世界 2017年10月号

特集:「一強」は崩壊したのか

世界 2017年10月号
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ジャンル 雑誌 > 世界 > 定期号
刊行日 2017/09/08

■特集:「一強」は崩壊したのか


 「1強」に突如亀裂が入った.「官邸主導」の名の下に国会軽視の政治をおしすすめ,自民党内でも権勢を誇った安倍政権は,2012年の「復活」以来,国政選挙で4度にわたり勝利を重ねてきた.
 だが今年に入り,森友・加計学園問題,防衛省・自衛隊の「日報」をめぐる情報隠し,さらに自民党議員の失言やスキャンダルが相次ぎ,7月の東京都議選で自民党は大敗,内閣支持率もそれに前後して急激に落ち込んだ.
 政治の私物化,政官業の癒着,繰り返される強弁と詭弁に,国民から強い「ノー」が突きつけられたといえる。
 しかし,二大政党の一翼を担うことが期待された民進党をはじめ,自公政権の対抗勢力への支持は高まっていない.民進党は政権交代の挫折といまだ向き合えず,つきまとう失敗のイメージを払しょくできずにいる.2015年の安保法制反対運動では,若い世代の新たな政治参加のかたちが示されたが,草の根の市民と政党や政治組織が対話する回路づくりは今後の課題である.
 安倍政権の失速は何を意味するのか.対抗勢力の底上げはいかにすれば可能なのか.1990年代の政治改革以来の流れのなかに現政権を位置づけ,その政策を改めて検証するとともに,社会的基盤をもつ左派勢力が復権しつつある海外の動向も参照し,日本の政党政治の現状と進むべき方向を考える.

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◆特集:「一強」は崩壊したのか
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〈対談〉
政党政治の底上げは可能か――揺れる安倍政権と野党の活路
中北浩爾(一橋大学)×中野晃一(上智大学)

〈自民党とは何か〉
保守政党よ、「中庸の精神」たれ――「ポスト安倍」時代への提言
園田耕司(朝日新聞)

〈「女性活躍」の裏側〉
女性の「利用」と「男性性の回復」――安倍内閣と民進党のジェンダー感度
辻 由希(東海大学)

〈成長より社会の扶養力を〉
アベノミクス「景気拡大」の死角――統計を見て、「人」を見ない経済政策
高橋伸彰(立命館大学)

〈そして日本は?〉
ネオ・リベラリズムの終焉?――コービン、サンダース、メランションから見る政治変動
田端博邦(東京大学名誉教授)

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◇世界の潮
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◇「ロシア・ゲート」があぶり出すアメリカ社会
石郷岡 建

◇制憲議会を開設、危機打開図るベネズエラ政権
伊高浩昭

◇創設半世紀を迎えたASEAN
柴田直治

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◆注目記事
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〈座談会〉
報道の「沈黙」が社会を壊す――プロフェッショナリズムの不在について
田島泰彦( 上智大学)×服部孝章(立教大学)×美浦克教(記者)

〈ルポ〉
虚像を捨てて――不戦を選ぶ元米兵たち
大矢英代(ビデオジャーナリスト)

〈インタビュー〉
「天皇観の相剋」と現代――武田清子氏に聞く
聞き手=阿部菜穂子(ジャーナリスト)

〈考古学からの問い〉
世界遺産候補「百舌鳥 古市古墳群」の天皇陵古墳名称を問う
今尾文昭(関西大学非常勤講師)

〈「バニラエア」問題を考える〉
「困らせている」社会を変える――障害者差別解消法が求めているもの
飯野由里子(東京大学)

〈ルポ〉
歴史的だが「当たり前」の一歩――朝鮮学校無償化訴訟大阪判決の意味
中村一成(ジャーナリスト)

〈法の精神を生かすには〉
参加型アセスへの道――環境アセスメント法二〇年(下)
杉本裕明(ジャーナリスト)

〈海岸と人間〉
東日本大震災の災害復旧事業における防潮堤問題を考える
清野聡子(九州大学)

防潮堤、このままでいいですか?――「海といきる」人々の思いと復興行政
加藤裕則(朝日新聞)

〈対談〉
吉田調書を超えて 第3回 原発事故と自衛隊(下)
七沢潔(NHK)×中村勝美(元陸上自衛隊研究本部特殊武器研究室長)

〈事故経過の解明〉
2号機はなぜ破損したのか――解き明かされる謎
田辺文也(社会技術システム安全研究所)

〈核禁条約への筋道〉
地雷から核兵器禁止へ――人道的軍縮の進化
目加田説子(中央大学)

〈ICBM完成?〉
米朝危機の現段階――抑止関係は成立するか
井上智太郎(共同通信)

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●連載
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●【新連載】〈周縁〉の「小さなアメリカ」
第1回:「辺境」の先住民――鎌田 遵との対話
中村 寛(多摩美術大学)

●小説 アパレル興亡【第2回】
黒木 亮(作家)

●それぞれの出ウチナー記 海を越えるアイデンティティー【第2話】
〝夢の跡〞に生まれた戦後村計画
三山喬(ジャーナリスト)

●日本軍「慰安婦」問題解決運動史【第8回・最終回】
李娜榮(韓国・中央大学)、訳=梁澄子

●海の底から【第11回】
金石範(作家)

●脳力のレッスン【186】特別篇
二〇一七年夏への思索――内外の退嬰の中で
寺島実郎

●片山善博の「日本を診る」【第95回】
官制デフレが罷り通る
片山善博(早稲田大学)

●イングリッシュ・レッスン――お試し難民流英語学習伝【16】――ぺらぺらになりたい
中村和恵(明治大学)

●メディア批評【第118回】
神保太郎(ジャーナリスト)

●中国新建築文化論【第6回】
中国人建築家の近現代史――四つの世代とその先
市川紘司(東京藝術大学)

●沖縄(シマ)という窓――いつか落ちる危険機種 誰が責任を取るのか
松元 剛(琉球新報)

●私的小豆島名所【その28】
内澤旬子(イラストルポライター)

●神を捨て、神になった男 確定死刑囚・袴田巖【第8回】
――「弟の無実を信じていた」
青柳雄介(ジャーナリスト)

●原発月報【第29回】
17・06~08
福島原発事故記録チーム

●世界論壇月評
朱建栄・竹田いさみ・吉田文彦・石郷岡建

●ドキュメント激動の南北朝鮮(242)
編集部

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○グラビア
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○グラビア――公募作品160
重重 消せない痕跡――アジアの日本軍性奴隷被害女性たち
安世鴻(写真家)

○A SHOT OF THE WORLD

○表紙の言葉
鈴木邦弘(写真家)

○表紙写真= 鈴木邦弘 デザイン= 赤崎正一+ 佐野裕哉

○グラビアについて(公募規定)

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◇アムネスティ通信

◇読者談話室

◇編集後記
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