ホロコーストと戦後ドイツ

表象・物語・主体

戦後の忘却を経て現在にまで続く「ホロコースト・ブーム」の謎を,ドイツの国民形成の物語として解き明かす.

ホロコーストと戦後ドイツ
著者 高橋 秀寿
ジャンル 書籍 > 単行本 > 歴史
刊行日 2017/12/21
ISBN 9784000247993
Cコード 0022
体裁 四六 ・ 上製 ・ カバー ・ 262頁
定価 3,080円
在庫 在庫あり
戦後長らくドイツ国内で沈黙され,抑圧され,忘却されていたホロコースト.なぜ30年以上の歳月を経たのちに「発見」され,その想起が政治・社会・文化的な「ブーム」として全世界に広がり,現在にまで続いているのか.その背景と原因を,ドイツにおけるナショナル・アイデンティティの変容を辿りながら詳細に論じてゆく.
はじめに

第1章 ホロコーストの発見と反応
 第1節 アメリカとホロコーストの物語
 第2節 ドイツ人の反応―― 「犠牲者物語」から「犠牲者共同体」へ
 第3節 アンネ・フランク現象

第2章 一九六〇年代以降におけるホロコーストの記憶・表象・物語
 第1節 啓蒙活動――写真集・ドキュメンタリー・歴史ドラマ
 第2節 啓蒙活動におけるホロコーストの表象と物語
 第3節 アウシュヴィッツ裁判とその物語
 第4節 「六八年」とホロコースト

第3章 『ホロコースト』から「ホロコースト」へ
 第1節 『ホロコースト』――物語の構造と反応
 第2節 ホロコースト映画の成立
 第3節 ホロコーストの記憶の空間化
 第4節 “Holocaust” から“Holokaust”へ

第4章 ホロコースト・モデルの確立と国民形成
 第1節 新しい歴史的主体とその身体
 第2節 新しい歴史的主体と社会構造の変化
 第3節 ホロコースト・モデル

おわりに
あとがき


索 引
高橋秀寿(たかはし ひでとし)
1957年宮城県生まれ.立命館大学大学院文学研究科博士課程後期単位取得退学.文学博士.立命館大学文学部教授.ドイツ現代史・記憶文化論.
著書に『再帰化する近代――ドイツ現代史試論』(国際書院,1997年),『ナショナル・アイデンティティ論の現在』(共編,晃洋書房,2003年),『東欧の20世紀』(共編,人文書院,2006年),『グローバリゼーションと植民地主義』(共編,人文書院,2009年)など.

書評情報

西洋史学 269号(2020年)
歴史評論 2019年5月号(評者:今井宏昌さん)
ドイツ研究第53号 2019年
図書新聞 2018年7月7日
公明新聞 2018年4月2日
週刊金曜日 1169号(2018年1月26日号)
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