歴史と永遠

江戸後期の思想水脈

後世に語り継がれたいという歴史意識に着目して,徂徠学から幕末の志士に至る思想の系譜を描く画期的研究.

歴史と永遠
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著者 島田 英明
ジャンル 書籍 > 単行本 > 政治
刊行日 2018/03/23
ISBN 9784000256704
Cコード 3031
体裁 A5 ・ 上製 ・ カバー ・ 384頁
定価 本体5,500円+税
在庫 在庫あり
過激なテロル,美しい詩,そして歴史叙述.近世日本の知識人は様々な企図を通して歴史に語り継がれたいと願った.そうした永遠性獲得願望の存在を指摘し,政治構想や時務策の次元だけでなく,論理化されない気分や情念の機微にまで分け入りながら,徂徠学から幕末志士へと至る新たな政治思想史の系譜を描き出す.
凡 例

序 章
 ある旅路から
 課題・概要・先行研究


第Ⅰ部 永遠を求めて――幕末思想史への視座

第一章 古文辞学とふたつの永遠
 第一節 「天寵」と「文明」
  徂徠学のナラティヴⅠ――「天寵」と高揚
  徂徠学のナラティヴⅡ――「文明」と不遇
  永遠を求めて
 第二節 服部南郭
  服部南郭の古文辞学
  君子の夢路
 第三節 太宰春台
  太宰春台の古文辞批判
  春台は何を理解しなかったのか
  事業の豪傑
  ポスト徂徠学の時代へ

第二章 豪傑たちの春
 第一節 新しい知識人
 第二節 十八世紀の文明開化
  「奴隷」と「豪傑」Ⅰ――折衷学の場合
  「奴隷」と「豪傑」Ⅱ――性霊説の場合
  徂徠学のもたらしたもの
  十八世紀の文明開化と諸学藝――国学・蘭学・宋学
 第三節 寛政正学派と反個人主義
  柴野栗山の憂鬱
  反「豪傑」の烽火
  なぜ朱子学なのか
  学問所と更に新しい知識人

第三章 頼山陽と歴史の時代
 第一節 豪傑の夢と歴史の魅力
  歴史の浮揚
  時代閉塞と青年
  藩校の現実,「勝負」の世界
  なぜ歴史なのか
 第二節 頼山陽の史論
  「文体」の論理
  頼山陽の二正面作戦
  史論の世界
 第三節 志士と文士のあいだ


第Ⅱ部 詩人・歴史・革命――志士と文士の政治思想

第四章 テロルの倫理 吉田松陰
 第一節 「真勤王」と「偽勤王」
 第二節 徳川後期における経学と史学
  若き兵学師範の煩悶
  経学と史学
  なぜ孟子だったのか
 第三節 獄舎の教学――『講孟余話』の思想世界
  『講孟余話』とは何か
  論点α――理想的人格像
  論点β――国体論
  論点γ――何をなすべきか
 第四節 テロルの季節――義士と英雄のあいだ
  吉田松陰と安政五年の政局
  死と永遠の過激主義
  汝は汝,我は我
 第五節 自己の作品化

第五章 内乱の政治学 真木和泉
 第一節 彗星を観るひと
 第二節 歴史の屑籠
  幕末思想史における「勢」の位相
  基礎範疇の検討Ⅰ
  基礎範疇の検討Ⅱ
  「倒幕」の歴史意識
  構想と展望
 第三節 永遠への進軍
  八月十八日の政変
  「大日本史恐敷候」
  真木和泉の最期
 第四節 激派のその後

第六章 文士の幕末 森田節斎
 第一節 政治の季節と文士たち
  皇帝・隠者・通人
  政治と非政治のあわい
 第二節 森田節斎の生涯
  森田節斎とは誰か
  草 の煽動家
  史論から史伝へ
  文士の幕末
  旅の終わり
 第三節 歴史の光とその裏面


終 章
 「後世への最大遺物」
 結 び


あとがき
人名索引
島田英明(しまだ ひであき)
1987年生まれ
2011年首都大学東京都市教養学部法学系卒業
2017年東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了.博士(法学)
現在―東京大学大学院法学政治学研究科附属ビジネスロー・比較法政研究センター特任講師
専攻―日本政治思想史
著書―「経世の夢,文士の遊戯――頼山陽における政治思想と史学」(『国家学会雑誌』第127巻第7・8号)
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