戦国大名と分国法

血で血を洗う戦国乱世を生きた,華々しき大名たち,のはずが!? 悩める素顔を語る,かくも雄弁なる〈法〉!

戦国大名と分国法
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著者 清水 克行
通し番号 新赤版 1729
ジャンル 書籍 > 岩波新書 > 日本史
刊行日 2018/07/20
ISBN 9784004317296
Cコード 0221
体裁 新書 ・ 240頁
定価 本体820円+税
在庫 在庫あり
血で血を洗う戦国乱世,華々しく天下を目指した大名たち,のはずが!? 厄介な隣国,勝手な家臣,喧嘩に盗みに所有地争い,会議の席順や落とし物まで,この世はもめごとの種ばかり.新たな社会のルール作りに懸命に挑んだ大名たちを待ち受けていた運命とは──.悩める大名の素顔を語る,かくも雄弁な〈法〉の面白さ!
はじめに――分国法の世界へ
 分国法への招待/大名はつらいよ/分国法の基礎知識

第一章 結城政勝と「結城氏新法度」―― 大名と家臣たち
 乱世の子/「新法度」制定の背景/奇妙な法律/羅列された条文/法の未熟さ/ゴリ押しする家臣たち/炎上する喧嘩/戦場のカオス/家臣への諮問/家臣と大名の合意/「古法」の吸収/大名への忠節/政勝のいらだち/その後の結城家

第二章 伊達稙宗と「塵芥集」―― 自力救済と当事者主義
 “独眼竜”の曽祖父/「塵芥集」と「御成敗式目」/連想と借用/たった一人の戦い/誤訳と直訳/「塵芥集」の個性/復讐と法律/「生口」を探せ/冤罪の晴らし方/生口捕縛の修羅場/落とし物のゆくえ/「万民を育むため」/稙宗の有頂天/伊達天文の乱/稙宗の夢のあと

第三章 六角承禎・義治と「六角氏式目」―― 戦国大名の存在理由
 石垣と楽市の先進性/先進地域の分国法/異形の分国法/大名を縛る法/父子二重権力/日本版マグナ・カルタ/「徳政」としての分国法/抵抗する民衆/手ごわい村々/自力救済から裁判へ/訴訟手続き法/戦国大名の存在理由

第四章 今川氏親・義元と「今川かな目録」―― 分国法の最高傑作
 最強の戦国大名は誰か?/室町時代の地政学/「かな目録」の謎/影の制定者は寿桂尼か?/臨終の床での分国法制定?/「あとがき」に記された噓/共同作業で生まれた法/寄物・寄船の法/中分の法思想/喧嘩両成敗法/社会と切り結んだ法/新しい「国家」/今川義元の登場/「かな目録」の修正/下人の家族/戦国大名宣言/「国民」の創生/義元の統治構想/桶狭間の悲運

第五章 武田晴信と「甲州法度之次第」――家中法から領国法へ
 駒井高白斎の原案/「かな目録」の引用ミス/晴信と家臣たち/「非理法権天」/二六条本から五五条本へ/「自由」と「姦謀」/五五条本はいつできた?/新たなバージョンアップ/村と戦国大名/借銭法度と晴信の死闘/家中法から領国法へ

終 章 戦国大名の憂鬱
 分国法のねらい/分国法のパラドックス/法廷の現実/戦場と法廷のジレンマ/分国法はいらなかった/彼らが歴史に遺したもの

参考文献
あとがき
清水克行(しみず かつゆき)
1971年,東京生まれ.立教大学文学部卒業,早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学.
現在―明治大学商学部教授
専攻―日本中世史
著書―『室町社会の騒擾と秩序』(吉川弘文館)/『喧嘩両成敗の誕生』(講談社選書メチエ)/『日本神判史――盟神探湯・湯起請・鉄火起請』(中公新書)/『足利尊氏と関東』(吉川弘文館)/『耳鼻削ぎの日本史』(洋泉社歴史新書y)ほか
共著―『現代(いま)を生きる日本史』(岩波テキストブックスα)/『戦国法の読み方――伊達稙宗と塵芥集の世界』(高志書院)/『世界の辺境とハードボイルド室町時代』『辺境の怪書,歴史の驚書,ハードボイルド読書合戦』(ともに集英社インターナショナル)/『室町幕府将軍列伝』(戎光祥出版)ほか

書評情報

毎日新聞(朝刊) 2018年9月16日
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