新SI単位と電磁気学

国際単位系の大改定にともない,電磁気学はどう記述されるのか,単位系の物理学的な意味を詳述.

新SI単位と電磁気学
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著者 佐藤 文隆 , 北野 正雄
ジャンル 書籍 > 自然科学書 > 物理学
刊行日 2018/06/19
ISBN 9784000612616
Cコード 3042
体裁 A5 ・ 並製 ・ カバー ・ 216頁
定価 本体2,300円+税
在庫 在庫あり
今秋に大改定される国際単位系.キログラム原器もその役目を終え,物理現象に基づく新たな単位系が定義される.これを踏まえ,異なる表記が併存してきた電磁気学はどう記述されるべきか.前著『物理定数とSI単位』を大幅に改訂,電磁気学を中心に単位系の物理学的な意味を詳述する.
はじめに

1 物理学と単位系
 1. 1 物理学と数量化
  1. 1. 1 数量的記述と単位
  1. 1. 2 メートル法から国際条約へ
 1. 2 社会制度としてのSI単位
 1. 3 単位を定義する現象
  1. 3. 1 地球半径とメートル原器
  1. 3. 2 定義の改変と継承
 1. 4 測定技術の進展
 1. 5 メートル法から国際単位系SIへ
  1. 5. 1 メートル条約までの歴史
  1. 5. 2 新SIまでの歴史年表
 1. 6 キログラム原器の廃止と量子SIの単位系へ
 1. 7 SI単位の実施体制

2 国際単位系SI
 2. 1 SI の3つの柱
 2. 2 基本単位と組み立て単位
  2. 2. 1 基本単位
  2. 2. 2 組み立て単位と「一貫性」
  2. 2. 3 接頭語(prefix)
  2. 2. 4 SIと併用される単位
  2. 2. 5 書式,表記
 2. 3 計量法
  2. 3. 1 法定単位制定と計量器検定
  2. 3. 2 法定計量単位
  2. 3. 3 計量器に関する規制

3 単位系を定義する現象
 3. 1 基本単位と物理定数の定義値
  3. 1. 1 基本単位を定義する7つの定義値
  3. 1. 2 基本単位の定義値への依存関係
 3. 2 時間:天文時間から原子時計へ
  3. 2. 1 天文時間
  3. 2. 2 時  計
  3. 2. 3 原子時計
 3. 3 長さ:メートル原器から光速へ
 3. 4 質量:キログラム原器からプランク定数へ
  3. 4. 1 国際キログラム原器IPKの不安定性
  3. 4. 2 「キログラム原器からプランク定数へ」の意味
 3. 5 電磁気:電流から素電荷へ
  3. 5. 1 力学単位からMKSA単位へ
  3. 5. 2 電磁気の量子的測定
 3. 6 温度:水相図3 重点TPWからボルツマン定数へ
  3. 6. 1 セルシウス温度とケルビン温度
  3. 6. 2 熱力学温度
  3. 6. 3 国際温度目盛ITS-90――1次温度計と2次温度計
 3. 7 物質量:モルからアボガドロ定数へ
  3. 7. 1 モル質量と相対原子質量
  3. 7. 2 ワットバランス法
  3. 7. 3 X線結晶密度法によるアボガドロ定数NAの測定
  3. 7. 4 質量とプランク定数
 3. 8 光度:カンデラからルーメンへ

4 電磁気の単位とマクスウェル方程式
 4. 1 電磁気学の現代的意義
 4. 2 電磁気学における単位の困難
  4. 2. 1 回路と電磁気の単位
 4. 3 電磁気学の体系
  4. 3. 1 源がつくる場
  4. 3. 2 力学作用を表す場
  4. 3. 3 真空の構成方程式電磁気の要石
  4. 3. 4 電気力磁気力に関する法則
  4. 3. 5 力による電磁気量の定量化
 4. 4 マクスウェルと光速と回路
  4. 4. 1 ウェーバーコールラウシュの実験
  4. 4. 2 マクスウェルの慧眼光は電磁波だ
  4. 4. 3 真空のインピーダンス源と力を関係づける
  4. 4. 4 マクスウェル方程式の平面波解と光速
  4. 4. 5 相対論と単位系
 4. 5 電磁気の定数の定義値化
  4. 5. 1 単位の現示
  4. 5. 2 旧SIにおけるアンペアの定義――4π×10−7の起源
  4. 5. 3 新SIにおけるアンペアの定義――電流次元の独立
 4. 6 振動系波動系のインピーダンス――Z0の意味をたずねて
  4. 6. 1 機械系のインピーダンス
  4. 6. 2 LC 共振回路
  4. 6. 3 LC ラダー回路と平面電磁波
  4. 6. 4 平面電磁波のインピーダンス
  4. 6. 5 抵抗板による電磁波の反射と透過
 コラム)マクスウェルは4 種類の場を考えていた
 コラム)LC 共振回路によるc0とZ0の測定
 コラム)D, H の測り方

