中国政治の社会態制

断層性と安定性を兼ね備えた中国社会の基底構造を踏まえ,現代中国の可変性と不変性を解明する.

中国政治の社会態制
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著者 天児 慧
ジャンル 書籍 > 単行本 > 政治
刊行日 2018/01/25
ISBN 9784000238939
Cコード 3031
体裁 A5 ・ 上製 ・ カバー ・ 304頁
定価 本体4,700円+税
在庫 在庫あり
中国という巨大な隣国は,いかにして二千年もの長期にわたり,幾多の動乱や変転を経ながらも,統一性を保持してきたのか? 中国史の長期的な動態・静態的構造には,幹部と民衆,関係と制度,都市と農村,政治と経済という四つの断層性があった.中国社会の基底構造を踏まえ現代中国の可変性と不変性のメカニズムを解明する.
はじめに 中国研究半世紀の歩み――地域研究の模索

第一章 地域研究の方法と現代中国研究
 問題の提起――地域研究は死滅に向かっているのか
 一 地域研究再構築に向けて――地勢と文化と社会構造からのアプローチ
 二 分析方法論としての基底構造論アプローチ
 三 中国における基底構造Ⅰ――四つの大規模性
 四 中国における基底構造Ⅱ――四つの断層性
 五 現代の重断層性と将来像をいかに理論化するか
 六 深層構造(関係性)の分析枠組み

第二章 社会と国家の緊張関係
 問題の提起
 一 改革開放前期(二棚棚一年以前)の社会――進む単位社会と人民公社の解体
 二 WTO加盟の国家―社会関係への衝撃
 三 インターネット産業の発展とライフスタイルの変化
 四 放置された非正常な社会問題
 五 自立し始める市民,爆発する民衆――市民・民衆VS権力

第三章 中央・地方関係から見た動態的政治構造
 問題の提起
 一 中央・地方関係と地方のガバナンス――規模の統治論
 二 歴史の中の制度的な中央・地方――層級制と変動のサイクル
 三 社会主義体制下の中央―地方関係
 四 地方への集権化から党政合一論への逆流
 五 財政請負制から分税制移行期の中央・地方関係
 六 地方保護主義の広がり

第四章 体制維持のガバナンス――軍と警察,ナショナリズム
 問題の提起
 一 統治の物理的基礎=軍と警察権力
 二 統治のイデオロギー的基礎=中華ナショナリズムの台頭と鼓舞

第五章 歴史から見た政治体制の構造
 問題の提起
 一 歴史の中の毛沢東型統治体制――伝統型国家との連続性
 二 伝統的国家との不連続性
 三 一党指導の国家・社会コントロールの制度とメカニズム
 四 改革開放期における党国家体制の変わらぬ部分

第六章 中国共産党型政治体制論――カスケード型権威主義体制
 問題の提起――どのように政治体制の変容を考えるか
 一 揺れ動く新権威主義と民主化の狭間
 二 伝統思想から解釈する中国共産党体制論
 三 「関係」(クワンシー),「圏子」を基礎にした政治秩序と社会秩序

第七章 習近平体制の戦略と指導基盤
 一 習近平指導体制の形成
 二 習近平の長期戦略

おわりに 中国はどこへ行く


あとがき
天児 慧(あまこ さとし)
1947年生,早稲田大学教育学部卒,東京都立大学法学修士,一橋大学社会学博士学位取得.琉球大学,共立女子大学,青山学院大学を経て,2002年より早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授.以後早稲田大学大学院アジア太平洋研究科長,アジア太平洋研究センター長,グローバルCOE「アジア地域統合のための世界的人材育成拠点」拠点リーダー,早稲田大学アジア研究機構現代中国研究所所長,人間文化研究機構・現代中国地域研究プログラム代表など歴任.
〈著書〉
『現代中国政治変動論序説』アジア政経学会,1984年
『中国革命と基層幹部――内戦期の政治動態』研文出版,1984年
『中国改革最前線――鄧小平政治のゆくえ』岩波新書,1988年
『中国――溶変する社会主義大国』東京大学出版会,1992年
『鄧小平――「富強中国」への模索』岩波書店,1996年
『現代中国――移行期の政治社会』東京大学出版会,1998年
『中国とどう付き合うか』NHKブックス,2003年
『巨龍の胎動(中国の歴史シリーズ第11巻)』講談社,2004年
『中国・アジア・日本――大国化する「巨龍」は脅威か』ちくま新書,2006年
『中華人民共和国史』岩波新書,1999年,新版2013年

書評情報

週刊エコノミスト 2018年5月15日号
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