ゆれるおっぱい,ふくらむおっぱい

乳房の図像と記憶

時代や地域によって揺らぎ膨らんできた乳房のイメージを,22名の執筆者が豊富な図版とともに読み解く.

ゆれるおっぱい,ふくらむおっぱい
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著者 武田 雅哉
ジャンル 書籍 > 単行本 > 評論・エッセイ
刊行日 2018/05/24
ISBN 9784000254281
Cコード 0095
体裁 A5 ・ 並製 ・ カバー ・ 240頁
定価 本体2,800円+税
在庫 在庫あり
22名の執筆者が豊富な図版(約170点掲載)とともに読み解く,おっぱい=乳房の多彩な表象.日本,中国,西洋,それぞれの乳房観を概観する総論,テーマを掘り下げる各論とともに,楽しいコラム多数.歴史の中で,地域によって揺らぎ,膨らんできた乳房のイメージを,おおっぴらに,まじめに,おもしろく,問いなおす.
■日本のおっぱい、いろいろ

《総論》日本の乳房はいかに語られたか  田中貴子
《総論》日本のバスト七○年――「身だしなみ」から「自分らしさ」へ  実川元子
乳と貝――人魚の乳房をめぐる力学  向後恵里子
エロスの抑圧?――乳房の表象にみる秘宝館のパラドックス  妙木忍
 男の乳首と女の乳房  木村朗子
 乳房と果実のハーモニー  大城さゆり
 マンガと乳房――岡崎京子の描くおっぱい  竹内美帆
  《世界ふれあいおっぱい歩き》蝦夷島乳神巡礼記  武田雅哉
  《世界ふれあいおっぱい歩き》聖なる乳房――富士の麓「船津胎内樹型」  関村咲江
  《世界ふれあいおっぱい歩き》「しあわせいっパイむねいっパイ」――間々観音参拝記  田村容子
おっぱい学事始〈ブックガイド基礎編〉


■中国のおっぱい、いろいろ

《総論》中国乳房文化論・序説――記憶の中の図像  武田雅哉
民国文学むねくらべ  濱田麻矢
男旦(おんながた)が脱ぐとき――纏足・柳腰・幻の乳房  田村容子
 わたしのおっぱいどうしよう?――中華民国『婦女雑誌』に読む「とまどう乳房」  関村咲江
 近代上海の健康美とおっぱい  藤井得弘
 中国語における〈乳房〉――語形に映し出された〈乳房〉意識  松江崇、根岸美聡、楊安娜
 英雄の刺青、男のおっぱい  加部勇一郎
 未確認動物〈野人〉のおっぱい  中根研一
 女同志たちのバキバキなおっぱい――社会主義思想と乳房の表象  高山陽子
  《世界ふれあいおっぱい歩き》「おっぱい」ですがなにか  加部勇一郎
  《世界ふれあいおっぱい歩き》潜入! 中国初のブラジャー博物館  日野杉匡大
  《世界ふれあいおっぱい歩き》性文化の宝物――中華性文化博物館(江蘇省・呉江)  武田雅哉
 おっぱい学東西画廊〈ブックガイド図像編〉


■西洋のおっぱい、いろいろ

《総論》西洋中世の乳房――豊穣と罪、フェティシズムと拷問の間で  尾形希和子
《総論》乳牛と乳母――ロシア文化における代理のおっぱい  越野剛
  マヨリカに描かれた乳房のイメージ  加藤志帆
  ロシアの囚人男性の刺青に見る女性像  越野剛
  《世界ふれあいおっぱい歩き》「右乳だけよ!」――西洋美術における乳房の表象とモラル  高山陽子
  《世界ふれあいおっぱい歩き》鎮火するおっぱい――ナポリのセイレーン  尾形希和子
  《世界ふれあいおっぱい歩き》快楽は痛々しい――セックスマシン博物館(チェコ・プラハ)  武田雅哉
 おっぱい学最先端〈ブックガイド探究編〉


 あとがき  田村容子
 執筆者略歴
武田雅哉(たけだまさや)
1958 年生まれ.北海道大学大学院文学研究科教授.専門は中国文化,文学,芸術.著書に『中国飛翔文学誌――空を飛びたかった綺態な人たちにまつわる十五の夜噺』(人文書院),『中国のマンガ〈連環画〉の世界』(平凡社),『楊貴妃になりたかった男たち――〈衣服の妖怪〉の文化誌』(講談社選書メチエ)など.

