戦争と性暴力の比較史へ向けて

女性のエイジェンシー(行為主体性)を否定せずに戦争と性暴力を問題化することはいかに可能か.

戦争と性暴力の比較史へ向けて
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著者 上野 千鶴子 , 蘭 信三 , 平井 和子
ジャンル 書籍 > 単行本 > 歴史
刊行日 2018/02/23
ISBN 9784000612432
Cコード 0020
体裁 四六 ・ 上製 ・ カバー ・ 384頁
定価 本体2,900円+税
在庫 在庫あり
戦争における性暴力を当然視・許容する語りに抗しつつ,また,生存戦略として行使される女性のエイジェンシー(行為主体性)を否定せずに,戦争と性暴力を問題化することはいかに可能か.性暴力当事者間の関係性のグラデーション(敵味方/同盟国/占領地/植民地,強姦/売買春/取引/恋愛/結婚)に注目し,さまざまな時代背景のなかでどのような加害・被害の語りが社会的に許容されるか,また,時期によって語りと聞き取りがいかに変遷するかを,さまざまな事例を比較して分析する.
はじめに……………編 者
序 章 戦争と性暴力の比較史の視座……………上野千鶴子


第Ⅰ部 「慰安婦」の語られ方

第1章 韓国の「慰安婦」証言聞き取り作業の歴史――記憶と再現をめぐる取り組み……………山下英愛
第2章 「強制連行」言説と日本人「慰安婦」の不可視化……………木下直子
第3章 日本軍「慰安婦」制度と性暴力――強制性と合法性をめぐる葛藤……………岡田泰平
第4章 兵士と男性性――「慰安所」へ行った兵士/行かなかった兵士……………平井和子


第Ⅱ部 語り得ない記憶

第5章 セックスというコンタクト・ゾーン――日本占領の経験から……………茶園敏美
第6章 語り出した性暴力被害者――満洲引揚者の犠牲者言説を読み解く……………猪股祐介
第7章 引揚女性の「不法妊娠」と戦後日本の「中絶の自由」……………樋口恵子
第8章 ナチ・ドイツの性暴力はいかに不可視化されたか――強制収容所内売春施設を中心として……………姫岡とし子


第Ⅲ部 歴史学への挑戦

第9章 性暴力と日本近代歴史学――「出会い」と「出会いそこね」……………成田龍一
第10章 戦時性暴力被害を聞き取るというこ――『黄土の村の性暴力』を手がかりにと……………蘭信三
第11章 戦争と性暴力――語りの正統性をめぐって……………佐藤文香


あとがき……………編者
文献一覧
上野千鶴子(うえの ちづこ)
1948年生.東京大学名誉教授,認定NPO法人ウィメンズ・アクション・ネットワーク(WAN)理事長.専門:社会学,ジェンダー研究.著書:『ナショナリズムとジェンダー』(青土社,1998年,新版:岩波現代文庫,2012年),『ケアの社会学――当事者主権の福祉社会へ』(太田出版,2011年)ほか.

蘭 信三(あららぎ しんぞう)
1954年生.上智大学総合グローバル学部教授.専門:歴史社会学,戦争社会学.著書・論文:『帝国以後の人の移動――ポストコロニアリズムとグローバリズムの交錯点』(編著,勉誠出版,2013年),「オーラルヒストリーの展開と課題」(大津透ほか編『岩波講座日本歴史第21巻』岩波書店,2015年所収)ほか.

平井和子(ひらい かずこ)
1955年生.一橋大学社会学研究科非常勤講師.専門:近現代女性史,ジェンダー史.著書・論文:『日本占領とジェンダー――米軍・売買春と日本女性たち』(有志舎,2014年),「米軍占領下の日本におけるジェンダー・ポリティクス」(『歴史評論』2016年8月号)ほか.

書評情報

佐賀新聞 2018年4月22日
Women's Action Network 2018年4月16日
日本海新聞 2018年4月8日
山形新聞 2018年4月8日
大阪日日新聞 2018年4月8日
琉球新報 2018年4月8日
愛媛新聞 2018年4月8日
信濃毎日新聞 2018年4月8日
沖縄タイムス 2018年4月7日
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