都市と農村

柳田は都市と農村の未来をどう展望したか?

都市と農村
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著者 柳田 国男
通し番号 青183-11
ジャンル 書籍 > 岩波文庫 > 青(歴史・地理)
刊行日 2017/09/15
ISBN 9784003812211
Cコード 0139
体裁 文庫 ・ 304頁
定価 本体840円+税
在庫 在庫あり
昭和初期の小作争議が頻発した時代,農政官として出発した柳田は,農村の疲弊と農民の貧困を,農村内部の問題としてではなく,都市との関係でとらえた.田舎から都市への人の流入を歴史的にたどり,文化全体をみつめるなかで,具体的な希望として農民による協同組合運営を提言.現代においても示唆に富む一書.(解説=赤坂憲雄)
自 序

第一章 都市成長と農民
 一 日本と外国との差
 二 イナカと田舎
 三 都とその他の都市
 四 城下町の支持者
 五 村の市と町の常見世
 六 町人の故郷も村
 七 土を離れた消費者心理
 八 宿駅生活の変化
 九 愛郷心と異人種観
 一〇 農村から観た都市問題

第二章 農村衰微の実相
 一 村と村との比較から
 二 生活程度の高下
 三 物議と批判力
 四 一人貧乏と総貧乏
 五 農だけでは食えなくなる
 六 不自然なる純農化
 七 外部資本の征服
 八 農業保護と農村保護
 九 生計と生産
 一〇 人口に関する粗雑な考え方

第三章 文化の中央集権
 一 政治家の誤解
 二 都市文芸の専制
 三 帰化文明の威力
 四 そそのかされる貿易
 五 中央市場の承認
 六 無用の穀価統一
 七 資本力の間接の圧迫
 八 経済自治の不振
 九 地方交通を犠牲とした
 一〇 小都市の屈従摸倣

第四章 町風・田舎風
 一 町風の農村観察
 二 田園都市と郊外生活
 三 生活様式の分立
 四 民族信仰と政治勢力
 五 自分の力に心付かぬ風
 六 京童の成長
 七 語る人と黙する人と
 八 古風なる労働観
 九 女性の農業趣味
 一〇 村独得の三つの経験

第五章 農民離村の歴史
 一 都市を世間と考えた人々
 二 商人の根原
 三 職人の都市に集まる傾向
 四 武士離村の影響
 五 長屋住居の行掛り
 六 冬場奉公人の起り
 七 越後伝吉式移民
 八 半代出稼の悲哀
 九 紹介せられざる労働
 一〇 住所移転の自由不自由
 
第六章 水呑百姓の増加
 一 分家は近代農村の慣習
 二 家の愛から子の愛へ
 三 下人は家の子
 四 年季奉公の流行
 五 いわゆる温情主義の基礎
 六 地主手作の縮小
 七 農作業の繁閑調節
 八 大田植の光景
 九 多くの貧民を要した大農
 一〇 親方制度の崩壊

第七章 小作問題の前途
 一 地租条例による小農の分裂
 二 小作料と年貢米
 三 たった一つの小作人の弱味
 四 耕作権の先決問題
 五 土地財産化の防止策
 六 地主の黄金時代
 七 地価論に降参する人々
 八 土地相場の将来
 九 挙国一致の誤謬
 一〇 農民組合の悩み
 
第八章 指導せられざる組合心
 一 二種の団結方法
 二 組合と生活改良
 三 産業組合の個人主義
 四 農民組合の個人主義
 五 組合は要するに手段
 六 農民の孤立を便とする階級
 七 前代の共同生産
 八 山川藪沢の利
 九 土地の公共管理
 一〇 地租委譲の意義
 
第九章 自治教育の欠陥とその補充
 一 村を客観し得る人
 二 保護政策の無効
 三 都市の常識による批判
 四 人量り田の伝説
 五 村統一力の根柢
 六 平和の百姓一揆
 七 利用せらるる多数
 八 古風なる人心収攬術
 九 自尊心と教育
 一〇 伝統に代る実験
 
第一〇章 予言よりも計画
 一 三つの希望
 二 土地利用方法の改革
 三 畠地と新種職業
 四 中間業者の過剰
 五 不必要なる商業
 六 消費自主の必要
 七 都市失業の一大原因
 八 地方の生産計画
 九 都市を造る力
 一〇 未来の都市の本務
 
解説 失われた共産制の影を探して……………赤坂憲雄 
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