世界 2017年11月号

特集1:北朝鮮危機 特集2:誰のための働き方改革?

世界 2017年11月号
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ジャンル 雑誌 > 世界 > 定期号
刊行日 2017/10/08

■特集2:誰のための働き方改革?

 いま,私たちの働き方が問われている.
 日本社会に深く浸透した異常な長時間労働は,働く者の心身を蝕み,家庭やコミュニティの基盤を崩し,社会を劣化させる.電通の新入社員,高橋まつりさんが2015年12月に過労自殺をした事件は,この社会の働き方の歪みを,もっとも深刻な,決して取り返しのつかない形で,告発した.2016年度に過労死と労災認定されたのは107人,過労自殺(未遂含む)は84人となっている.このような事態を,一刻も早く是正しなければならない.
 だが,「働き方改革」を進める政府の基本的な発想は,「生産性の向上」である.残業代ゼロ制度=「高度プロフェッショナル制度」の導入や,裁量労働制の拡大は,さらなる長時間・過密労働をもたらしかねない.
 いったい誰のため,何のための「働き方改革」なのか.経済効率優先の論理だけで「働き方改革」を語る,その構えこそが根本から問い直されなければならないのではないか.

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┃特集1┃北朝鮮危機――解決策は対話しかない
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〈打開策を探る〉
持久戦覚悟の粘り強い対話しか道はない                    
平井久志(ジャーナリスト)

〈緊急討論会記録〉
北朝鮮危機と日本のなすべきこと
村山富市,小此木政夫,伊豆見元,美根慶樹,李鍾元,
吉田 進,小牧輝夫,木宮正史,和田春樹

〈韓国の苦悩〉
「リアルな問題」になった北朝鮮の核と韓国の選択           
李南周(聖公会大学),訳=青柳純一

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◆注目記事1
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〈10・22総選挙〉
「憲法蹂躙」政権への審判――解散の憲法問題をめぐって
高見勝利(上智大学名誉教授)

壊れる論戦――国会の「質」を問う選挙               
南 彰(朝日新聞)

片山善博の「日本を診る」(96)
――臨時国会冒頭解散と「高度の政治性」への疑問
片山善博(早稲田大学)

〈ウソを見破れ〉
フェイクニュースとの闘い――ファクトチェックの現在
立岩陽一郎(ジャーナリスト)

〈脳力のレッスン187 特別篇〉
ウィーンから考える北朝鮮問題と中東・エネルギー地政学
寺島実郎

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┃特集2┃誰のための働き方改革?
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〈時間の公共性〉
なんのための労働時間短縮なのか                                     
浅倉むつ子(早稲田大学)

〈インタビュー〉
働く者の声を反映した改革こそ必要だ                
神津里季生(連合会長)

〈奇妙な構図〉
「働き方改革」はなぜ若者に支持されるのか?
今野晴貴(POSSE 代表)

〈座談会〉
過重労働の現場から――運輸・建設業界の「働き方改革」は?
河山和夫(仮名・建設労働者),樋渡一巳(長距離トラックドライバー),
山田光一(仮名・元ヤマト運輸セールスドライバー), 横田増生(フリージャーナリスト)

〈むしろ規制緩和〉
この「改革」で過労死はなくならない
森岡孝二(関西大学名誉教授)

〈対談〉
過労に殺される医師たちを見つめて――労働者としての権利を考える
中原のり子(東京過労死を考える家族の会代表)×植山直人(全国医師ユニオン代表)

〈〈起業〉とは〉
「労働依存」からの解放――労働の多様化と多元化
新 雅史(東洋大学)

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◇世界の潮
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◇ロヒンギャ難民を政治的に利用するプレイヤーたち
竹田いさみ

◇日本は主権を取り戻せるか――沖縄が迫る地位協定改定
前泊博盛

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◆注目記事2
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〈「核のごみ」問題〉
最終処分地を住民参加で決める――模索してきたドイツの試み
ふくもとまさお(ジャーナリスト)

〈座談会〉
“命の大切さ”は,誰が教えるのか
藤井誠二(ルポライター)×名越康文(精神科医)×松原拓郎(弁護士)×武田さち子(教育評論家)

〈地べたからの報告〉
反緊縮を進める欧州左派――イギリスからの示唆
ブレイディみかこ(英国在住保育士)

〈揺らぐ権利〉
出版文化と著作権(上)――デジタル化とネットワーク化の進展の中で
吉田大輔(著作権情報センター)

〈インタビュー〉
どんな人の中にもある「人の強さ」を描きたい
――「慰安婦」問題を自分の問題として受けとめるために
石原燃(劇作家),聞き手=岡本有佳(編集者)

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●連載
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●吉田調書を超えて【第4回】
――原発事故収束の限界性
太田昌克(共同通信)

●〈周縁〉の「小さなアメリカ」【第2回】
変わりゆく黒人たちの〈抵抗〉――藤永康政との対話
中村 寛(多摩美術大学)

●アパレル興亡【第3回】
黒木 亮(作家)

●日 没【第5回】
桐野夏生(作家)

●海の底から【第12回】
金石範(作家)

●私的小豆島名所【その29】
内澤旬子(イラストルポライター)

●神を捨て、神になった男 確定死刑囚・袴田巖【第9回】
――「警察の取調べは強引で,全部虚」
青柳雄介(ジャーナリスト)

●原発月報【第30回】
17・08~09
福島原発事故記録チーム

●それぞれの出ウチナー記 海を越えるアイデンティティー【第3話】
三山喬(ジャーナリスト)

●中国新建築文化論【第7回】
「保障性住宅」とは何か?――北京・呉家場住宅小区の実験
市川紘司(東京藝術大学)

●イングリッシュ・レッスン――お試し難民流英語学習伝【17】
――母語と母国語
中村和恵(明治大学)

●メディア批評【第119回】
神保太郎(ジャーナリスト)

●沖縄(シマ)という窓――記憶をつなぎ記録する伊江島LCT事件の検証
山城紀子(フリーライター)

●世界論壇月評
朱建栄・竹田いさみ・吉田文彦・石郷岡建

●ドキュメント激動の南北朝鮮(243)
編集部

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○グラビア
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○グラビア――公募作品161
わたしとは。―― who I am ――
松田嵩範(カメラマン)

○A SHOT OF THE WORLD

○表紙の言葉
鈴木邦弘(写真家)

○表紙写真= 鈴木邦弘 デザイン= 赤崎正一+ 佐野裕哉

○グラビアについて(公募規定)

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◇編集後記
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