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戦争体験と経営者

「戦争体験」は,戦後,経営者として成功を収めた人たちの企業経営にどのような影響を及ぼしたのか.

戦争体験と経営者
著者 立石 泰則
通し番号 新赤版 1728
ジャンル 書籍 > 岩波新書 > 社会
刊行日 2018/07/20
ISBN 9784004317289
Cコード 0236
体裁 新書 ・ 190頁
在庫 在庫あり
若くして戦場に赴き,戦後は経営者として活躍し,地位と名声を築いた人たち.その時の苛烈な「戦争体験」は,彼らのその後の生き方や企業観,経営手法に,どのような影響を与えたのか.企業取材歴40年のノンフィクション作家が,取材の過程で出会った経営者たちの肉声をふり返りながら考える.
はじめに

第一章 戦地に赴くということ
 堤清二/父・康次郎の出現/理系から文系へ/堤の戦争体験/中内㓛/一兵卒として戦地に派遣される/ルソン島での飢餓体験/堤,共産党に入党する/共産党の査問を受け,除名/西武百貨店に入店,「セゾングループ」へ/辻井喬での創作活動/バブル景気を追い風に/平成不況の中でグループ解体/「よい品をどんどん安く」/他人のために生きる/『わが安売り哲学』/私は商人である/「ソビエトをつくろう」/関西財界の重鎮に異議/「そんなええかげんなことを言うのはおかしい」/阪神淡路大震災の被災者を励ます/晩年の中内

第二章 日本軍は兵士の命を軽く扱う
 ケーズデンキ・加藤馨名誉会長の「お別れ会」/「戦争ほど悲惨で残酷なものはありません」/職業軍人の道へ/暗号班長として/ノモンハン事件で見たもの/大本営への疑問/日本軍の無謀な戦いぶり/敗戦,そして仕事探し/ボロ家で始めた電気店/明朗会計と無料修理/ナショナルショップから混売店へ/株式会社カトーデンキ/定年まで働いたら財産ができる組織に/東証一部上場を実現/「がんばらない経営」/個人の尊厳と自由意思を尊重した人生

第三章 戦友の死が与えた「生かされている」人生
 ワコール会長の神がかり的な発言/「絶対に商人になる」/「近江商人の士官学校」での出会い/中村伊一/川口郁雄/八幡商業時代の三人/ラブレター事件/卒業後の進路/インパール作戦に従軍/「白骨街道」を歩く/「なぜ自分だけ生き延びたのか」/婦人洋装下着を専門とする株式会社へ/塚本の女性観,平和への希求/川口の戦争体験/塚本との再会/学徒出陣で満州へ/ソ連での収容所生活/塚本幸一からの誘い/トロイカ体制で発展/「経営危機」にどう向き合ったか/四つのビジョン/「相互信頼の経営」へ/戦争が三人を結びつけた

第四章 終わらない戦争
 ある商社マンの戦争体験/「オレは,いまから鬼になる」/国民の生命を守らない軍隊/シベリア抑留の経験/日本軍敗北の真相/珊瑚海海戦での日米異なる対応/目先の勝利が大切なのか/「全体」に無条件に尽くす「個」/山下俊彦の経営/「個」を活かす人事/左遷されていた労組役員を抜擢/受け継がれなかった山下革命

おわりにかえて            
立石泰則(たていし やすのり)
 1950年北九州市生まれ.ノンフィクション作家,ジャーナリスト.中央大学大学院法学研究科修士課程修了.経済誌編集者,週刊誌記者等を経て,88年に独立.『覇者の誤算 日米コンピュータ戦争の40年』(日本経済新聞社)により第15回講談社ノンフィクション賞を受賞.『魔術師 三原脩と西鉄ライオンズ』(文藝春秋)により第10回ミズノスポーツライター賞最優秀賞を受賞.
 『復讐する神話 松下幸之助の昭和史』(文藝春秋),『さよなら!僕らのソニー』,『松下幸之助の憂鬱』,『君がいる場所、そこがソニーだ』(以上,文春新書),『働くこと、生きること』(草思社),『日本企業が社員に「希望」を与えた時代』(七つ森書館)など,著作多数.

書評情報

徳島新聞 2018年9月14日
読売新聞(朝刊,本よみうり堂) 2018年10月7日
毎日新聞(朝刊) 2018年10月7日
愛媛新聞 2018年8月26日

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