岩波ブックレット

《自粛社会》をのりこえる

「慰安婦」写真展中止事件と「表現の自由」

「慰安婦」写真展中止事件から五年,健全な社会のために,自己検閲=自粛を問い直す.

《自粛社会》をのりこえる
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著者 安 世鴻 , 李 春熙 , 岡本 有佳
通し番号 973
ジャンル 書籍 > 岩波ブックレット > メディア・ジャーナリズム
シリーズ 岩波ブックレット
刊行日 2017/09/05
ISBN 9784002709734
Cコード 0336
体裁 A5 ・ 並製 ・ 80頁
定価 本体620円+税
在庫 在庫あり
世界的カメラメーカーが,予定された「慰安婦」写真展を突如中止.その真の理由を明らかにしようと裁判に訴えた写真家が勝訴した.事件から5年,あたりまえのように自己検閲=自粛が広がり,日本の報道自由度ランキングは,評価対象180カ国・地域のうち72位とG7で最低となった.健全な社会のために,いま問い直す《自粛社会》の実像.
第1章 表現はどのように消されていくのか――ニコンサロン写真展中止事件から見えるもの……………李春熙
 『重重』より……………写真=安世鴻
 コラム「受け手」の観点から表現の自由を考える契機に……………宮下紘

第2章 表現者・被写体・鑑賞者、三者の権利を守るたたかい
 安世鴻さんに聞く……………聞き手・岡本有佳

第3章 自粛の空気に対抗して
 浮いた人になろう……………赤川次郎
 女性国際戦犯法廷の渦……………石原燃
 〈表現の不自由事態〉をどうのりこえるか
  ――韓国・抵抗と連帯の営みに学びつつ……………岡本有佳
 「慰安婦」にされた女性たちに共感した少女たち……………仁藤夢乃
 なぜ日本社会は「慰安婦」問題を理解できないのか――現在進行形の性差別構造を生きる私たち……………北原みのり
 日本における排除の構造の由来――フェイク・ニュースと自粛……………西谷修

「表現の不自由」をめぐる年表
【編者】

安世鴻(アン・セホン)
写真家.韓国をはじめ東ティモール,インドネシアなどで,約20 年日本軍性奴隷被害女性たちを取材.著者に『重重:中国に残された朝鮮人日本軍「慰安婦」の物語』(大月書店)他.

李春熙(リ・チュニ)
弁護士.ニコンサロン「慰安婦」写真展中止事件弁護団.著書に『ヘイトスピーチはどこまで規制できるか』(影書房),共編著『誰が〈表現の自由〉を殺すのかЁニコンサロン「慰安婦」写真展中止事件裁判の記録』(御茶の水書房)他.

岡本有佳(おかもと・ゆか)
編集者.風工房主宰.「教えてニコンさん!ニコン「慰安婦」写真展中止事件裁判支援の会」世話人.「表現の不自由展」共同代表.共編著『〈平和の少女像〉はなぜ座り続けるのか』(世織書房)他.


【執筆者】

宮下紘(みやした・ひろし)
中央大学総合政策学部准教授.憲法,情報法.著書に『プライバシー権の復権Ё自由と尊厳の衝突』(中央大学出版部),『ビッグデータの支配とプライバシー危機』(集英社)他.

赤川次郎(あかがわ・じろう)
小説家.1976年『幽霊列車』でオール讀物推理小説新人賞受賞.「三毛猫ホームズ」シリーズ,「天使と悪魔」シリーズ,「鼠」シリーズ,『怪談人恋坂』『記念写真』他著書多数.2016 年『東京零年』で第50回吉川英治文学賞受賞.

石原燃(いしはら・ねん)
劇作家.非戦を選ぶ演劇人の会実行委員.作品に『フォルモサ!』『人の香り』『父を葬る』『沈黙』『夢を見る』『白い花を隠す』他.

仁藤夢乃(にとう・ゆめの)
一般社団法人Colabo 代表.著書に『難民高校生』(筑摩書房),『女子高生の裏社会「関係性の貧困」に生きる少女たち』(光文社)

北原みのり(きたはら・みのり)
作家.「ラブピースクラブ」代表.著書に『毒婦.』『さよなら,韓流』『奥さまは愛国』(共著),『性と国家』(共著)他.

西谷修(にしたに・おさむ)
東京外国語大学名誉教授,立教大学大学院文学研究科特任教授.哲学.著書に『不死のワンダーランド』『戦争論』『世界史の臨界』『理性の探究』『アメリカ異形の制度空間』他.
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