-
2018.03.12
生命の起源はどこまでわかったか
深海と宇宙から迫る
いまだ謎とされる地球生命の起源.謎解きに挑む研究者たちはなぜ深海と宇宙に注目するのか.
地球生命はいつどこでどのように生まれたか.何十億年前に自然発生,いやいや宇宙から飛来した? いまなお最大級の謎だ.その解決の鍵を握るとされるのが深海と宇宙.まさに地と天の極限に何があるのか.意外な共通点から浮かび上がる原始生命の必須条件とは? 謎解きに果敢に挑む研究者たちの熱い思いが伝わってくる.〈4色刷〉
はじめに
第1章 深海に私たちのはじまりを探して
深海熱水活動域が生命の故郷といわれる理由
インド洋かいれいフィールドで初期生命生態系の生き残り「ハイパースライム」に出会った
ハイパースライムが存在する条件「ウルトラH3リンケージ仮説」の最後のピースを埋める
初期生命を維持できるだけの水素はあったのか?深海熱水環境を再現して検証
ハイパースライムはかいれいフィールドにしかいないのか
岩石─水─生命の化学相互作用を解き暗黒の生態系の組成や量を予測可能に
JAMSTECモデル──生命誕生の場と初期の生命生態系の姿にたどり着いた
第2章 地球生命はこうして生まれた
地球生命は、いつ、どこで、つくられていったのか
原始の海で生命の材料をつくったのは深海熱水噴出孔の発電現象か
電気化学進化で生命の材料はどこまでつくれるか
窒素分子を生命が使えるかたちにしたのは小天体衝突か? その可能性を検証
高分子からシステムそして生命への道筋を合成生物学で解く
地球における生命誕生は“必然”である
第3章 宇宙の海に生命を探す
氷に覆われた土星の衛星エンケラドスがいま最も注目される理由
エンケラドスの氷の下に広がる海では熱水活動が起きている
日本の技術を結集しエンケラドスの海水を地球に持ち帰る
エンケラドスから持ち帰った試料を分析する準備がJAMSTECで進行中
広がる生命探査のターゲット──エウロパ、ガニメデ、タイタン、火星、ケレス……
地球の海、太陽系の海、さらには銀河系の海をターゲットに
第4章 【特別座談会】私たちは宇宙に生命を探します
高井 研 × 矢野 創 × 田村元秀
天文学、太陽系探査科学、微生物学──三者三様の研究者の出会い
日本におけるアストロバイオロジーの系譜
地球生命誕生のシナリオをいかに検証するか
「ハビタブル」とは
トラピスト1の系外惑星発見に興味津々
アストロバイオロジーの存在意義
【チャレンジャーコース的学術解説編】
生命の起源研究7つの論点……高井 研
このハードな解説編を始める前に
〔論点1〕生命の定義
〔論点2〕生命の材料となる有機物の起源
〔論点3〕地球生命は多系統的起源か単系統的起源か
〔論点4〕最初に誕生した生命は従属栄養か独立栄養か
〔論点5〕生命誕生のセントラルドグマ
〔論点6〕生命誕生の場
〔論点7〕生命存続の可能性
おわりに
参考文献
第1章 深海に私たちのはじまりを探して
深海熱水活動域が生命の故郷といわれる理由
インド洋かいれいフィールドで初期生命生態系の生き残り「ハイパースライム」に出会った
ハイパースライムが存在する条件「ウルトラH3リンケージ仮説」の最後のピースを埋める
初期生命を維持できるだけの水素はあったのか?深海熱水環境を再現して検証
ハイパースライムはかいれいフィールドにしかいないのか
岩石─水─生命の化学相互作用を解き暗黒の生態系の組成や量を予測可能に
JAMSTECモデル──生命誕生の場と初期の生命生態系の姿にたどり着いた
第2章 地球生命はこうして生まれた
地球生命は、いつ、どこで、つくられていったのか
原始の海で生命の材料をつくったのは深海熱水噴出孔の発電現象か
電気化学進化で生命の材料はどこまでつくれるか
窒素分子を生命が使えるかたちにしたのは小天体衝突か? その可能性を検証
高分子からシステムそして生命への道筋を合成生物学で解く
地球における生命誕生は“必然”である
第3章 宇宙の海に生命を探す
氷に覆われた土星の衛星エンケラドスがいま最も注目される理由
エンケラドスの氷の下に広がる海では熱水活動が起きている
日本の技術を結集しエンケラドスの海水を地球に持ち帰る
エンケラドスから持ち帰った試料を分析する準備がJAMSTECで進行中
広がる生命探査のターゲット──エウロパ、ガニメデ、タイタン、火星、ケレス……
地球の海、太陽系の海、さらには銀河系の海をターゲットに
第4章 【特別座談会】私たちは宇宙に生命を探します
高井 研 × 矢野 創 × 田村元秀
天文学、太陽系探査科学、微生物学──三者三様の研究者の出会い
日本におけるアストロバイオロジーの系譜
地球生命誕生のシナリオをいかに検証するか
「ハビタブル」とは
トラピスト1の系外惑星発見に興味津々
アストロバイオロジーの存在意義
【チャレンジャーコース的学術解説編】
生命の起源研究7つの論点……高井 研
このハードな解説編を始める前に
〔論点1〕生命の定義
〔論点2〕生命の材料となる有機物の起源
〔論点3〕地球生命は多系統的起源か単系統的起源か
〔論点4〕最初に誕生した生命は従属栄養か独立栄養か
〔論点5〕生命誕生のセントラルドグマ
〔論点6〕生命誕生の場
〔論点7〕生命存続の可能性
おわりに
参考文献
高井 研(たかい けん)
海洋研究開発機構深海・地殻内生物圏研究分野分野長.1969年,京都府生まれ.京都大学大学院農学研究科水産学専攻博士課程修了.博士(農学).1997年,海洋科学技術センター(現 海洋研究開発機構)深海研究フロンティア研究員.海洋・極限環境生物圏領域深海・地殻内生物圏研究プログラムプログラムディレクターなどを経て,2014年より現職.東京工業大学地球生命研究所フェローなどを兼任.専門は微生物学.著書に『生命はなぜ生まれたのか――地球生物の起源の謎に迫る』(幻冬舎新書),『微生物ハンター,深海を行く』(イースト・プレス)などがある.
海洋研究開発機構深海・地殻内生物圏研究分野分野長.1969年,京都府生まれ.京都大学大学院農学研究科水産学専攻博士課程修了.博士(農学).1997年,海洋科学技術センター(現 海洋研究開発機構)深海研究フロンティア研究員.海洋・極限環境生物圏領域深海・地殻内生物圏研究プログラムプログラムディレクターなどを経て,2014年より現職.東京工業大学地球生命研究所フェローなどを兼任.専門は微生物学.著書に『生命はなぜ生まれたのか――地球生物の起源の謎に迫る』(幻冬舎新書),『微生物ハンター,深海を行く』(イースト・プレス)などがある.
書評情報
日本地球惑星科学連合ニュースレター Vol.14-No.4(2018年)