5 電磁気の単位系の進化と単位系間の変換
 5. 1 単位系の多様性
  5. 1. 1 なぜ多様なのか
  5. 1. 2 合理性を求めて非有理単位系から有理単位系へ
  5. 1. 3 3 元単位系と4元単位系――単位の平方根
 5. 2 単位系間の変換――SIからesu, emuへ
  5. 2. 1 物理量の変換,数値の変換
  5. 2. 2 1T=104 Gauss と書いてはいけない
  5. 2. 3 SI からesu, emu への変換係数
  5. 2. 4 変換表――物理量の変換
  5. 2. 5 変換表――数値の変換
 5. 3 ガウス単位系――esuとemuの無理な融合
  5. 3. 1 3 元単位系の定量的問題と回路の単位
 5. 4 実用単位系からMKSA――へジョルジのアイデア
 5. 5 単位系相互の関係――系統樹
 コラム)ガウス単位系の跳梁跋扈
 コラム)EH対応とEB対応――D, H は補助場ではない

6 単位系余話
 6. 1 測定の先端研究
  6. 1. 1 光コム
  6. 1. 2 光格子時計と重力による振動数シフト
  6. 1. 3 Mc2=hν 振動数の直接測定
  6. 1. 4 メタマテリアルと電磁気学の拡張
  6. 1. 5 SI 単位と生物生理的効果
  6. 1. 6 物理定数は時間的に一定か?
 6. 2 SI の普及とその影響
  6. 2. 1 単位をもつ量の表記:括弧の乱用に注意
  6. 2. 2 数式と量式
  6. 2. 3 単位系という制度:公正安定簡便
  6. 2. 4 米国での単位系の混乱
  6. 2. 5 電磁気学の古典的教科書の単位系改定――ジャクソンとパーセルの密約
  6. 2. 6 新kg 制定の効果
 6. 3 生活の中の計測単位
  6. 3. 1 電波時計と時差ボケ
  6. 3. 2 現代の暦管理:閏秒とコンピュータ時間
  6. 3. 3 情報量の単位と情報機器
  6. 3. 4 消費電力と照度:LEDとカンデラ(燭光)
  6. 3. 5 血圧と大気圧
  6. 3. 6 気象,地震
  6. 3. 7 生活空間の視環境
 6. 4 歴史余話
  6. 4. 1 フランス革命からメートル条約まで
  6. 4. 2 ハリソン時計と経度制定:フランスと英国
  6. 4. 3 日本はSI優等生,かつては国粋主義者の反対も
  6. 4. 4 物理学の体系と単位系,質量「ロス」
  6. 4. 5 マジックナンバー――聖なる数?
  6. 4. 6 個数,等級,序数,ランキング

7 単位系の数理構造
 7. 1 単位系の一般的な考え方
  7. 1. 1 量の空間と量の表現
  7. 1. 2 単位系間の変換可能性と擬順序
  7. 1. 3 単位系間の写像
  7. 1. 4 変換の例
 7. 2 次元と単位系――物理量はどこまで普遍的か
  7. 2. 1 等価な単位系群
  7. 2. 2 次元とは何か
  7. 2. 3 正規化による単位系の変換部分単位系への埋め込み

8 諸定数表
 8. 1 新SI での定義値と新旧SIでの主要物理定数の不確かさ
 8. 2 「よく使われる基本物理定数」,「自然単位n.u.と原子単位a.u.」および「エネルギー等価換算」の表

参考文献
あとがき
索  引
佐藤文隆(さとう ふみたか)
1938年生.1960年京都大学理学部物理学科卒.京都大学名誉教授.理論物理学.『宇宙物理』(岩波講座「現代の物理学」,1995年),『量子力学ノート:数理と量子技術』(サイエンス社,2013年)ほか.

北野正雄(きたの まさお)
1952年生.1977年京都大学大学院工学研究科修士課程修了.同大学院工学研究科教授を経て,京都大学名誉教授.京都大学理事・副学長.量子エレクトロニクス,電磁波工学.『新版マクスウェル方程式:電磁気学のよりよい理解のために』(サイエンス社,2009年),『量子力学の基礎』(共立出版,2010年)ほか.
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