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東電原発裁判

福島原発事故の責任を問う

東電原発裁判
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著者 添田 孝史
通し番号 新赤版 1688
ジャンル 書籍 > 岩波新書 > 社会
刊行日 2017/11/21
ISBN 9784004316886
Cコード 0236
体裁 新書 ・ 224頁
在庫 在庫あり
2017年春,司法が大きな一歩を踏み出した.福島原発事故における東京電力の刑事責任を問う初公判が開かれたのである.検察が持つ膨大な証拠やデータで明かされる事実とは何か.津波の予見は不可能とする被告の主張は真実なのか.各地で継続中の民事訴訟とともに,未曽有の事故をめぐる一連の裁判をレポートする.
はじめに

第1章 始まった裁判
 初公判
 全面否認の東電幹部
 冒頭陳述とメールから新たにわかったこと
 「単なる試算」「職務権限はなかった」被告弁護側の主張
 被告三人の横顔
 凄腕刑事弁護士 vs ヤメ検
 初公判まで六年 長い道のり
 不十分だった事故調の空白を埋められるか

第2章 2008年の「衝撃」
 刑事裁判の争点
 二〇〇二年七月三一日 地震本部の長期評価
 日本海溝の巨大津波
 二〇〇六年五月一一日 溢水勉強会 津波は全電源喪失を引き起こす
 二〇〇六年九月一九日 耐震指針改訂 バックチェック開始
 二〇〇七年七月一六日 新潟県中越沖地震 東電の二期連続赤字
 二〇〇七年一一月一日 いったんは進み始めた津波対策
 二〇〇八年三月一八日 一五・七〇七メートルの衝撃
 二〇〇八年八月以降 延期されたバックチェック
 二〇一一年三月七日

第3章 消された報告書
 調査が進んだ津波堆積物
 バックチェック中間報告
 女川原発で進んでいた津波バックチェック
 政府も計算済みだった貞観地震と津波地震
 JNES報告書からわかる三つのこと
 隠されていた二つの報告書
 プルサーマル推進の陰で
 どこで情報は滞ったのか
 「頭の体操」どころではなかった二〇一〇年の東電
 検察は東電をかばったのか

第4章 前橋地裁判決
 画期的な判決
 判決のポイント
 時代をさかのぼって責任検証
 官僚の証言
 国の責任
 被害の実態を浮かび上がらせる
 救済の線引きを変える 政策転換への動き
 民事訴訟の限界

第5章 科学の「不確実さ」,司法は裁けるか
 トップ科学者三人の応酬
 「安全側」か「工学的判断」か 不確実さの取り扱いの変遷
 「不確実さ」を取り扱う難しさ
 東北電力と東電 不確実さへの対応の違い 不確実さへの余裕の違い 揺れと津波
 不確実さを数値で扱う安全目標
 確率論的リスク評価
 中央防災会議 不確実さの扱いの差
 専門家たちの事実誤認
 科学は中立か 利益相反の問題

第6章 残された課題
 2号機,3号機の炉心溶融は防げた 事故後の対処ミス
 甲状腺がんの増加
 福島県の検証
 企業の罪を問う難しさ
 事故調調書の開示
 消されていく文書
 危うい電子化
 教訓をどう伝えるか

おわりに
添田孝史(そえだ たかし)
1964年生まれ.大阪大学大学院基礎工学研究科修士課程修了.サイエンスライター.1990年朝日新聞社入社,大津支局,学研都市支局を経て,大阪本社科学部,東京本社科学部などで科学・医療分野を担当.2011年に退社,以降フリーランス.1997年から原発と地震についての取材を続け,東電福島原発事故の国会事故調査委員会では協力調査員として津波分野の調査を担当した.著書に『原発と大津波警告を葬った人々』(岩波新書,2014)がある.

書評情報

週刊エコノミスト 2018年3月13日

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