新刊

道徳教育と愛国心

「道徳」の教科化にどう向き合うか

戦後から現在に至る「愛国心」教育復活の歴史的経緯を検証.教育現場はどう対抗すべきかを考える.

道徳教育と愛国心
このエントリーをはてなブックマークに追加
著者 大森 直樹
ジャンル 書籍 > 単行本 > 教育
刊行日 2018/09/21
ISBN 9784000612920
Cコード 0037
体裁 四六 ・ 並製 ・ カバー ・ 352頁
定価 本体2,600円+税
在庫 在庫あり
戦前の皇民化教育の反省に立ち,戦後,「教育勅語」と「修身」を廃止して民主的な教育制度へと転換したはずの日本.だが実際には,戦後以降,「愛国心」教育を復活させようとする動きが続き,そしていま,「道徳」の教科化が開始されている.その歴史的経緯を丹念に解き明かし,今後の教育現場はどうあるべきかを鋭く問う.
はしがき

第1章 道徳の教科化とは何か
 1 徳育の教科化を目指して──第一次安倍政権
 2 道徳の教科化へ──第二次安倍政権
 3 「道徳の時間」から「特別の教科である道徳」へ
 4 国定の道徳基準の改正
 5 「考え,議論する道徳」への展開
 6 検定教科書の意味
 7 道徳の評価はどうなるか

第2章  戦前の道徳教育を見る──修身と愛国心の評価
 1 学籍簿の存在と修身
 2 教育勅語と愛国心評価
 3 愛国心は内面化されたのか

第3章 戦前の道徳教育は反省されたのか──戦後教育改革の「抜け道」
 1 修身教科書の墨塗り
 2 教育勅語から教育基本法へ──「抜け道」1
 3 修身の廃止──「抜け道」2
 4 教育課程の内容と授業時数をめぐって──「抜け道」3
 5 継続された学籍簿──「抜け道」4
 6 現場における社会科と生活のなかの道徳

第4章 復活した国定の道徳教育── 一九五八年「道徳の時間」特設
 1 「道徳の時間」特設
 2 反共のための民主主義
 3 吉田茂による「道義の高揚」と「教育宣言」
 4 天野貞祐の「修身に代るものと教育勅語に代るもの」
 5 反省の動き──原爆の子・教員の悔恨・元憲兵
 6 保守政党の道徳教育政策──吉田茂による「愛国心の涵養」
 7 道徳教育政策ルート
 8 内藤譽三郎のはたらき──「抜け道」2と3をつかって

第5章 国定による道徳教育はなぜ問題か──批判と反対の声
 1 国による介入──日本教育学会の問題提起(一九五七年)
 2 「道徳教育講習会」への拒否闘争──日教組による統一行動(一九五八年)
 3 ある親からの問題提起──市井の人々の反応(一九六一年)

第6章 愛国心教育の制度的漸進
 1 「道徳の時間」の継続
 2 天皇敬愛教育の導入(一九六八年)──「期待される人間像」と「抜け道」3′
 3 天皇敬愛教育の再導入(一九八九年)──「臨教審答申」と「抜け道」3′
 4 愛国心評価の復活(二〇〇二年)──「抜け道」3′と4
 5 教育基本法改正と愛国心(二〇〇六年)──「抜け道」1と2の再編

第7章 安倍政権下の二四教育法と道徳教育
 1 グローバル人材養成と道徳教育
 2 ノンエリートへの愛国心教育
 3 公立学校民間委託への対応と道徳教育

終 章 「道徳」の教科化にどう向き合うか
 1 教科化の要点を見る
 2 教科化の何が問題か
 3 どう向き合うべきか


あとがき
主な参考文献


巻末資料
 資料1 道徳基準の国定(小学校)
 資料2 評価の様式・様式案の国定(小学校)
 資料3 一九〇〇年 第一〇号表〔学籍簿様式〕[資料2─①]
 資料4 二〇〇一年 小学校児童指導要録 参考様式(様式2─1)[資料2─⑫]
 資料5 二〇一〇年 小学校児童指導要録 参考様式(様式2─1,2)[資料2─⑬]
 資料6 二〇一六年 小学校児童指導要録 参考様式(様式2─1,2)[資料2─⑭]
大森直樹(おおもり なおき)
1965年生まれ.東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学.現在,東京学芸大学教育実践研究支援センター准教授.専攻は,教育学,教育史.
著書に『大震災でわかった学校の大問題──被災地の教室からの提言』(小学館101新書),『福島から問う教育と命』(共著,岩波ブックレット),編著書に『子どもたちとの七万三千日──教師の生き方と学校の風景』(東京学芸大学出版会),『2017小学校学習指導要領の読み方・使い方──「術」「学」で読み解く教科内容のポイント』,『2017中学校学習指導要領の読み方・使い方──「術」「学」で読み解く教科内容のポイント』,『資料集東日本大震災と教育界──法規・提言・記録・声』,『原発災害下の福島朝鮮学校の記録──子どもたちとの県外避難204日』(以上,明石書店)など.
ページトップへ戻る