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海うそ

喪失とは,私のなかに降り積もる時間が,増えていくことなのだった――.南九州の遅島をめぐる,魂の旅.

海うそ
著者 梨木 香歩
通し番号 文芸298
ジャンル 書籍 > 岩波現代文庫 > 文芸
刊行日 2018/04/17
ISBN 9784006022983
Cコード 0193
体裁 A6 ・ 並製 ・ カバー ・ 220頁
在庫 在庫あり
昭和の初め,人文地理学の研究者,秋野は南九州の遅島へ赴く.かつて修験道の霊山があったその島は,豊かで変化に富んだ自然の中に,無残にかき消された人びとの祈りの跡を抱いて,秋野の心を捉えて離さない.そして,地図に残された「海うそ」ということば…….五十年後,不思議な縁に導かれ,秋野は再び島を訪れる.
龍目蓋――影吹 イタビカズラ/ヤギ 二階屋
龍目蓋――角小御崎 アコウ/ニホンアシカ モノミミ
龍目蓋――森肩 珊瑚樹/ミカドアゲハ 灘風
龍目蓋――波音――森肩 ミツガシワ/カモシカ カギ家
森肩――耳鳥 芭蕉/キクガシラコウモリ 耳鳥洞窟
耳鳥――沼耳 イタヤカエデ/コノハヅク 根小屋
沼耳――呼原 オニヤブソテツ/ツマベニチョウ 良信の防塁
呼原――山懐 ハマカンゾウ/クイナ 口の権現・奥の権現
山懐――尾崎――森肩 ウバメガシ/イセエビ 恵仁岩
五十年の後

参考文献
書評 変わる島に「滅び」を見る……………井坂洋子
解説……………山内志朗
梨木香歩(なしき かほ)
1959年生まれ.作家.小説に『西の魔女が死んだ』『家守綺譚』『沼地のある森を抜けて』『冬虫夏草』(以上,新潮社),『僕は,そして僕たちはどう生きるか』(理論社),『村田エフェンディ滞土録』『雪と珊瑚と』(以上,角川書店),『f植物園の巣穴』(朝日新聞出版),『ピスタチオ』(筑摩書房)など,エッセイに『春になったら莓を摘みに』『渡りの足跡』『エストニア紀行』『鳥と雲と薬草袋』(以上,新潮社),『水辺にて』(筑摩書房),『「秘密の花園」ノート』(岩波ブックレット)などがある.

書評情報

読売新聞(夕刊) 2018年6月11日
しんぶん赤旗 2018年5月20日
週刊新潮 2018年5月24日号
朝日新聞(朝刊) 2018年5月12日
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