シベリア抑留

米ソ関係の中での変容

労働力の確保として始まった抑留の目的が変容していく過程を,米ソ双方の史料に基づき明らかにする.

シベリア抑留
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著者 小林 昭菜
ジャンル 書籍 > 単行本 > 歴史
刊行日 2018/03/28
ISBN 9784000612500
Cコード 3021
体裁 A5 ・ 上製 ・ カバー ・ 272頁
定価 本体4,400円+税
在庫 在庫あり
6万人を超える死者を出したシベリア抑留の悲劇はなぜ生じたのか,民主化に伴って明らかにされた膨大なソ連公文書に加え,従来等閑視されてきたGHQ史料を用いながら,枯渇する労働力を確保するために始まった抑留が,冷戦の進行の中で,日本の親ソ化を担う人材を育成するプロジェクトへと変容していく過程を明らかにする,
序 章 米ソ関係の中で生まれた悲劇
 はじめに
 一 「シベリア抑留」とは
 二 「シベリア抑留者」は捕虜なのか,抑留者なのか
 三 先行研究
 四 先行研究における問題点
 五 本書の視覚――米ロの史料から見えてくるもの

第一章 なぜ日本人将兵は抑留されたのか
 はじめに
 一 極東ソ連軍の満州進攻と関東軍の武装解除
 二 日本人捕虜の総数
 三 「シベリア抑留」の発生理由は関東軍の密約か,北海道北部占領との代替か
  1 関東軍と極東ソ連軍との密約説/2 北海道北部占領との代替説/3 労働力としてのソ連移送
 小 括

第二章 日本人軍事捕虜の移送と収容所での生活
 はじめに
 一 ドイツ人軍事捕虜と日本人軍事捕虜の交換
 二 日本人軍事捕虜の移送と配置
 三 収容所の実態――衛生管理と死亡者対策
  1 日本人軍事捕虜の死亡原因/2 ハバロフスク地方の高死亡率の背景/3 ソ連中央政府の対策/4 ソ連政府の対策の効果
 四 冷戦下のプロパガンダ――捕虜郵便はがきをめぐる米ソの攻防
 小 括

第三章 冷戦の中の変容――日本人軍事捕虜の「ソビエト化」
 はじめに
 一 政治教育の始まり
 二 「民主運動」の深化
 三 強化される政治教育――「反ファシスト委員会」の設置と日本共産党との連携
 四 ドイツ人軍事捕虜の「反ファシスト運動」
 五 長期抑留者によるもう一つの民主運動
  1 事件発生の兆候――「大堀事件」/2 作業拒否とハンストの開始/3 日本人側の要求/4 ソ連当局の対応/5 浅原グループとの確執/6 ハンガーストライキの決行と武力による鎮圧
 小 括

第四章 米国から見たソ連の日本人軍事捕虜
 はじめに
 一 「プロジェクト・スティッチ」の記録から浮かび上がる「ソビエト化」の実態
 二 政治教育の最終ステージ――ナホトカ港
 三 つくられた「ソビエト化」の危機
 四 二重スパイから自民党政治家まで――米国による監視対象者たち
  1 スパイとして帰還した日本人軍事捕虜
 五 米占領軍の「執拗」な帰還者調査から見る抑留の実態
  1 収容所内のモラル/2 逃亡者/3 抑留中の性生活
 小 括

終 章

あとがき

シベリア抑留 関連資料
人名索引
主要著作「ドイツ人軍事捕虜の「反ファシスト運動」1941年~1948年――「シベリア民主運動」発生のケースと比較して」(熊田泰章編『国際文化研究への道――共生と連帯を求めて』彩流社,2013年),「米ソ冷戦と抑留問題――ソ連による捕虜の「ソヴィエト化」と米占領軍の「防衛網」」(下斗米伸夫編著『ロシアの歴史を知るための50章』明石書店,2016年),「ソ連抑留1年目の日本人捕虜の高死亡率の原因とソ連政府の対策――ハバロフスク地方を例に」(ボルジギン・フスレ編『日本人のモンゴル抑留とその背景』三元社,2017年)など.

書評情報

毎日新聞(朝刊) 2018年6月30日
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