メディア不信

何が問われているのか

メディア不信
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著者 林 香里
通し番号 新赤版 1685
ジャンル 書籍 > 岩波新書 > 情報・メディア
刊行日 2017/11/21
ISBN 9784004316855
Cコード 0236
体裁 新書 ・ 256頁
定価 本体840円+税
在庫 在庫あり
「フェイクニュース」「ポスト真実」が一気に流行語となり,世界同時多発的にメディアやネットの情報の信憑性に注目が集まる時代.権威を失いつつあるメディアに求められるプロフェッショナリズムとは? 市民に求められるリテラシーとは? 独英米日の報道の国際比較研究を通して民主主義を蝕む「病弊」の実像と課題を追う.
序 章 「メディア不信」――何が問題か
 世界同時多発する「メディア不信」
 社会現象としての「メディア不信」
 「メディア」とはだれか
 「信頼」と「不信」
 「慣れ親しみ」
 二通りの「メディア不信」
 民主主義の否定

第1章 「うそつきプレス!」――ドイツの右翼グループの台頭
 マスメディアへの厚い信頼
 ドイツのメディア制度の特色
 「うそつきプレス」が「イケない言葉」に
 ユダヤ人陰謀説とナチスによる弾圧
 右傾化と「うそつきプレス」
 難民問題でつまずいたジャーナリズム
 ジャーナリズムの職業倫理との葛藤
 改正されたプレス・コードのガイドライン
 右傾化ドイツのジャーナリズムの行方

第2章 大衆紙の虚報とBBCの公平性――英国のEU離脱決定
 EU離脱
 EUとメディア
 ネットよりも低い新聞への信頼度
 EU離脱キャンペーンと「フェイク・ニュース」
 大衆紙の影響力
 分断される社会,戸惑う一般市民
 BBCは何をしていたのか
 BBCの「公平性」への回帰
 階級社会から生まれる「メディア不信」

第3章 大統領が叫ぶ「フェイク・ニュース!」――分裂する米国社会
 米国のメディア理念
 「ジャーナリスト=エリート層」の定着
 下降する信頼度
 トランプ大統領とマスメディア
 大統領選中に広がった「フェイク・ニュース」
 「おまえは,フェイク・ニュース!」
 分裂する言論空間
 「ディープ・ステイト」陰謀説
 リベラル・ジャーナリズムの失敗

第4章 静かな「メディア不信」――日本のメディア無関心
 日本の新聞市場の特徴
 地上波テレビ局の覇権
 日本人はメディアを信頼しているか
 「マイ・メディア」のない国
 弱いメディアへの問題意識
 漠然とした不信
 メディアと市民の距離
 薄い市民の影
 日本のメディアの党派性
 『産経新聞』と読者の関係
 右派「草の根」運動とメディア
 左派の市民運動とメディア
 「老舗」の危機とメディアの将来

第5章 ソーシャル・メディアの台頭――揺らぐ先進諸国の民主主義
 広がりながら閉じていくネット空間
 ソーシャル・メディアによる社会の分断
 フェイスブックを使った心理操作
 フェイスブックから割り出される人物像
 「マイクロ・プロパガンダ」
 億万長者の影
 「ボット(bot)」の繁殖
 「ファクト・チェック」の限界
 マスメディアの地盤沈下と揺らぐ民主主義

終 章 ポピュリズムと商業主義に蝕まれる「言論空間」
 ポピュリズム運動が招いた不信
 「リベラルな民主主義」の矛盾と相克
 危うい日本の無関心
 商業主義への懸念
 「メディア不信」を乗り越える
 メディアがつくる「公共」の必要性
 ポジティヴな不信へ

あとがき
主要引用・参考文献
林 香里(はやし かおり)
1963年名古屋市生まれ.ロイター通信社東京支局記者,東京大学社会情報研究所助手,ドイツ,バンベルク大学客員研究員を経て,現在,東京大学大学院情報学環教授.
専門:ジャーナリズム/マスメディア研究.
2016年4月から2017年3月まで,ノースウェスタン大学,ロンドン大学,ベルリン自由大学客員研究員.
著書―『〈オンナ・コドモ〉のジャーナリズム――ケアの倫理とともに』(岩波書店,2011年,第4回内川芳美記念マス・コミュニケーション学会賞受賞),『テレビ報道職のワーク・ライフ・アンバランス――13局男女30人の聞き取り調査から』(谷岡理香と共編著,大月書店,2013年)

書評情報

週刊新潮 2018年1月18日号
日本経済新聞(朝刊) 2017年12月21日
読売新聞(夕刊) 2017年12月18日
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