ひきこもりの国民主義

「パックス・アメリカーナの終焉」に直面してなお,アメリカの「下請けの帝国」の 地位にしがみつく日本.その精神構造に切り込む.

ひきこもりの国民主義
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著者 酒井 直樹
ジャンル 書籍 > 単行本 > 哲学
刊行日 2017/12/08
ISBN 9784000245326
Cコード 0010
体裁 四六 ・ 上製 ・ カバー ・ 304頁
定価 本体2,800円+税
在庫 在庫あり
国民主義や植民地主義の思想はいかにして克服可能か.長年この難題と格闘してきた著者による待望の新著.戦後「日本」の言説に潜む帝国意識や人種主義.その精神構造を,いびつな日米関係や学知のあり方から分析し,突き崩す.世界に蔓延する自国第一主義を批判的に越えるための必読書.
まえがき

第一章 〈ふれあい〉の政治
 〈ふれあい〉の比喩
 情熱と身体
 同情と共感
 権力と情動

第二章 歴史と責任――昭和史論争について(葛西弘隆 訳)
 ネイションの訳し方
 脱植民地化と歴史
 『昭和史』と非国民の存在

第三章 「あなた方アジア人」――西洋/アジアの二項対立の歴史的役割について(葛西弘隆 訳)
 西洋人のための「アジア」
 過剰決定される「西洋」と「流出論」の近代
 「戦後天皇制言説」と人種主義の否認
 呼格としてのアジア人――「あなた方アジア人」

第四章 フーコーの声を反響させつつ外人の群衆によびかけること 酒井直樹、ジョン・ソロモン 著(葛西弘隆 訳)
 ミシェル・フーコーの「東洋」との対話
 西洋の脱臼(Dislocation of the West)
 翻訳の生政治と文明論的差異

第五章 パックス・アメリカーナの終焉とひきこもりの国民主義――西川長夫の〈新〉植民地主義論をめぐって
 はじめに
 パックス・アメリカーナの終焉とひきこもりの国民主義
 パックス・アメリカーナの成立と日本の国民主義
 脱植民地化と「下請けの帝国」
 帝国の喪失と恥の体験
 帝国の喪失と「ひきこもり」の国民主義
 「ひきこもり」の国民主義と恥という主体的技術
 慰安婦問題と恥の現象学
 恥の社会性へ向かって

第六章 「無責任の体系」三たび
 協調性の精神と仲よしの間柄
 「亡くなった方々への責務」という修辞
 『硫黄島からの手紙』
 国民主義の偽宗教性

あとがき
初出一覧
酒井直樹(さかい なおき)
1946年生まれ.シカゴ大学で博士号を取得.現在,コーネル大学人文学部教授.専門は日本思想史,思想史,翻訳理論,国民主義研究.主著にVoices of the Past(コーネル大学出版会;日本語訳,以文社),『日本思想という問題』(岩波書店),Translation and Subjectivity(ミネソタ大学出版会),『死産される日本語・日本人』(新曜社;講談社)など.

書評情報

新潟日報 2018年2月11日
沖縄タイムス 2018年2月10日
熊本日日 2018年2月4日
北海道新聞 2018年1月28日
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