欧州統合は行きすぎたのか (下)

国民国家との共生の条件

EU理論研究の大家が,統合手法の失敗の本質と歴史的経緯(上巻)と国民国家の重要性をふまえた新しい統合手法(下巻)を論じる.

欧州統合は行きすぎたのか (下)
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著者 G.マヨーネ , 庄司 克宏 監訳
ジャンル 書籍 > 単行本 > 政治
刊行日 2017/10/26
ISBN 9784000612258
Cコード 0031
体裁 四六 ・ 上製 ・ カバー ・ 248頁
定価 本体3,200円+税
在庫 在庫あり
統合の拡大と深化が行きすぎたから,ユーロやEUは危機に直面したのか.統合手法の誤りとは何か.オルタナティブはあるのか――下巻では国民国家の重要な役割をふまえ,従来のトップダウンによる画一的な統合に代わる新しい統合手法を論じる.EU論の第一人者が説得的に提示する欧州の未来.
第六章 「民主主義の赤字」から「民主主義の不履行」へ?――ユーロ危機の規範的側面
欧州議会――EUの正当性の問題に対する形式だけの解決/「テスモス」と「ノモス」の間の欧州法/「国民投票の脅威」/実効性と正当性/説明責任の赤字/民主主義の「不履行」に直面して/集団責任

第七章 “More Europe”
好機としての危機/社会的欧州/同じことの繰り返し? 時代遅れの共同体方式/緊密化協力/“More Europe”の予期せぬ帰結

第八章 リーダー不在の欧州の限界
EUの平等原則/集団的政策決定のコスト/三種類のリーダーシップ/リーダーシップと信頼/リーダーを自負するコミッション/リーダー不在の欧州の「共通」外交政策/ユーロ危機と不本意な覇権国の問題/EUの変容

第九章 協調と競争による統合
「欧州の奇跡」/協調と競争/退出と発言による競争/競争の安定には監視が必要――超国家的機関の新たな役割/地域統合モデルの競合/裁判外紛争解決 対 法中心主義/コミットメントと資源

第一〇章 グローバリゼーションおよび地域統合と国民国家
国民国家よさらば?/競争における国家の優位/統合深化に至る競争/超統合のトリレンマ/通貨同盟後の説明責任/欧州統合――集合財から「クラブ財」へ

監訳者解説
文 献
索 引


【上巻目次】
序 章 さまざまな地域統合
第一章 メタファーとしての通貨同盟
第二章 まったくの楽観主義の政治文化――その興亡
第三章 統合とそのモード
第四章 統合の深化――取引費用と社会政治的な限界
第五章 欧州統合と政経分離
文 献
G.マヨーネ(Giandomenico Majone)
1932年生.フィレンツェ(イタリア)の欧州大学院大学(the European University Institute)名誉教授(公共政策学).EUに関する理論研究の大家で,とくにEUにおける規制ガバナンス研究で著名.主要業績として,Europe as the Would-Be World Power: The EU at Fifty(Cambridge University Press, 2009),Dilemmas of European Integration:The Ambiguities and Pitfalls of Integration by Stealth(Oxford University Press, 2005),Regulating Europe(Routledge, 1996)などがある.

庄司克宏(しょうじ かつひろ)
1957年生.慶應義塾大学大学院法務研究科教授/ジャン・モネEU研究センター所長.日本EU 学会元理事長.2002年,欧州委員会よりジャン・モネ・チェア授与.2009-10年,外務省日EU関係有識者委員会委員.専門分野は,EUの法と政策.現在の研究テーマは,EUガバナンスの法制度的研究など.著書に『欧州連合 統治の論理とゆくえ』(岩波新書),『新EU法基礎篇』,『新EU法政策篇』(以上,岩波書店),『欧州の危機――Brexit ショック』(東洋経済新報社),『はじめてのEU法』(有斐閣)ほか.
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