大城さゆり(おおしろさゆり)
1988 年生まれ.ライター.専門は日本近現代美術史,ジェンダー・セクシュアリティ表象.著書に『明日へ翔ぶ――人文社会学の新視点3』(共著,風間書房),論文に「『美少女戦士セーラームーン』のジェンダー――女の王国に登場する「女」,「男」,「両性」」『少女マンガの表象研究会研究報告書『美少女戦士セーラームーン』研究論集』(同研究会)など.

尾形希和子(おがたきわこ)
1959 年生まれ.沖縄県立芸術大学美術工芸学部教授.専門は西洋美術史.著書に『教会の怪物たち――ロマネスクの図像学』(講談社選書メチエ),『レオノール・フィニ――境界を侵犯する新しい種』(東信堂),『周縁学――〈九州/ヨーロッパ〉の近代を掘る』(共著,昭和堂)など.

加藤志帆(かとうしほ)
1988 年生まれ.真鶴町立中川一政美術館学芸員.専門はイタリア美術工芸史.論文に「美奈ちゃんとヴィーナスのミステリー─『コードネームはセーラーV』に見る女神ヴィーナスをめぐる表象」『少女マンガの表象研究会研究報告書『美少女戦士セーラームーン』研究論集』(同研究会),「イタリア・ルネサンス期の「愛の陶器」にみる愛の諸相」『沖縄県立芸術大学紀要』第24 号など.

加部勇一郎(かべゆういちろう)
1973 年生まれ.北海道大学大学院文学研究科専門研究員.専門は中国文学.著書に『中国文化55 のキーワード』(共編著,ミネルヴァ書房),論文に「縛りたい男――清末の『鏡花縁』続書二種を読む」『野草』第94 号(中国文芸研究会),「新中国の三毛――『三毛翻身記』(1951)を読む」『連環画研究』第7 号(連環画研究会)など.

木村朗子(きむらさえこ)
1968 年生まれ.津田塾大学学芸学部教授.専門は日本文学.著書に『乳房はだれのものか――日本中世物語にみる性と権力』(新曜社),『女たちの平安宮廷――『栄花物語』によむ権力と性』(講談社選書メチエ),『女子大で『源氏物語』を読む――古典を自由に読む方法』(青土社)など.

向後恵里子(こうごえりこ)
1977 年生まれ.明星大学人文学部准教授.専門は日本近代美術・視覚文化・表象文化.著書に『幕末明治――移行期の思想と文化』(共著,勉誠出版),『木口木版のメディア史――近代日本のヴィジュアルコミュニケーション』(共著,勉誠出版).論文に「日露戦争の美術――戦争画・従軍画家・美術国」『近代画説』第26 号(明治美術学会)など.

越野剛(こしのごう)
1972 年生まれ.北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター共同研究員.専門はロシア文学.著書に『ベラルーシを知るための50 章』( 共編著, 明石書店),『スラブ・ユーラシア研究報告集第7 号 ロシアSF の歴史と展望』(編著,北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター),論文に「ソ連の学校における少女の物語文化」『スラブ・ユーラシア研究報告集第1 号 共産圏の日常世界』(同センター)など.

実川元子(じつかわもとこ)
1954 年生まれ.翻訳者・ライター.著書に『翻訳というおしごと─Is Therea Future for Human Translators?」(アルク), 訳書に, ベン・リトルトン『PK――最も簡単なはずのゴールはなぜ決まらないのか?』(カンゼン),アン・アリスン『菊とポケモン――グローバル化する日本の文化力』(新潮社)など.

関村咲江(せきむらさきえ)
1972 年生まれ.中国語通訳案内士.専門は中国文学.論文に「ゆれる乳房――杜就田編集時期の『婦女雑誌』「医事衛生顧問」における身体論を中心に」『饕餮』第16 号(中国人文学会)など.

高山陽子(たかやまようこ)
1974 年生まれ.亜細亜大学国際関係学部教授,専門は文化人類学.著書に『多文化時代の観光学─フィールドワークからのアプローチ』(編著,ミネルヴァ書房),論文に「女子旅におけるアジアの表象――台北・上海・香港の事例から」,『亜細亜大学国際関係紀要』第27 号,「烈士陵園の景観――南部と北部の記念碑の比較から」『中国における歴史の資源化の現状と課題』(国立民族学博物館調査報告N. 142)など.

竹内美帆(たけうちみほ)
1984 年生まれ.筑紫女学園大学人間文化研究所客員研究員.専門はマンガ研究,美術教育.論文に「マンガ論と『はだしのゲン』」『『はだしのゲン』を読む』(河出書房新社),「線から捉えなおす「劇画」――さいとう・たかをを中心に」『日韓漫画研究(国際マンガ研究,3 巻)』(京都精華大学国際マンガ研究センター)など.

