治安維持法と共謀罪

今こそ検証したい戦後の大いなる矛盾

治安維持法と共謀罪
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著者 内田 博文
通し番号 新赤版 1689
ジャンル 書籍 > 岩波新書 > 法律
刊行日 2017/12/20
ISBN 9784004316893
Cコード 0232
体裁 新書 ・ 256頁
定価 本体840円+税
在庫 在庫あり
戦前回帰の企てが顕著になっている。治安維持法は市民刑法から治安刑法への転換の象徴であった。日本国憲法のもと、治安維持法下の諸制度は、法の廃止に逆らい、「戦時の衣」を「平時の衣」に切り替え、例外から原則の制度に逆転し、むしろ拡大した。共謀罪が新設され、大きく変容する日本の刑事法を問う。
はじめに

第一章 拡大し続ける規制
 1 治安維持法の制定――大正十四年
 2 緊急勅令という禁じ手――昭和三年改正
 3 改正の放棄と拡大解釈――昭和九年および十年
 4 新治安維持法――昭和十六年改正
 5 治安維持法の廃止と公安条例

第二章 市民刑法と治安刑法
 1 戦前における刑法の歩み
 2 無視される基本原則
 3 ずさんな事実認定と死刑の導入

第三章 戦時から平時へ
 1 検察官司法の温存
 2 捜査官の強制処分権
 3 捜査官作成の自白調書
 4 裁判(官)統制
 5 弁護活動の規制

第四章 「犯罪の予防」と「犯罪者の更生」
 1 戦後の「転向」政策
 2 施設と社会での保安処分

第五章 共謀罪――平成の治安維持法
 1 四度目の正直
 2 無限定な要件
 3 懸念される拡大適用
 4 危機にある日本
内田博文(うちだ ひろふみ)
1946年大阪府堺市生まれ.京都大学大学院法学研究科修士課程修了.現在,九州大学名誉教授,神戸学院大学法学部教授.専門は刑事法学(人権),近代刑法史研究.主な単著に『刑法学における歴史研究の意義と方法』(九州大学出版会),『ハンセン病検証会議の記録』(明石書店),『日本刑法学のあゆみと課題』(日本評論社),『刑事判例の史的展開』,『自白調書の信用性』,『更生保護の展開と課題』(以上,法律文化社),『刑法と戦争――戦時治安法制のつくり方』『治安維持法の教訓――権利運動の制限と憲法改正』(以上,みすず書房)など.

書評情報

歴史地理教育 2018年4月号
図書新聞 2018年3月31日
北海道新聞 2018年3月4日
東京新聞 2018年2月18日
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