・中央大学)、訳=梁澄子

●メディア批評【第116回】
神保太郎(ジャーナリスト)

●私的小豆島名所【その27】
内澤旬子(イラストルポライター)

●片山善博の「日本を診る」(93)
安倍一強政権のもとで壊れゆくもの
片山善博(早稲田大学)

●原発月報【第28回】
17・05~06
福島原発事故記録チーム

●沖縄(シマ)という窓
――あらゆる軍事化に抗う――軍事主義を許さない国際女性ネットワーク会議
山城紀子(フリーライター)

●ドキュメント激動の南北朝鮮(240)(17.5~6)
編集部

●世界論壇月評
朱建栄・竹田いさみ・吉田文彦・石郷岡建

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○グラビア
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○グラビア――公募作品158
続く営み
江平龍宣(写真家)

○A SHOT OF THE WORLD

○表紙の言葉
鈴木邦弘(写真家)

○表紙写真= 鈴木邦弘 デザイン= 赤崎正一+ 佐野裕哉

○グラビアについて(公募規定)

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◇アムネスティ通信

◇読者談話室

◇編集後記
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