観の目

ベルクソン『物質と記憶』をめぐるエッセイ

深くものを知るとは何か.本当に勝つとはいかなることか.ベルクソンと宮本武蔵の思索を手がかりに,読者の人生観へと問いかける.

観の目
著者 渡仲 幸利
ジャンル 書籍 > 単行本 > 哲学
刊行日 2017/12/13
ISBN 9784000612395
Cコード 0010
体裁 四六 ・ 上製 ・ カバー ・ 158頁
定価 2,200円
在庫 在庫あり
「経験の根源へと経験を探しに行く」(ベルクソン).「我事に於て後悔せず」(宮本武蔵).哲学者と剣術家はともに,知覚を深め,行動の可能性を開拓する精神の努力に生涯を捧げた.深くものを知るとは何か.本当に勝つとはいかなることか.ベルクソンの「直観」と武蔵の「観の目」を手がかりに,読者の人生観へと問いかける魂のエッセイ.
「観の目」とぼく

『物質と記憶』とぼく

観の目

第一章 ものを知るにはさまざまな深さがある
 一 達人
 二 直観という方法
 三 「汝自身を知れ」
 四 相反するソクラテスとプラトン
 五 ソクラテス色のイデア論
 六 虫の知らせ
 七 事実に耐えるベルクソン
 八 脳にしばられない精神
 九 脳の役割
 一〇 詩の暗誦あるいは認識のふたつの形
 一一 反復したがらない記憶

第二章 「見の目」から「観の目」へ
 一二 時間のなかをじかに歩く
 一三 見知らぬ町を散歩する
 一四 故郷の発見
 一五 宮本武蔵とベルクソン
 一六 記憶はどこに存在しているか
 一七 注意深く知覚するとなにが変わるか
 一八 過去をさかのぼる努力

第三章 この世界は幻ではない
 一九 雑音をことばへと化すもの
 二〇 観の目のプレリュード
 二一 こころの耳
 二二 武蔵はわが身ひとつで戦った
 二三 ベルクソンの動機
 二四 知覚することは存在すること
 二五 記憶は脳を越えている
 二六 実在の異質性のなす合唱
 二七 『物質と記憶』という戦い

おわりに
渡仲幸利(となか ゆきとし)
1964年,静岡県生まれ.慶應義塾大学文学部卒業(フランス文学専攻).ベルクソン研究・音楽評論.著書に『グレン・グールドといっしょにシェーンベルクを聴こう』(春秋社,2001年),『新しいデカルト』(春秋社,2006年).
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