高専教育の発見

学歴社会から学習歴社会へ

大学とも専門学校とも違う5年制の高等教育機関「高専」の実態を,画期的な卒業生調査と論考から解き明かす.

高専教育の発見
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著者 矢野 眞和 , 濱中 義隆 , 浅野 敬一
ジャンル 書籍 > 単行本 > 教育
刊行日 2018/04/24
ISBN 9784000229593
Cコード 0037
体裁 四六 ・ 上製 ・ カバー ・ 256頁
定価 本体2,400円+税
在庫 在庫あり
大学とも専門学校とも違う,5年制の高等教育機関「高専」.「ロボコン」のイメージとともに,「就職率100%」「学士同等の人材を輩出」と評価は高いが,その教育の内実,学生の満足度や進路,キャリアの展開はほとんど知られていない.この謎の存在に,画期的な卒業生調査と論考から多角的に迫る一冊.
はじめに……………矢野眞和

 第1章 二つの発見に向けて――高専の「教育実験」を検証する……………浅野敬一

Ⅰ 「高専の発見」から学ぶ――教育とキャリアの関係
 第2章 見えない「高専卒」学歴の効用を明らかにする……………濱中義隆
 第3章 高専教育の成果は豊かな職業的キャリアをもたらすか……………林川友貴
 第4章 高専女性の活躍とキャリア不安……………矢野眞和
 第5章 専攻科は高専を変えるか……………濱中義隆
 第6章 高専卒業生の自負と無念さ――卒業生の自由記述より……………山田 宏

Ⅱ キャリアの多様性を支える卒業後の学習
 第7章 幸せになる転職のルートを探る……………李 敏
 第8章 専門と仕事の「タイトな関係」と卒業後の学習……………小黒 恵
 第9章 社会人力はいかに形成されるか――生涯教育の発見……………矢野眞和

 終 章 学歴社会から学習歴社会への道――「高専モデル」の提唱……………矢野眞和

あとがき……………濱中義隆

 巻末資料 「高専卒業生キャリア調査」調査票
〈編者〉

矢野眞和(やの・まさかず)
1944年生.東京工業大学名誉教授,東京薬科大学特命教授.社会工学,教育経済学.『大学の条件――大衆化と市場化の経済分析』(東京大学出版会,2015),『教育劣位社会――教育費をめぐる世論の社会学』(共著,岩波書店,2016)など.

濱中義隆(はまなか・よしたか)
1970年生.国立教育政策研究所高等教育研究部副部長・総括研究官.教育社会学,高等教育.「多様化する学生と大学教育」(『シリーズ大学2 大衆化する大学』(岩波書店,2013),「「実践性」から見た高専教育――キャリアとの関連に着目して」(『日本労働研究雑誌』59(10),2017)など.

浅野敬一(あさの・けいいち)
東京工業高等専門学校(一般教育科)教授などを経て,2016年より阪南大学経済学部教授.経済史(とくに中小企業・ベンチャー企業の研究).「戦後中小企業政策における組織化政策の変容――商工協同組合法改正問題を巡る議論を中心に」(『市場史研究』第32号,2013),「三重構造――中小企業政策の展開と“ベンチャー”」(谷口明丈・須藤功編『現代アメリカ経済史――「問題大国」の出現』有斐閣,2017)など.


〈執筆者〉

林川友貴(はやしかわ・ゆうき)
1989年生.東京大学大学院教育学研究科博士課程.日本学術振興会特別研究員(DC1).教育社会学.「中学生の学校適応メカニズムの実証的検討――学級と部活動に着目して」(『教育社会学研究』97,2015),「女子中学生の家庭優先志向の形成メカニズムの検討――母親と娘の意識の相互依存性を考慮した二者関係データの分析から」(『家族社会学研究』(27(2),2015)など.

山田 宏(やまだ・ひろし)
1952年生.一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程.職業教育.「1970年代以降の高校職業教育政策の形成と実施――「基礎・基本」の重視をめぐる議論とその実態」(『〈教育と社会〉研究』27,2017),「工業高校をめぐる境界線とその意味――教育課程の変遷とその有用性に着目して」(『日本の学校化社会成立の諸相――学校システム「周辺」部に注目して』日本学術振興会科学研究費補助金基盤研究成果報告書,2018)など.

李 敏(り・びん)
信州大学高等教育研究センター講師.高等教育,比較教育.『中国高等教育の拡大と大卒者就職難問題――背景の社会学的検討』(広島大学出版会,2011),「中国人留学生の日本留学決定要因に関する研究――Push-and-Pullモデルに基づいて」(『大学論集』48,2015)など.

小黒 恵(おぐろ・めぐみ)
1987年生.東京大学大学院教育学研究科博士課程,労働政策研究・研修機構アシスタントフェロー.教育社会学,職業教育.「普通科高校福祉コースにおける普通教育と専門教育の統合に関する事例研究――専門高校・総合学科高校との比較から」(『日本高校教育学会年報』(21),2014),「日本の高校教育における垂直的・水平的多様化の展望――「普通教育と職業教育の相互接近」に着目して」(『東京大学大学院教育学研究科紀要』54,2015)など.

書評情報

日本経済新聞(朝刊) 2018年7月7日
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