総点検 日本国憲法の70年

施行から70年.日本の憲法はどのような発展を遂げ,現在いかなる課題に直面しているか.総合的に診断.

総点検 日本国憲法の70年
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著者 宍戸 常寿 , 林 知更
ジャンル 書籍 > 単行本 > 法律
刊行日 2018/03/28
ISBN 9784000612449
Cコード 0032
体裁 A5 ・ 並製 ・ カバー ・ 320頁
定価 本体3,500円+税
在庫 在庫あり
施行から70年を迎えた日本国憲法.この間,日本の憲法はどのような発展を遂げ,現在いかなる課題に直面しているのか.中堅・若手世代の憲法研究者が結集.憲法典の明文規定にとどまらない,解釈や運用,法律や規則,習律・慣習なども踏まえた上で,学説と実務の方向性および現在の対立点はどこにあるのかを憲法の全領域にわたって整理し,分析を加える.
はしがき

1 憲法の概念……………林 知更
 1 近代憲法の伝播
 2 憲法典という装置
 3 憲法理解という次元
 4 憲法を見る座標
 5 戦後日本の「憲法」

2 立憲主義……………江藤祥平
 1 この国のかたち
 2 立憲主義の系譜
 3 立憲主義の復権に向けて
 4 公私の分離
 結――この国の未来と普遍への貢献

3 法の支配……………土井真一
 はじめに
 1 規準となるルールとしての法
 2 法の支配・判例法・司法型秩序形成
 3 法治国家・制定法・行政型秩序形成
 4 法の支配と法治国家の統合と柊衡
 5 法の支配の実現と司法制度改革
 おわりに

4 国民主権……………小島慎司
 1 消極性を支える積極性
 2 戦後日本の主権論
 3 主権論の現在

5 天皇制……………西村裕一
 1「連続か,断絶か」を超えて
 2 公的行為とは何か
 3 日本国憲法の天皇像

6 実力の統制と平和主義――2017~2018年にかけての一断面……………青井未帆
 はじめに
 1 戦争と軍隊
 2 9条と自衛隊・防衛省
 3 2014年以後――集団的自衛権と日本独自解釈
 おわりに――「機能する憲法」として

7 個人の尊重……………淺野博宣
 はじめに
 1 ネオミ・ラオのdignity批判
 2 二つの応答
 おわりに

8 プライバシー……………山本龍彦
 はじめに
 1 現状認識――予備的検討
 2 プライバシー権の歩み
 3 法の表層
 4 法の深層
 5 自己情報コントロール権批判について
 おわりに

9 法の下の平等と家族……………巻美矢紀
 はじめに――違憲審査活性化の領域
 1 平等という難問
 2 権利と平等の相乗効果
 3 憲法と家族

10 内面的精神活動の自由……………佐々木弘通
 はじめに
 1 課題
 2 課題に対する取組みの現状とその評価
 おわりに

11 日本型政教分離とその課題……………田近 肇
 はじめに
 1 日本型政教分離
 2 訴訟制度の問題
 3 政教分離の新たな課題

12 市民の表現の自由……………曽我部真裕
 はじめに
 1 パブリック・フォーラム論と「公の施設」
 2 デモ行進の自由と公安条例
 おわりに

13 メディアの自由……………齊藤 愛
 はじめに
 1 制度としてのマス・メディアの自由――奥平説
 2 社会的利益を根拠として保障される権利――長谷部説
 3 筆者の見解
 おわりに――マス・メディアの自由の重要性

14 学問の自由・教育を受ける権利……………赤川 理
 1 学問の自由
 2 教育を受ける権利

15 経済的自由……………松本哲治
 はじめに
 1 二重の基準論と劣位の(?)自由としての経済的自由
 2 薬事法違憲判決と職業選択の自由
 3 森林法違憲判決と財産権
 むすび

16 生存権保障――その来歴・現在・将来……………尾形 健
 はじめに
 1 生存権保障の憲法的実践――その来歴
 2 生存権保障の課題――その現在・将来
 むすびにかえて

17 労働……………大河内 美紀
 はじめに――1947年の風景
 1 労働とジェンダー
 2 公務員の労働基本権
 むすびにかえて――労働をめぐる今日的課題と憲法

18 刑事手続と憲法――自白をめぐる問題を中心に……………村山健太郎
 はじめに
 1 自白の許容性をめぐる議論
 2 日本国憲法解釈におけるミランダ判決の示唆
 むすび

19 選挙制度と政党……………新井 誠
 はじめに
Ⅰ 選挙制度
 1 選挙制度をめぐる日本国憲法の構造
 2 90年代政治改革と選挙制度
 3 定数不柊衡問題
Ⅱ 政党
 1 政党をめぐる日本国憲法の構造
 2 90年代政治改革と政党――「政党本位」の制度構想とその問題

20 立法権と国会……………赤坂幸一
 1 立法権の意義
 2 国家意思の形成プロセスの基本構造
 3 国会の立法作用をめぐる現代的課題

21 議院内閣制と行政権……………毛利 透
 1 議院内閣制をめぐる議論
 2 行政権をめぐる議論

22 司法権と裁判所……………宍戸常寿
 はじめに
 1 司法権の独立
 2 司法権の概念と機能
 3 最高裁判所――残された制度改革
 おわりに――裁判の公開と世論

23 違憲審査制……………南野 森
 1 違憲審査制とは何か
 2 違憲審査制の目的
 3 日本の違憲審査制
 4 違憲審査制の「危機」
 5 違憲審査制の「条件」

24 財政・金融……………片桐直人
 はじめに
 1 自由・貨幣・統治
 2 租税国家と公債発行
 3 財政赤字と財政決定プロセスの規律
 おわりに

25 自治体は変わったか……………新村とわ
 1 日本国憲法第8 章の意義
 2 地方分権改革
 3 地方自治の本旨
 4 地方政府
 5 再構成あるいは再確認
 6「上からの改革」――市民は変わるか?

26 日本国憲法と国際社会……………山田哲史
 1 日本国憲法の誕生と国際社会
 2 憲法の運用と国際法
 3 現代的課題――日本国憲法とグローバル化
 まとめ

27 憲法の改正……………三宅雄彦
 1 改正をめぐる塹壕戦
 2 憲法改正の解釈問題
 3 憲法改正の憲法理論
 4 憲法のタクティクス

28 「憲法保障」とその「正しい解釈」……………山崎友也
 はじめに
 1「憲法保障」の構造
 2「憲法内在的保障」の対象―― 違憲審査機関が保障する「憲法」
 3「超憲法的保障」の対象―― 国家緊急権・抵抗権が保障する「憲法」
 おわりに
【編者】

宍戸常寿(ししど じょうじ)
東京大学大学院法学政治学研究科教授

林 知更(はやし とものぶ)
東京大学社会科学研究所教授
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