岩波ブックレット

検証 迷走する英語入試

スピーキング導入と民間委託

2020年からの入試で民間スピーキングテストが課されることの危険性を,政策・実施の観点から多角的に検証.

検証 迷走する英語入試
著者 南風原 朝和
通し番号 984
ジャンル 書籍 > 岩波ブックレット > 子ども・教育
シリーズ 岩波ブックレット
刊行日 2018/06/05
ISBN 9784002709840
Cコード 0336
体裁 A5 ・ 並製 ・ 112頁
定価 726円
在庫 在庫あり
英語を「読む・聞く・話す・書く」能力を伸ばすためとして、2020年度からの「大学入学共通テスト」に「スピーキング」が課されることになった。それが民間試験に全面委託されることは、大きな問題点を孕んでいる。拙速・強引な政策決定のプロセスから評価のあり方、高校教育への影響まで、研究者、実践者、高校の教育現場から多角的に検証する。
はじめに……………南風原朝和

1 英語入試改革の現状と共通テストのゆくえ……………南風原朝和
2 高校から見た英語入試改革の問題点……………宮本久也
3 民間試験の何が問題なのか――CEFR 対照表と試験選定の検証より……………羽藤由美
4 なぜスピーキング入試で,スピーキング力が落ちるのか……………阿部公彦
5 高大接続改革の迷走……………荒井克弘

年表 入試改革全体と英語入試改革の流れ
【編者】

南風原朝和(はえばら・ともかず) 「はじめに」,第1章,巻末年表
1953年生まれ.東京大学理事・副学長等を経て,東京大学高大接続研究開発センター長,大学院教育学研究科教授.日本テスト学会副理事長.専門は心理統計学,テスト理論.著書に『心理統計学の基礎――統合的理解のために』(有斐閣),『臨床心理学をまなぶ 7 量的研究法』(東京大学出版会)など.


【執筆者】

宮本久也(みやもと・ひさや) 第2章
1957生まれ.東京都立八王子東高等学校長.前全国高等学校長協会会長.専門は日本史.寄稿に「多様化する普通科教育と「質の保証」の在り方」(『月刊高校教育』48(3),2015年),「高大接続改革の高校現場の受け止めと対応」(『月刊高校教育』50(1),2017年)など.

羽藤由美(はとう・ゆみ) 第3章
1956年生まれ.京都工芸繊維大学教授.専門は応用言語学.著書に『英語を学ぶ人・教える人のために――「話せる」のメカニズム』(世界思想社)など.勤務大学において,コンピュータ方式のスピーキングテストを開発・運営.2017年度よりAO入試に導入される.

阿部公彦(あべ・まさひこ) 第4章
1966年生まれ.東京大学大学院人文社会系研究科・文学部教授.専門は英米文学.著書に『文学を〈凝視〉する』(岩波書店,サントリー学芸賞〈芸術・文学〉),『史上最悪の英語政策――ウソだらけの「4技能」看板』(ひつじ書房)など.

荒井克弘(あらい・かつひろ) 第5章
1947年生まれ.東北大学,大学入試センター名誉教授.元独立行政法人大学入試センター副所長,日本高等教育学会会長.専門は高等教育研究,教育計画論.著書に『高校と大学の接続――入試選抜から教育接続へ』(共編著,玉川大学出版部),『全国学力調査日米比較研究』(共編著,金子書房)など.

書評情報

朝日新聞(朝刊) 2019年12月21日(評者:中村高康さん)
週刊ダイヤモンド 2018年10月27日号
学研・進学情報 2018年11月号

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