田中貴子(たなかたかこ)
1960 年生まれ.甲南大学文学部教授.専門は日本中世文学.著書に『あやかし考――不思議の中世へ』(平凡社),『中世幻妖――近代人が憧れた時代』(幻戯書房),『日本〈聖女〉論序説――斎宮・女神・中将姫』(講談社学術文庫)など.

田村容子(たむらようこ)
1975 年生まれ.金城学院大学文学部教授.専門は中国文学,演劇.著書に『中国文化55 のキーワード』(共編著,ミネルヴァ書房),論文に「革命叙事と女性兵士――中国のプロパガンダ芸術における戦闘する女性像」『地域研究』Vol. 14 No. 2(京都大学地域研究統合情報センター)など.

中根研一(なかねけんいち)
1972 年生まれ.北海学園大学法学部教授.専門は中国文学.著書に『中国「野人」騒動記』(大修館書店),『映画は中国を目指す――中国映像ビジネス最前線』(洋泉社),論文に「中国「怪獣文化」の研究――現代メディアの中で増殖する異形の動物たち」『北海学園大学学園論集』第141 号など.

根岸美聡(ねぎしみさと)
1979 年生まれ.近畿大学非常勤講師.専門は中国語学.論文に「浙江臨海方言における“□ do22”の文法化」『饕餮』第17 号(中国人文学会),「浙江臨海方言のアスペクト表現形式――実現を表す“□ lɜʔ0”,“爻”を中心に」『開篇』第35号(好文出版)など.

濱田麻矢(はまだまや)
1969 年生まれ.神戸大学大学院人文学研究科准教授.専門は中国文学.訳書に,張愛玲『中国が愛を知ったころ 張愛玲短篇選』(岩波書店),論文に「崩れる塔,萎れる花――張愛玲後期作品における愛のかたち」『野草』99 号(中国文芸研究会),「愛という名のもとに――二〇世紀中国文学の少女像」『中国文学報』88 冊(中国文学会)など.

日野杉匡大(ひのすぎただひろ)
1977 年生まれ.室蘭工業大学非常勤講師.専門は中国近代文学.論文に「蘇曼殊『断鴻零雁記』考――「言い難き恫み」を中心に」『饕餮』第23 号(中国人文学会),「あの人がたは今⁉――中国歌手オーディション番組,この10 年」『火輪』第37 号,「自伝的な,余りに自伝的な――蘇曼殊『断鴻零雁記』をめぐる言説」『火輪』第27 号(いずれも火輪発行の会)など.

藤井得弘(ふじいとくひろ)
1982 年生まれ.北海学園大学非常勤講師.専門は中国近代文学.論文に「知りすぎた男――傲骨『砒石案』と中国初期探偵小説創作のジレンマ」『野草』第92号(中国文芸研究会),「文明の名のもとに――清末探偵小説「羅師福」と可視化の技術」『野草』第94 号(中国文芸研究会),「ラッパ吹きを描く連環画――ほら貝の場合」『連環画研究』第6 号(連環画研究会)など.

松江崇(まつえたかし)
1971 年生まれ.京都大学大学院人間・環境学研究科准教授.専門は中国語学.著書に『古漢語疑問賓語詞序變化機制研究』(好文出版),『誤解の世界――楽しみ,学び,防ぐために』(共編著,北海道大学出版会),論文に「唐五代における不定名詞目的語の数量表現による有標化――敦煌変文を主資料として」『中国語学』261号(日本中国語学会)など.

妙木忍(みょうきしのぶ)
1977 年生まれ.東北大学大学院国際文化研究科准教授.専門は社会学.著書に『女性同士の争いはなぜ起こるのか――主婦論争の誕生と終焉』(青土社),『秘宝館という文化装置』,(青弓社),論文に「戦後における温泉観光地の発達とその変容――北海道・定山渓温泉を事例として」『旅の文化研究所 研究報告』No. 20(同研究所)など.

楊安娜(ようあんな)
1977 年生まれ.北海学園大学工学部准教授.専門は中国語学.論文に「動補構造“V过1”の意味機能に関する一考察――“V完”との対照を通じて」『北海道大学大学院文学研究科研究論集』第12号など.

書評情報

日刊ゲンダイ 2018年8月31日
芸術新潮 2018年7月号
週刊文春 2018年7月12日号
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