新刊

抗生物質と人間

マイクロバイオームの危機

増加する生活習慣病,拡大する薬剤耐性菌.その背後には抗生物質の過剰使用がある.諸刃の剣と化す魔法の薬.その逆説を問う.

抗生物質と人間
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著者 山本 太郎
通し番号 新赤版 1679
ジャンル 書籍 > 岩波新書 > 福祉・医療
刊行日 2017/09/20
ISBN 9784004316794
Cコード 0247
体裁 新書 ・ 192頁
定価 本体760円+税
在庫 在庫あり
増加する生活習慣病,拡大する薬剤耐性菌.その背後には抗生物質の過剰使用がある.抗生物質の服用によって攪乱され失われていくヒト常在菌叢(マイクロバイオータ).万能の薬はいまや効力を失い,私たちは「ポスト抗生物質時代」に突入しつつある.最新の科学的知見をもとに,その逆説の意味を問う.
プロローグ――抗生物質がなくて亡くなった祖父母、抗生物質耐性菌のために亡くなった祖母

第1章 抗生物質の光と影
 二人の患者――エピソード1/ペニシリンの発見/劇的な効果/抗生物質が効く仕組み/コモンズの悲劇/耐性菌の登場/進化の安定戦略が教えてくれるもう一つの重要なこと/急増する肥満は現代の疫病か/アレルギー/糖尿病/現代の疫病
【コラム】碧素一号の完成

第2章 微生物の惑星
 レーウェンフックの見たもの――エピソード2/微生物の惑星/ウーズの分類体系/微生物がつくるネットワーク
【コラム】失われた光の輝き

第3章 マイクロバイオームの世界
 「ヒトゲノム計画」の完成がもたらした衝撃――エピソード3/キメラとしての「私」/マイクロバイオームとは/ヒト・マイクロバイオータとマイクロバイオームの世界/共生細菌と私たちの免疫系/窒素を固定する腸内細菌
【コラム】水と石炭と空気からパンを作る方法

第4章 抗生物質が体内の生態系に引き起こすこと
 腸内細菌の移植実験――エピソード4/家畜への使用と巨大化/マーティン・ブレイザーの実験/ヒトの身長と体内衛生環境仮説/旧石器時代後期にもヒトの身長は低下していた/体内衛生環境仮説とベルクマンの法則に関する一私見/ポスト抗生物質時代の疫病をとりまく謎/子ども時代の影響/オランダの飢餓の冬
【コラム】過去にも肥満は存在した

第5章 腸内細菌の伝達と帝王切開
 ゼンメルワイスの悲劇――エピソード5/帝王切開で救われた命/帝王切開は、近代医学の福音だった/行きすぎた近代医学の応用/母から子へ受け継がれるもの、それを阻害するもの/エイヴォン親子長期研究/感染症と母乳と免疫と常在細菌

第6章 未来の医療
 コッホの実験――エピソード6/菌の不在から始まる病気――新しい医学/抗生物質の冬/抗生物質使用のジレンマ/失われたものの大きさ/「人間(ヒト)中心主義」とそれに対する批判

エピローグ――世界の腸内細菌を探しに

あとがき
参考文献
山本太郎(やまもと たろう)
1964年生まれ.1990年長崎大学医学部卒業.
京都大学医学研究科助教授,外務省国際協力局勤務などを経て,
現在―長崎大学熱帯医学研究所教授,医師
専攻―国際保健学,熱帯感染症学,感染症対策
著書―『新型インフルエンザ 世界がふるえる日』『感染症と文明――共生への道』(ともに岩波新書),『失われてゆく,我々の内なる細菌』(翻訳,みすず書房),『ハイチいのちとの闘い』(昭和堂),『国際保健学講義』(学会出版センター)ほか
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