9条誕生

平和国家はこうして生まれた

憲法の柱となる「平和」の理念はどこから来たのか.新資料や証言から理念形成の過程を再構築,9条誕生までの一年八ヶ月を追う.

9条誕生
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著者 塩田 純
ジャンル 書籍 > 単行本 > 社会
刊行日 2018/04/26
ISBN 9784000612623
Cコード 0036
体裁 四六 ・ 並製 ・ カバー ・ 288頁
定価 本体1,800円+税
在庫 在庫あり
GHQ草案をもとに成立した日本国憲法.しかし,その草案の条文に「平和」の二文字はなかった.では,憲法の柱となる「平和」の理念はどこから来たのか.新資料や証言を読み解き,理念形成の過程を緻密に再構築.昭和天皇の勅語,幣原喜重郎首相の提案,衆議院小委員会での熱い議論をへて,9条が誕生するまでの一年八ヶ月を追う.
第1章 “平和国家”それは天皇の勅語から始まった
 万世のために太平を開かん/ポツダム宣言と憲法改正/平和国家確立の勅語/発見された勅語の草案/武備なき国家──宮沢俊義の構想/文部省の方針に/知識人に広がる「平和国家建設」/昭和天皇と外国人記者の会見/非武装の平和──幣原喜重郎の提言/東条に責任を転嫁/昭和天皇・マッカーサー会見

第2章 昭和天皇の憲法改正調査
 昭和天皇,憲法改正調査を命ず/近衛文麿,憲法改正に動く/マッカーサーと近衛文麿/幣原内閣の憲法問題調査委員会/近衛文麿の改正案/挫折した昭和天皇の改憲調査

第3章 広がる「平和国家建設」
 憲法研究会の草案──平和思想/GHQは分析する/各政党の憲法草案/森戸辰男の「平和国家の建設」/天皇陛下の書き初め

第4章 戦争放棄は誰が提案したのか
 ペニシリン会談/羽室メモ/幣原直筆の回想/「平野文書」晩年の聞き書き/マッカーサーは何を証言したのか/九条幣原発案説への疑問/幣原,戦争放棄の提案/天皇訴追せず/「潔く裸になって平和国家としてやって行く」/閣僚も旧陸軍も軍規定の削除を提案/毎日新聞のスクープ

第5章 GHQ密室の九日間
 迫り来る極東委員会/マッカーサー・ノート/民政局への極秘指令/九条の原型はこうして誕生した/天皇をシンボルに/男女平等を書いたベアテ

第6章 GHQ草案受け入れへ
 昭和天皇と憲法改正案/GHQ草案の衝撃/白洲次郎のレター/幣原内閣の討議/「これでいいじゃないか」昭和天皇の諒解/GHQ草案受け入れへ

第7章 日本政府とGHQの折衝
 日本案作成はじまる/天皇条項をめぐる攻防/三〇時間徹夜の交渉/「憲法改正草案要綱」発表/メディアと政党の反響/「八月革命説」/「国民」はどう受け止めたのか/自衛権はあるのか──枢密院での審査/昭和天皇の謝意

第8章 帝国議会での論争
 極東委員会の反発/総選挙から帝国議会へ/「平和国家」と「国体」/自衛権は認められるのか/鈴木義男のヨーロッパ体験/自衛権をめぐる論争/主権を国民へ

第9章 九条誕生
 生存権を憲法に/敗戦ドイツでの森戸・鈴木の体験/九条修正──鈴木義男の提案/軍事教練と鈴木義男の抵抗/外務省条約局の提案/芦田修正の真相/自衛権を認めていたGHQ/中国国民政府は反発する/シビリアンコントロールを

第10章 平和国家への道
 日本国憲法公布/昭和天皇とマッカーサー/憲法再検討をめぐって/鈴木義男と新憲法/戦後日本の国是「平和国家」

エピローグ──東北で憲法を考える

参考文献
番組製作スタッフ

あとがき

日本国憲法成立関連年表
塩田純(しおだ じゅん)
1960年東京都生まれ.東京大学文学部社会学科卒.1983年NHK入局.現在,文化・福祉番組部エグゼクティブ・プロデューサー.日本・アジアの近現代史のドキュメンタリーに取り組む.主な番組に,NHKスペシャル「東京裁判への道」(放送文化基金賞本賞),同「日中戦争」(文化庁芸術祭大賞),同「日本国憲法 誕生」(文化庁芸術祭優秀賞),BSドキュメンタリー「アジアに生きる子どもたち お母さんに会いたい」(イタリア賞グラナロロ特別賞)など.ETV特集「シリーズ 日本と朝鮮半島2000年」などで芸術選奨文部科学大臣賞を個人で受賞.そのほか,放送文化基金賞(放送文化),放送人グランプリを受賞.
著書に『ガンディーを継いで──非暴力・不服従の系譜』『日本国憲法誕生──知られざる舞台裏』『尖閣諸島と日中外交──証言・日中米「秘密交渉」の真相』のほか,共著書に『張学良の昭和史最後の証言』『東京裁判への道』など.

書評情報

公明新聞 2018年8月6日
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