近代立憲主義と他者

危機に立つ日本の立憲主義を〈他者の不在〉という視座から批判的に検討し,真の可能性を掬いだす.

近代立憲主義と他者
著者 江藤 祥平
ジャンル 書籍 > 単行本 > 法律
刊行日 2018/06/27
ISBN 9784000612784
Cコード 0032
体裁 四六 ・ 上製 ・ カバー ・ 382頁
定価 3,960円
在庫 在庫あり
安保法制以来,かつてない危機にさらされる日本の立憲主義.この危機は一体何に由来するのか.法の世界に〈血〉〈肉体〉を招き入れたロバート・カヴァーの憲法論を手がかりに,戦後憲法学があえて視界の外に置いてきた〈他者の不在〉という難問に正面から向き合う.憲法学・哲学・社会学を横断して展開する,気鋭の研究者による力作論考.
序 論 他者の不在


第Ⅰ部 批判

第一章 意味の不在
 序 節  
 第一節 『憲法的思惟』――再考
  第一款 普遍的個人
  第二款 カタログ化された諸自由
  第三款 中立性の原理
 第二節 象徴
  第一款 神なき宗教
  第二款 象徴的世界

第二章 近代立憲主義の理性
 序 節
 第一節 政治的リベラリズム
  第一款 国家の権威と実践的理由
  第二款 切り札としての権利
 第二節 卓越主義的リベラリズム
  第一款 人格的自律
  第二款 憲法学との整合性
 第三節 他我問題
  第一款 力と他者
  第二款 戦後という時間
  第三款 ノモス主権論――再考


第Ⅱ部 全体性

第一章 意味の世界
 序 節
 第一節 ノモス
  第一款 世界構築
  第二款 パラダイム
 第二節 物語
  第一款 不在
  第二款 文学
  第三款 始まり
 第三節 架け橋としての法
  第一款 終わり
  第二款 軌道

第二章 コミットメント
 序 節
 第一節 可能性の投企
  第一款 覚悟
  第二款 意味と相貌
 第二節 血
  第一款 法と血
  第二款 死
 第三節 分離
  第一款 分離と献身
  第二款 客体化
  第三款 共存
 第四節 暴力と平和
  第一款 コミットする立憲主義
  第二款 Bob Jones University 判決
  第三款 抵抗


第Ⅲ部 無限

第一章 存在からの脱却
 序 節
 第一節 メシアと法
  第一款 法的メシア
  第二款 狂気
 第二節 メシアと法外
  第一款 終末論
  第二款 神秘
  第三款 顔
  第四款 身代わり

第二章 贖い
 序 節
 第一節 責任
  第一款 神,人間,世界
  第二款 無限責任
 第二節 国家
  第一款 民族
  第二款 義務
  第三款 希望

終 章 「真に善き日本的なもの」

人名索引
江藤祥平(えとう しょうへい)
1981年 兵庫生
2008年 東京大学大学院法学政治学研究科修了(法務博士)
2012年 コロンビア大学ロースクール修了(法学修士)
最高裁判所司法修習生,長島・大野・常松法律事務所弁護士,東京大学法学部助教,東京大学法学部特別講師を経て,現在,上智大学法学部准教授(専攻:憲法)

書評情報

朝日新聞(朝刊) 2018年9月15日

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