欧州統合は行きすぎたのか (上)

〈失敗〉とその原因

EU理論研究の大家が,統合手法の失敗の本質と歴史的経緯(上巻)と国民国家の重要性をふまえた新しい統合手法(下巻)を論じる.

欧州統合は行きすぎたのか (上)
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著者 G.マヨーネ , 庄司 克宏 監訳
ジャンル 書籍 > 単行本 > 政治
刊行日 2017/10/26
ISBN 9784000612241
Cコード 0031
体裁 四六 ・ 上製 ・ カバー ・ 288頁
定価 本体3,200円+税
在庫 在庫あり
統合の拡大と深化が行きすぎたから,ユーロやEUは危機に直面したのか.統合手法の誤りとは何か.オルタナティブはあるのか.EUに関する理論研究の大家が,経済学や法学,歴史学等の豊富な知見をもとに,上巻では〈失敗〉の本質と歴史的経緯を分析する.
序 章 さまざまな地域統合
地域主義の新旧比較――第一世代と第二世代/プロセス重視の地域主義 対 結果重視の地域主義/規模,範囲,取引費用/統合のための統合?/新たなスタイルの欧州統合/一層緊密化し拡大する連合?

第一章 メタファーとしての通貨同盟
欧州通貨同盟のレトリック/政治同盟への王道なし/「マルクの専制」との戦い――ウェルナー・プランからユーロ危機の発生まで/ECB,ユーロ・グループ,安定・成長協定/EMUと政策調和の矛盾/アキ・コミュノテール――コミットメントの手段か,時代遅れの拘束服か?/未完の通貨同盟の脆さ/誤解を招くアナロジー

第二章 まったくの楽観主義の政治文化――その興亡
既成事実とまったくの楽観主義/実行可能性の無視/国民経済の連邦的ビジョンから共同管理へ/まったくの楽観主義から破滅的な悲観主義へ/瀬戸際政策/寝耳に水?/プロセス 対 結果/脱退のシナリオ

第三章 統合とそのモード
「浅い」統合から「深い」統合へ/統合の深化/共同統治型統合と規制撤廃型統合/規制撤廃型統合の積極的な側面/司法による統合/加盟国と欧州司法裁判所――共通のエージェンシーと統制の欠如/欧州司法裁判所,WTOとEUの立憲主義的説明/法中心主義を超えて/機能的統合 対 領域的統合

第四章 統合の深化――取引費用と社会政治的な限界
取引費用の経済学から取引費用の政治学へ/コミットメントのテクノロジー/権限の委任/情報コスト,交渉コスト,影響コスト/「逆選択」,モラル・ハザード,ユーロ圏の債務危機/「深い統合」が直面する再分配上の限界に関するハイエクの見解/統合深化の憲法的・政治的な限界

第五章 欧州統合と政経分離
自由主義の盛衰/「コースの定理」とローマ条約/新自由主義のバイアス?/新機能主義の根本的な誤謬/政治的独立と社会的定着――代表制民主主義によらない機関と民主的政府/政治的独立と社会的遊離――代表制民主主義によらないEU諸機関

文 献


【下巻目次】

第六章 「民主主義の赤字」から「民主主義の不履行」へ?――ユーロ危機の規範的側面第七章 “More Europe”
第八章 リーダー不在の欧州の限界
第九章 協調と競争による統合
第一〇章 グローバリゼーションおよび地域統合と国民国家

監訳者解説
文 献
索 引
G.マヨーネ(Giandomenico Majone)
1932年生.フィレンツェ(イタリア)の欧州大学院大学(the European University Institute)名誉教授(公共政策学).EUに関する理論研究の大家で,とくにEUにおける規制ガバナンス研究で著名.主要業績として,Europe as the Would-Be World Power: The EU at Fifty(Cambridge University Press, 2009),Dilemmas of European Integration:The Ambiguities and Pitfalls of Integration by Stealth(Oxford University Press, 2005),Regulating Europe(Routledge, 1996)などがある.

庄司克宏(しょうじ かつひろ)
1957年生.慶應義塾大学大学院法務研究科教授/ジャン・モネEU研究センター所長.日本EU 学会元理事長.2002年,欧州委員会よりジャン・モネ・チェア授与.2009-10年,外務省日EU関係有識者委員会委員.専門分野は,EUの法と政策.現在の研究テーマは,EUガバナンスの法制度的研究など.著書に『欧州連合 統治の論理とゆくえ』(岩波新書),『新EU法基礎篇』,『新EU法政策篇』(以上,岩波書店),『欧州の危機――Brexit ショック』(東洋経済新報社),『はじめてのEU法』(有斐閣)ほか.
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