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ロバート・フィルマーの政治思想

ロックが否定した王権神授説

「否定されるべき思想家」フィルマーの遺産とは

ロバート・フィルマーの政治思想
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著者 古田 拓也
ジャンル 書籍 > 単行本 > 政治
刊行日 2018/08/28
ISBN 9784000026048
Cコード 3031
体裁 A5 ・ 上製 ・ カバー ・ 288頁
定価 本体4,700円+税
在庫 未刊・予約受付中
ロックは『統治二論』で人民主権の自由主義的な政治を描いて,フィルマーの王権神授説を徹底的に批判した.しかしロックのフィルマー論駁の根拠は今日でも有効なのか.わたしたちは,どのように人民主権と社会契約を基礎づければよいのか.考察は,17世紀イングランドから,戦前戦後の日本へとつながる.政治思想史と思想研究が交錯する意欲作.
はじめに――ロバート・フィルマーという「敗者」

凡 例

序 論
 「フィルマー主義」の歴史/フィルマーとフィルマー主義(第一章・第二章)/フィルマーとロック(第三章)/フィルマーと「われわれ」(第四章)


第Ⅰ部 ロバート・フィルマーとその時代

第一章 内乱以前――「アダムの権利の基礎」
 1 内乱以前の政治と思想――『パトリアーカ』の背景
  フィルマーの前半生/政治的背景
 2 ふたつの「絶対権力」
  裁判官としての王/立法者としての王/ジェームズの解決/フィルマーの絶対権力論
 3 「アダムの権利」――『パトリアーカ』の政治思想
  解釈枠組――「愛国」か「自然的自由」か/父=王の権力/家父長主義のジレンマ?/摂理主義的な王権神授説/シドニーとブーン

第二章 「アダムの権利」の暴走――内乱以後のロバート・フィルマー
 1 議会派の制限・混合政体論――抵抗の可能性
  内乱のはじまり/「十九箇条への回答」を巡る論争
 2 王党派の制限・混合政体論――非抵抗の主張
  非―絶対主義的な王党派/制限と抵抗
 3 反議会派,反王党派,反『パトリアーカ』――『アナーキー』の政治思想
  内乱期のフィルマー/著作家としての再出発/『パトリアーカ』から『アナーキー』へ/フィリップ・ハントン/議会派のロジックによる絶対君主論/『アナーキー』の困難
 4 王なき時代の忠誠――エンゲイジメント論争と『服従指針』
  共和国の成立/フィルマーの問題の消失?/臣従か,抵抗か
 5 フィルマーの苦境――『アリストテレス論考』と『統治起源論』
  共和主義とその敵対者/統治のない共同体/ホッブズの「受容」
 6 なぜ『パトリアーカ』は結局出版されなかったのか――フィルマーの思想的「変遷」と「一貫性」


第Ⅱ部 ロバート・フィルマーの遺産

第三章 フィルマーとロック――権力の源泉と服従への問い
 1 「アダムの権利」の残響
  はじめに/先行研究の整理
 2 「裁定者は誰か」――フィルマーの契約説批判
  伝統的契約理論/フィルマーの批判
 3 フィルマーへの応答――ロックによる契約説の再構成
  ロックの「判断力」の行使/神学的枠組/自然状態論/同意論/政治社会の条件
 4 残された問い――フィルマーとロックの遺産

第四章 日本における「フィルマー」の影――三つのフィルマー論争
 1 フィルマーという藁人形
  バートランド・ラッセルの印象/方法と目的
 2 「ロバート,フヰルマー」の登場――穂積八束・戸水寛人・高橋粲三
  穂積八束の「フィルマー」主義/穂積の批判者たち/日本のエドマンド・ブーン? 
 3 国体 vs フィルマー――美濃部達吉と上杉慎吉の論争
  美濃部達吉の国家法人説/上杉慎吉の反論/「フィルマー主義」というラベル/戦前の「フィルマー論争」まとめ
 4 フィルマー,ロックと戦後日本――丸山眞男と現代
  図式の転換/新世代の反フィルマー主義/丸山眞男の闘い
 5 「フィルマー」との闘いの続き


おわりに
 全体のまとめ/現代的意義


あとがき
参考文献
人名索引・事項索引
古田拓也(ふるた たくや)
1985年,岐阜県出身.専門は政治思想史.慶應義塾大学大学院法学研究科政治学専攻博士課程修了.博士(法学).17 世紀イングランドの政治思想史および20世紀政治思想史方法論を中心に研究を進めている.現在は慶應義塾大学・関東学院大学・二松学舎大学非常勤講師.主要論文に“From Kent to Japan:The Reception Historyof Robert Filmer as a Straw Man─(Journal of Political Ideologies,Taylor and Francis,vol.20,no.3,2015),「「事実があたえられているのに,なぜ虚構を探し求めるのか」――フィルマーの契約説批判とロックによる再構築」(『イギリス哲学研究』,日本イギリス哲学会,第37号,2014年),共訳書に,リチャード・タック『戦争と平和の権利――政治思想と国際秩序:グロティウスからカントまで』(風行社,2015年)がある.
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